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ADASや自動運転システム向けソフトウェア開発を加速する、R-Car用ソフトウェア開発キットを提供開始
2021年9月21日
ADASや自動運転システム向けソフトウェア開発を加速する、
R-Car用ソフトウェア開発キットを提供開始
~車載カメラ用R-Car Vシリーズ用に開発ツール、ソフトウェアライブラリなど一式をパッケージ化~
R-Car Vシリーズ用ソフトウェア開発キットを提供開始 |
ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO: 柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転システム向け車載カメラ用SoC(System on Chip)、R-Car V3H、R-Car V3Mのソフトウェア開発キット「R-Car SDK」を提供開始しました。R-Car SDKには、開発ツールやシミュレーションプラットフォーム、ソフトウェアライブラリやサンプルコードなどが含まれています。特に、周辺の物体認識には欠かせないディープラーニング(深層学習)を用いたソフトウェア開発を、迅速かつ容易に進めることができます。
ルネサスの車載デジタルマーケティング統括部の統括部長、吉田 直樹は、次のように述べています。 「車載システム開発者にとってソフトウェア開発は多くのリソースを必要とする大きな課題です。特に数日がかりの環境立ち上げやソフトウェアのカスタマイズ性の悪さは設計者にとって大きな負担になります。ルネサスは、これらの負荷を軽減するために、これまで培った経験に基づいて、車載システムのソフトウェア開発を再構築しました。マルチOSに対応する新R-Car SDKは、入手が容易で使いやすさを追求しており、特にディープラーニングを用いたソフトウェア開発を加速できます。」
車載アプリケーションのためにソフトウェア開発を再構築
自動車メーカは、次世代の車載スマートカメラアプリケーションや自動運転システムを実現するために、ディープラーニングを活用しようとしています。ディープラーニングソリューションの多くは、民生用アプリケーションやサーバアプリケーションをベースに構築されており、車載用途に求められる機能安全やリアルタイム応答性、低消費電力などの厳しい制約の下では、多くの場合、期待した通りには動作しません。
ルネサスの車載カメラ用SoCのR-Car V3HおよびR-Car V3Mに最適化された新しいR-Car SDKは、ルールベースのコンピュータビジョンと、AIベースのディープラーニングによる学習結果をサポートするように構築されています。シミュレーションプラットフォームでは、この両方のハードウェアアクセラレータを検証でき、リアルタイムで高精度なシミュレーションを実現します。ルネサスは、このバーチャルプラットフォームを今後も強化していきます。また、WindowsでもLinuxでも使用できるPCベースの開発ツールは、ディープラーニング、コンピュータビジョン、ビデオコーデック、3Dグラフィックスなどのソフトウェアライブラリをサポートしています。さらに、R-Car SDKはオープンソースソフトウェアとして提供されるLinuxに加え、今後、ASIL-D準拠のさまざまなOS(QNX®、eMCOS®、INTEGRITY®など)をサポートする予定です。
統合ソフトウェア開発環境「e² studio for R-Car」
R-Car SDKに含まれるルネサスの統合開発環境e² studioは、R-Car Vシリーズ向けの特別バージョンです。e² studioはオープンソースのEclipseベースの開発環境で、フルセットのデバッグ機能と最先端のGUI(Graphical User Interface)が搭載されています。R-Car SDKの新たな特別バージョンでは、ユーザがサードパーティ製のツールを容易にカスタマイズして統合することができます。また、画像処理やディープラーニングのサブシステムのバスモニタリングやデバッグ機能をサポートしました。
入手しやすく、使いやすいR-Car SDK
新R-Car SDKは、サンプルソフトウェア、一般的なCNNネットワーク、ワークショップ、アプリケーションノートなども充実しているため、ルネサスのR-Carプラットフォームを初めて使う方でも、早期に開発を開始できます。また、ルネサス製品のベンチマークにも最適なプラットフォームであり、例えばR-Car V3HとR-Car V3Mを比較するなど、ユーザのターゲットアプリケーションに最適なSoCを選択することができます。また、自動インストーラを搭載しているため、ユーザはすべての開発環境とソフトウェアライブラリをPC上で素早く起動することができます。PC上で開発、設計したアプリケーションは、シミュレーションではなく実際の車載用R-Carでシームレスに動作確認をすることができます。ルネサスのR-CarパートナエコシステムであるR-Carコンソーシアムのメンバ企業は、R-Car SDKを活用して自社のソリューションをユーザに展開することができます。
R-Car SDKの詳細については、こちらをご覧ください。
https://www.renesas.com/jp/ja/products/automotive-products/automotive-system-chips-socs/r-car-sdk-r-car-software-development-kit
ルネサスは、ルネサス製品を組み合わせたウィニングコンビネーションを提案しています。R-Car SoCと車載用マイコンRH850やパワーマネジメントICを組み合わせることにより、ハードウェア設計作業のさらなる効率化や機能安全要件の検証負荷の軽減、消費電力の削減を実現することができます。ウィニングコンビネーションについては、こちらをご覧ください。 https://www.renesas.com/application/winning-combinations-automotive.https://www.renesas.com/application/winning-combinations-automotive.
以上
*QNXは、BlackBerry Limitedの北米およびその他の国における登録商標または商標です。INTEGRITY はGreen Hills Software の北米およびその他の国における登録商標または商標です。eMCOSは、イーソル株式会社の日本およびその他の国における登録商標または商標です。本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。
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