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次世代リチウムイオン電池向け材料の共同開発契約締結について【東芝】
2018年6月19日
株式会社東芝の事業会社である東芝インフラシステムズ株式会社(社長:秋葉慎一郎、本社:神奈川県川崎市、以下、東芝インフラシステムズ)、双日株式会社(社長:藤本昌義、本社:東京都千代田区、以下、双日)および伯カンパニア・ブラジレイラ・メタルジア・イ・ミネラソン社(Companhia Brasileira de Metalurgia e Mineracao、社長:エドゥアルド リベイロ(Eduardo Ribeiro) 、本社;サンパウロ市、以下CBMM)は、ニオブチタン系酸化物(Niobium Titanium Oxide、以下、NTO)を用いたリチウムイオン電池向け負極材の共同開発契約を締結しました。これにより、3社は電気自動車(EV)用途等に適した高エネルギー密度でかつ急速充電が可能な次世代リチウムイオン電池の材料の開発に取り組みます。
東芝インフラシステムズは、負極材に急速充電性能、長寿命、安全性に優れるチタン酸リチウムを採用したリチウムイオン電池SCiB™を2008年から製品化しています。その後も継続的に製品のエネルギー密度を高める開発をしてきましたが、昨年、NTOを負極材に用いた、高容量次世代リチウムイオン電池(次世代SCiB™)の試作に成功しました。注1 NTO負極はリチウムイオン電池の負極材として一般的に使用される黒鉛と比較して、2倍の素子エネルギー密度注2を発揮します。
ニオブ(Nb)は、金属元素の一つで、鉄鋼添加剤として主に高張力鋼、ステンレス鋼などの高級鋼材に用いられ、中でも自動車向け鋼材の軽量化・剛性化には不可欠とされております。CBMMは、ニオブ市場において世界一位の生産量と販売量を誇り、高い技術力と製品開発プログラムを有しております。一方で、双日は、CBMMの株主の1社であり、また、CBMMの日本市場向けの総代理店として、安定的な原料供給体制の構築や用途開拓を進めてきた知見・ノウハウを持ちます。
CBMMと双日が提供する五酸化ニオブを用いて、東芝インフラシステムズはNTOの電極製作および性能評価を行い、安価で品質の安定した仕様の確立を目指します。同時に材料サプライチェーンを構築し、2020年度の次世代SCiBTMの量産化を進めていきます。
今後用途が拡大・多様化するEV用二次電池においては、高エネルギー密度でかつ急速充電が可能な電池が求められております。東芝インフラシステムズ、CBMM、双日は、NTOを用いた負極材の開発を加速し、二次電池事業を拡大していきます。
注1 2017年10月3日付株式会社東芝が発表
注2 体積容量あたり
【共同開発契約の調印式】
左から東芝インフラシステムズ 江草取締役、
CBMM マルコス・スチュアート(Marcos Stuart)Chief Technology Officer、
双日 尾藤執行役員
東芝インフラシステムズ社の概要
代表者:代表取締役社長 秋葉慎一郎設立:2017年7月1日
資本金:100億円
売上高:12,468億円(2017年度連結)
双日株式会社の概要
代表者:代表取締役社長 藤本 昌義設立:2003年4月1日
資本金:160,339 百万円
売上高:42,091億円
CBMM社の概要
代表者:Eduardo Ribeiro (エドゥアルド リベイロ)設立:1955年
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