ニュース
リチウムイオン二次電池「SCiB™」を搭載したワイヤレス充電中型EVバスの実証走行を開始【東芝】
2016年5月31日
※再生ボタンをクリックすると、YouTubeに掲載している動画が再生されます。
※YouTubeは弊社とは別企業のサービスであり、各サービスの利用規約に則りご利用ください。
当社は、ケーブルを使用しなくても充電が可能なワイヤレス充電システムを開発し、長寿命、高出力なリチウムイオン二次電池「SCiB™」を搭載した中型EVバスの実証走行を明日から開始します。本EVバスは、日本で初めて高速道路を走行するワイヤレス充電のEVバスであり、川崎市と全日本空輸㈱(以下、ANA)の協力を得て、川崎市殿町注1と羽田空港内ANAの拠点間約11kmを走行します。実証走行を通じて、ワイヤレス充電の利便性やCO₂削減効果の検証などを行います。
ワイヤレス充電システムは、ケーブルを使用することなく地上の電源装置から車内に搭載された蓄電池に電気を送ることができるシステムです。運転席でのボタン操作のみで充電ができるため、充電時の安全性と利便性を向上させることができます。従来型の電磁誘導方式注2よりも送受電パッド間が離れた状態で送電することができる磁界共鳴方式注3に、さらに当社独自の充電パッド構成を採用することなどによって、送電パッドと受電パッドが左右20cm、前後10cmまでずれていても充電することが可能となりました。なお、放射エミッション値注4の基準を満たしているため、電波を利用する周囲の設備に影響を与えません。
本EVバスは、15,000回以上の急速充放電を繰り返しても劣化の少ない長寿命特性を持つ「SCiB™」を搭載しているため、観光地や空港の巡回バスなどで求められる高頻度かつ短時間の充電に適しています。今回の実証走行の片道分の距離を走行するのに必要な電力を約15分で充電します。また、「SCiB™」の高い出力と、駆動装置の性能向上によって、高速道路での走行を実現しました。
今回の実証走行は、環境省委託事業「CO₂排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」の一環として2014年度から進めているもので、ワイヤレス充電技術は、早稲田大学理工学術院紙屋雄史教授研究室と共同で開発しました。同技術を搭載した小型のEVバスは2016年2月に実証走行を開始しています。
当社は今後も、ワイヤレス充電技術をはじめとした先端技術の研究開発を進めるとともに、「SCiBTM」を多様な交通インフラに展開することで、環境負荷低減と都市交通における利便性向上の両立に貢献していきます。
注1 国家戦略総合特区に指定されている川崎市殿町キングスカイフロント地区
注2 電磁誘導方式 : 送電・受電パッドそれぞれのコイルを近づけ、送電側のコイルに電流を流すことで、受電側のコ
イルの中にも磁流を発生させ、受電側のコイルに電流を流して電力を伝送する方式
注3 磁界共鳴方式 : 電磁誘導による電力伝送に加え、送電・受電パッドの共振周波数を同じにすることで共鳴現象を
発生させ、伝送距離や位置ずれ許容範囲を向上させた方式
注4 放射エミッション値 : 電力伝送システムから周囲に放射される不要な電磁波の強さ
今回の実証システムの概要
実証走行の概要
ワイヤレス充電装置
今回実証走行を行うEVバス
プレスリリースに掲載されている情報(製品の価格/仕様、サービスの内容及びお問い合わせ先など)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。最新のお問い合わせ先は、東芝全体のお問い合わせ一覧をご覧下さい。
株式会社東芝ホームページはこちら