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世界初、-150~500℃の温度領域で位置ズレなく非汚染での分析が可能に ヤモリテープを日東分析センター向け分析用途で実用化【日東電工】
2012年2月24日
日東電工㈱(本社:大阪府大阪市、社長:柳楽幸雄)は、自然界に生息するヤモリに近いせん断接着力を実現する生物模倣粘着剤(ヤモリテープ)を2010年に開発しましたが、このたび本製品を固定部材として用いることで、従来は不可能であった温度領域において、より正確な表面分析ができることが確認できたことから100%子会社である㈱日東分析センター(以下、日東分析センター)で分析サービスの受託を開始いたします。当面は日東分析センター向けに供給先を限定し、引き続き2015年を目途にその他の分野での実用化を目指します。
ヤモリテープ実用化の背景
ヤモリテープは2010年の製品開発以降、様々な産業分野への用途展開を検討した結果、ヤモリテープの特長が発揮できる領域のひとつとして分析用途に着目し、実用化に向けて検討を進めてまいりました。一般に使用される分析用の固定部材には、粘着剤として導電性テープ、接着剤として金属ペーストなどがありますが、−30℃以下の低温領域や200℃以上の高温領域での接着不良を起こしやすく、分析できる温度領域が限られていました。また、分析時の試料の位置ズレや溶剤による汚染などの課題があり、より正確な分析を可能にする固定部材が求められてきました。ヤモリテープはカーボンナノチューブ(CNT)を用いた繊維構造体で−150~500℃までの温度領域で接着特性が良好であり、試料を汚染することがなく分析時の試料の位置ズレも極端に少ないことから、基材を必要としない両面テープとして用いることで従来の固定部材の課題を解消することが可能となりました。
ヤモリテープを用いた分析のメリット
・ガラス転移温度や融点を持たないため、−150~500℃までの温度領域での分析が可能
・炭素骨格のみの構造体で溶剤を使用していないため、試料を汚染しない
・有機材料を含む汎用粘着剤とは異なり、分析時の試料位置ズレが極端に少ない
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