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令和3年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)を受賞【JFEスチール】
2021年4月6日
令和3年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)を受賞
~革新的雰囲気制御による溶融亜鉛めっき薄鋼板製造技術の開発~
このたび当社は「革新的雰囲気制御による溶融亜鉛めっき薄鋼板製造技術の開発」の成果が認められ、令和3年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰(※1)科学技術賞(開発部門)を受賞しました。当社の同賞受賞は4年連続となります。
受賞案件 : 「革新的雰囲気制御による溶融亜鉛めっき薄鋼板製造技術の開発」
受賞者 : 常務執行役員 スチール研究所 副所長 長滝 康伸
缶用鋼板セクター部 主任部員 鈴木 善継
スチール研究所 表面処理研究部 主任研究員 牧水 洋一
スチール研究所 圧延・加工プロセス研究部 主任研究員 髙橋 秀行
スチール研究所 薄板研究部長 金子 真次郎
案件概要 :
自動車走行時のCO2排出量削減を目的に、車体部品に使用する鋼板を薄肉化して軽量化することが進められています。これには、鋼板の強度を高めるだけでなく、複雑な形状にするためのプレス加工性、および自動車の耐久性を高めるための防錆性を確保することが欠かせません。このため、当社ではプレス加工性に優れる高張力合金化溶融亜鉛めっき(ハイテンGA)鋼板(※2)の開発を進めてきました。鋼板の高強度化と優れた加工性を両立させるには、鋼板への強化元素の添加が必要です。しかし、一部の強化元素は、鋼板の製造工程で表面に濃化し、最終工程である溶融亜鉛めっき処理において、表面欠陥の原因となるため、添加できる強化元素量には限界がありました。
本開発では、従来とは異なる新たなコンセプトで、製造工程の雰囲気を精密に制御することによって、鋼板表面における強化元素の濃化を抑制し、無害化することに成功しました。その結果、強化元素の添加量を高めることが可能となり、プレス加工性の指標となる伸び特性が従来鋼と比較して約2割向上した590~980MPa級ハイテンGA鋼板を、表面欠陥なく製造できるようになりました。この技術により、プレス加工が難しい自動車部品にもハイテンGA鋼板を使用することが可能となり(図1)、車体軽量化による燃費向上を通じて、CO2排出量の削減に貢献しています。
当社は今後とも、環境負荷を低減するエコプロダクツと製造技術の開発に注力し、社会全体のCO2排出量削減に寄与していくことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
(※1)科学技術分野の文部科学大臣表彰
科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的としています。
(※2)高張力合金化溶融亜鉛めっき(ハイテンGA)鋼板
Galvanized Alloyの略。溶融亜鉛めっき後に再加熱し、めっき層の亜鉛と鉄を合金化した高張力鋼板。高い防錆性能を有するとともに、溶接性、塗装性などの自動車用鋼板に求められる諸特性に優れています。
【図1】従来鋼と開発した980MPa級ハイテンGA鋼板のプレス加工例
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