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より洗練された革新的なADASソリューションをエントリレベルからミッドレベルまでの自動車に拡張【日本テキサス・インスツルメンツ】
2014年11月4日
前方、後方、サラウンド・ビューなどの車載アプリケーション用に、
高いコスト効率のADAS向けSoC製品を提供する、新しい『TDA3x』プロセッサ製品
世界各国の政府が、より安全な自動車の購入を促進している中で、自動車メーカー各社は、新車アセスメント・プログラム(NCAP)で常に高い評価を得られる自動車を作る努力しています。日本テキサス・インスツルメンツは、車載用システム・オン・チップ(SoC)ファミリに、最新のTDA3x ソリューションを追加しました。『TDA3x』プロセッサ・ファミリは、自動車メーカー各社がNCAPの条件を満たし、洗練された先進運転支援システム(ADAS)のアプリケーションの開発ができるようサポートし、エントリレベルからミッドレベルまでの自動車において、路上での衝突事故を減少させる自動運転の技術を実現します。『TDA3x』製品は、その他の『TDA』製品と同一のアーキテクチャで開発され、前方カメラやサラウンド・ビュー、スマート後方カメラやレーダーなどを追加したフュージョンなどの各アプリケーションに、『TDA2x』製品のスケーラビリティを拡張します。
エントリレベルからミッドレベルまでの自動車向けにスケーラブルなADASアプリケーションを開発
高度に統合され、スケーラビリティを有するTIの車載向けプロセッサ製品ファミリを拡張する『TDA3x』ファミリは、車線逸脱防止アシスト、アダプティブ・クルーズ・コントロール、歩行者や障害物の検知、前方衝突警報や後方衝突の防止など、複数のADASアルゴリズムをサポートしています。これらのアルゴリズムは、前方カメラ、サラウンド・ビュー、フュージョン、レーダーやスマートリアカメラなどの幅広いADASアプリケーションを効果的に使う上で重要です。『TDA3x』プロセッサを使うことで、コストを重視しながら歩行者や自転車に対する緊急自動ブレーキ(AEB)、前方衝突警報(FCW)や車線逸脱防止アシスト(LKA)といった、NCAPプログラムに対応する為のADASアプリケーションを開発できます。
『TDA』プラットフォーム内の他のSoCと同じアーキテクチャで開発された、新しい『TDA3x』プロセッサによって、自動車メーカー各社は、ハードウェアとソフトウェアの互換性により、スケーラブルに多様な製品ラインアップの構成が可能となり、より手頃な自動車にも次世代の高度なADAS機能を迅速に提供できるようになります。『TDA3x』 SoCは、固定小数点と浮動小数点との両方をサポートしたTIの『TMS320C66x』世代のDSPコア、エンベデッド・ビジョン・エンジン(EVE)を含むフル・プログラマブルのVision AccelerationPac、ARM® Cortex®-M4デュアルコアのほか、イメージ・シグナル・プロセッサ(ISP)や多数のペリフェラル群を備えた、スケーラブルなアーキテクチャで作られています。
フル・プログラマブルの『TDA3x』ソリューションは、『TDA』プラットフォーム全体にわたって、自動車メーカー各社が製品の差別化と、急速に変化する自動車市場のニーズに対応するための、スケーラビリティも提供します。さらに、TIの Vision SDK(ソフトウェア開発キット) ソフトウェア・ライブラリの提供により、同一プラットフォーム上で、低価格から高価格帯までの幅広い自動車製品向けのADASソリューションを、投資を抑えて少ない開発コストで、短期間に市場投入できます。
業界初の車載向けパッケージ・オン・パッケージ・ソリューション
『TDA3x』 SoCは、業界初のパッケージ・オン・パッケージ(PoP)を自動車業界に提供し、ADAS用カメラやレーダー・システムの小型化を実現します。『TDA3x』のパッケージの上にメモリやフラッシュを実装するため、基板実装面積の削減とプリント基板の簡素化を同時に実現し、モジュールのサイズを増加させずに処理能力を追加できます。Micron社、ISSI社やWinbond社等複数のメモリ・ベンダ各社が、『TDA3x』 SoC向けのカスタムのPoPメモリを供給する予定です。
ISPの統合によって、システム・コストの削減、複雑さの緩和、サイズの縮小を実現
『TDA3x』プロセッサ製品は、raw/Bayer センサ向けのISPを統合したことで、 ソリューションのサイズやコスト、複雑さを増加させずに、イメージ品質の向上を提供します。『TDA3x』 SoCのバリエーション製品には、ノイズ・フィルタ、カラー・フィルタ・アレー、ビデオ・ノイズ・テンポラル・フィルタリング(VNTF)、露出やホワイトバランスの調整のほか、高ダイナミックレンジ(WDR)や光学系の歪み補正(LDC)の最適なサポートを含む、全機能内蔵のISPを統合した製品もあります。ISPは、モノラル、ステレオ、そして最大4本のカメラ入力が可能で、それらの幅広い組み合わせをサポートし、業界をリードする統合ソリューションを提供します。
機能安全向けの拡張設計が、より高い安全性の自動車を実現
TIの『TDA3x』プロセッサは、ISO 26262機能安全標準の関連要件を満たすよう、現在も開発が進められています。『TDA3x』は、数々の賞に輝いたTIの『TMS570』Herculesセーフティ・マイコン・ファミリの幅広い診断機能を活用し、既存の『TDA2x』プラットフォームの安全コンセプトを強化しました。ハードウェア、ソフトウェア、ツール群やサポートの組み合わせにより、『TDA3x』プロセッサの顧客各社において、厳しい機能安全要件への適合と、システム・レベルでの機能安全の認証取得を、より効率よく実現します。
PMICの統合が、最高の性能を提供、システムのサイズの縮小やコストの削減を促進
TIでは、製品開発期間の短縮やリスクの軽減に役立つ、『TDA3x』プロセッサ製品向け電源管理IC(PMIC)を開発しました。このPMICは、『TDA3x』ソリューションを最高の性能で動作させることが可能であると同時に、システム・レベルの消費電力を最小限にするために必要な電源管理機能 を内蔵しています。このPMICは、ADASアプリケーション向けの厳しい基板実装面積の要件に適合するとともに、システム・コストの削減に役立ちます。
価格と供給
TIの『TDA3x』プロセッサはサンプル出荷中です。『TDA3x』の各プロセッサは大量生産を予定されている自動車メーカー各社向けの製品です。『TDA3x』ソリューションは、15mm角の製品と、PoPパッケージの12mm角の製品とが供給され、EVEとDSP向けのライブラリ群を含むTIのVision SDKが付属します。詳細に関しては、最寄りのTI営業所または販売代理店までお問い合わせください。
『TDA3x』に関する情報
・ TDA3xとサラウンド・ビューのホワイトペーパーを参照 (英語)
・ TIのADAS offeringsと『TDA3x』をtechnical briefで参照(英語)
・ POPとISPのAsk the Expertビデオを視聴(英語)
・ TDA3x video seriesを視聴(英語)
車載向けアプリケーションの技術革新を牽引するTI製品
TIはメーカーとシステム・サプライヤに対して、自動車市場でのワールドクラスの機能の実現を可能にする、先進的で信頼性の高い半導体製品を幅広く提供しています。TIは広範な電源IC、インターフェイス、シグナル・チェーン・ソリューションに加え、DLP®ディスプレイ、ADASおよびインフォテインメント・プロセッサ、Hercules™『TMS570』セーフティ・マイコン、ならびにワイヤレス・コネクティビティ・ソリューションを提供しています。これらのソリューションに対して充実した技術文書 を提供するとともに、厳しいAEC-Q100車載規格やTS 16949規格に準拠した製品のほか、ISO 26262規格に準拠したSafeTI™製品も供給しています。TIの車載用製品の詳細については、http://www.tij.co.jp/automotiveをご参照ください。
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