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独自の高機能ゼオライト素材による排ガス触媒事業への参入について【三菱樹脂】
2013年2月28日
三菱樹脂㈱(本社:東京都千代田区 社長:姥貝 卓美)は、独自の高機能ゼオライト「AQSOA®」を用いた尿素SCRシステム向けゼオライト触媒(以降、SCR触媒)の開発及び品質確立に一定の目途が立ったことから、同事業に本格参入します。排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOX)を尿素により還元・無害化する尿素SCRシステムは、その優れた浄化性能から今後の急速な市場拡大が見込まれる注目技術です。当社は、SCR触媒向け高機能ゼオライト「AQSOA®」の世界的な生産・供給体制の確立と、さらなる品質の改良を進め、SCR触媒事業の拡大に向けて積極的に取り組んでまいります。
当社独自の高機能ゼオライト「AQSOA®」は、その優れた水蒸気吸着性能を活かして、工場の低温排熱や太陽熱を利用できる吸着式冷凍機やデシカント空調機として、その事業展開を進めています。省エネ技術に関心が高まる中、低温排熱を有効利用可能な製品への補助金交付などもあり、現在、市場が急拡大している有望な素材です。
一方で、ゼオライトは排ガス処理の触媒としても使用されていますが、自動車やトラック等の排気ガス規制は、2014年以降、欧州や米国において順次規制が強化される予定であり、日本もまた同様に規制が強化される見込みです。このような規制強化の流れの中で、尿素の加水分解で生成したアンモニアによりNOXを還元・無害化する尿素SCRシステムは、今後の大幅な市場拡大が見込まれており、同システムに使用されるゼオライト系の触媒も急速に需要が拡大することが期待されています。そこで当社は、独自の高機能ゼオライト「AQSOA®」の新たな用途分野としてSCR触媒に注目し、2009年からSCR触媒向けの「AQSOA®」の開発を進めてまいりました。その結果、200℃の低温領域で優れた浄化性能を発揮し、かつSCR触媒に欠かせない高温水熱耐久性に優れ、さらにコスト面でも優位性を有するSCR触媒の開発に成功し、今般、その市場への本格参入を行うことと致しました。
当社は、一部顧客へのサンプルワークをすでに開始しており、「AQSOA®」はSCR触媒として求められる品質をほぼクリアしております。今後、さらなる品質改良に取り組むとともに、2014年以降の急速な市場拡大に備え、国内および世界での生産・供給体制の整備を行うべく、その検討を鋭意取り進めてまいります。当社は、5年後100億円の販売を目指し、SCR触媒向け「AQSOA®」の事業拡大に取り組んでまいります。
SCR触媒向け「AQSOA®」の特長
・ 200℃付近の比較的低温の温度領域においても高い浄化性能を発揮します。
・ 高温水熱耐久性に優れています。
・ 水蒸気繰り返し耐久性に優れています。
写真:高機能ゼオライト「AQSOA®」
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