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世界初となるハイテンの熱間連続圧延技術を開発【JFEスチール】
2021年5月6日
世界初となるハイテンの熱間連続圧延技術を開発
当社はこのたび、高張力鋼板(以下、ハイテン)の熱間連続圧延技術(以下、エンドレス圧延)を世界で初めて開発しました。すでに東日本製鉄所(千葉地区)熱延工場で量産を開始しており、ハイテンの安定生産および生産性向上を実現しました。
通常の熱間圧延プロセスでは、加熱したスラブを、粗圧延機と仕上げ圧延機で1枚ずつ所定の板厚まで圧延し、冷却設備で巻き取り温度を制御した後、コイル状に巻き取ります。仕上げ圧延時には、コイルの先尾端に張力がかからないため、鋼板の形状悪化および蛇行が発生しやすくなります。これらの問題に対応するため、当社は、粗圧延機と仕上げ圧延機との間に設置した接合装置でコイルの先尾端を接合し、仕上げ圧延機に複数のコイルを連続的に装入することができるエンドレス圧延(図1)を、1996年に世界に先駆けて開発し、東日本製鉄所(千葉地区)に導入しました。
一方で、ハイテンへのエンドレス圧延適用にあたっては、機械的特性の向上を目的に添加している合金元素(Si・Mn等)の影響で、接合部の強度および延性が低下するため、仕上げ圧延時に破断してしまうという課題がありました。
そこで当社は、接合部の強度および延性の低下を防ぐ技術(図2)を開発し、仕上げ圧延時の破断を抑制することに成功しました。これにより、ハイテンのエンドレス圧延が可能となり、通板性の改善などを通じて、ハイテンの安定生産および生産性向上に大きく寄与しています。
当社はこれからも、革新的な生産プロセス技術、および自動車の軽量化と衝突安全性向上の両立に資する高性能なハイテンの開発を通じて、今後も増加が見込まれるハイテンの需要に応えていくとともに、カーボンニュートラル社会の実現に寄与するエコプロダクトの供給を拡大していくことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
【図1】エンドレス圧延設備の概要【図2】接合部の高温延性に関する従来法と開発法の比較結果
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