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電動車用リチウムイオン電池の低環境負荷型リサイクルプロセスの開発・実証事業の開始について
2022年4月19日
電動車用リチウムイオン電池の低環境負荷型リサイクルプロセスの
開発・実証事業の開始について
株式会社JERA(以下「JERA」)および住友化学株式会社(以下「住友化学」)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業/次世代蓄電池・次世代モーターの開発プロジェクト」において、電動車用リチウムイオン電池のリサイクルプロセスの開発に関する事業の応募を行い、このたび採択を受けました。
カーボンニュートラルの実現に向けて電動車の増加が見込まれる中、資源小国である日本では、使用済み電池の材料に含まれる希少金属を、環境負荷が小さく効率的な方法で分離回収し、電池材料として再利用することが求められています。 しかしながら、現在の焙焼による方法では、CO2を排出するだけでなく、材料の酸化劣化により、希少金属を効率的に回収することが困難です。
本事業は、これらの課題を解決する、電動車用リチウムイオン電池の低環境負荷型リサイクルプロセスの開発を行うものです。事業期間は、2022年度から2030年度までの9年間です。
本事業において、JERAは、これまでに開発してきた高電圧パルス技術(特許出願済)等を活用し、早稲田大学および熊本大学などの協力を得ながら、非焙焼方式の電池材料分離回収プロセスの開発・実証を行います。住友化学は、京都大学と協力し、JERAが分離回収した正極材を金属に戻さずに再生する「ダイレクトリサイクル」技術の開発・実証を行います。また、正極材の性能をリサイクル前と同等以上に改善する「アップサイクル」技術についても開発する計画です。 両社は、これらの取り組みを通じて、正極材をはじめとした電池材料を酸化劣化させることなく効率的に回収・再利用することに加え、CO2排出量の低減およびコスト削減を目指します。
JERAは「JERAゼロエミッション2050」を掲げ、2050年時点で国内外の事業から排出されるCO2の実質ゼロに挑戦しています。電動車用の電池をリユースした蓄電システムの構築をはじめとした技術開発やエネルギーの最適利用に資するサービスの開発に努め、脱炭素社会および資源循環型社会の実現に向けて積極的に取り組んでまいります。
住友化学は、重要経営課題の一つに「環境分野への貢献」を掲げ、2021年12月、2050年カーボンニュートラルの実現に向けたグランドデザインを策定しました。総合化学企業として長年培ってきた技術力や知見を生かして、温室効果ガス排出量の削減をはじめとする社会課題の解決に向けた取り組みを加速してまいります。
以上
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