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全国発明表彰を受賞~自動車の燃費と衝突安全性を向上する超高強度薄鋼板~【JFEスチール】
2023年6月13日
全国発明表彰を受賞
~自動車の燃費と衝突安全性を向上する超高強度薄鋼板~
当社はこのたび、自動車の燃費と衝突安全性を向上する超高強度薄鋼板の発明により、令和5年度全国発明表彰(※1)経済産業大臣賞を受賞しました。当社の全国発明表彰受賞はJFEスチール発足以来13回目となります。また、当社社長の北野嘉久が「発明実施功績賞」を受賞しました。6月12日、The Okura Tokyo(東京・港区)にて表彰式が行われました。
1.受賞件名:
「自動車の燃費と衝突安全性を向上する超高強度薄鋼板の発明」
2.受賞者:
吉岡 真平 スチール研究所 薄板加工技術研究部 主任研究員
小野 義彦 知的財産部 知財技術室 主任部員
飛鷹 健太 西日本製鉄所 薄板商品技術部 自動車室 主任部員
山口 竜介 西日本製鉄所 薄板商品技術部 自動車室 主任部員
3.発明の概要
本発明は、引張強さが1320MPa以上の超高強度でありながら耐遅れ破壊特性(※2)を飛躍的に高めた自動車用冷延鋼板に関するもので、冷間加工用1320/1470MPa級超高強度冷延鋼板に活用されています。
当社独自のWQ方式(※3) 連続焼鈍プロセスによる超急速冷却技術を駆使し、遅れ破壊に悪影響を及ぼす合金元素を低減しつつ金属組織の均一性を極限まで高めることに成功しました。これにより耐遅れ破壊特性を実用可能なレベルに引き上げ、安価で広く普及している冷間プレス工法で超高強度部品を実現しました。1470MPa級鋼板の場合、現在主流である980MPa級鋼板と等価の衝突性能を維持しつつ板厚を薄くできるため、約20%の軽量化が実現可能となります(図1)。本発明の鋼板は主要な骨格部品の多くに適用が可能と考えられ、今後主流となって車の燃費向上による環境負荷低減と衝突安全性の向上に寄与するものと期待されます(図2)。
当社は今後とも、本鋼板の採用範囲拡大および高性能な高張力鋼板の開発に努め、自動車の安全性向上と車体の軽量化による燃費の向上を通じてCO2排出量削減に貢献し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
(※1) 公益社団法人発明協会(会長: 内山田竹志)が主催。我が国の科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的に、多大な功績をあげた発明・考案・意匠(以下、発明等)や、その優秀性から今後大きな功績を挙げることが期待される発明等を表彰。
(※2) 水素に起因するプレス成形後の静的な脆性割れを発生しにくくする性質。
(※3) 水焼入れ。Water Quenchの略。
(左より)
西日本製鉄所薄板商品技術部主任部員 飛鷹、知的財産部主任部員 小野、
当社社長 北野、薄板加工技術研究部主任研究員 吉岡、
西日本製鉄所薄板商品技術部主任部員 山口
【図1】モデル部品を用いた自動車衝突模擬試験
【図2】本発明鋼板の適用可能部品例
【参考URL】
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