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440MPa級高張力GA鋼板『ユニハイテン®』が自動車フードパネルに初採用【JFEスチール】

2011年10月5日

~自動車外板パネル部品の軽量化に寄与~

当社が自動車外板パネル向けに開発した440MPa級高張力GA(合金化溶融亜鉛めっき)鋼板『ユニハイテン』がいすゞ自動車株式会社でフードパネルに採用されました。『ユニハイテン』は本年1月、440MPa級冷延鋼板として国内で初めて自動車ドアパネルに採用されましたが、今回は440MPa級高張力GA鋼板として自動車フードパネルへの国内メーカー向け初採用となります。

自動車外板パネル部品の軽量化(薄肉化)には、「くぼみ」のような永久変形を防ぐ強度(耐デント性)とプレス成形時に発生する局所的なゆがみの抑制(耐面ひずみ性)の両立が求められます。今回採用された高張力鋼板『ユニハイテン』は、冷延鋼板・GA鋼板共に、一般的な鋼材の一つである軟鋼と同じ組織(フェライト)の中に微細な硬質組織(マルテンサイト)を均一に分散させることにより、従来自動車用外板に広く用いられている340MPa級鋼板よりも強度の高い440MPa級の引張強さ(*1)を実現した複合組織型高張力鋼板です。
鋼板の製造段階では引張強さを強化しつつ、降伏強さ(*2)の上昇を抑制することにより、パネル部品のプレス成形時に均一かつ広範囲での変形を可能とし、高張力鋼板の適用に際し課題であったプレス成形時の耐面ひずみ性の向上を実現しました。これにより、鋼板のハイテン化に伴う成形パネル部品の面品質の確保を容易にしました。また、プレス加工による加工硬化と、その後の塗装焼付け工程での鋼板温度上昇に伴って得られる焼付け硬化によるパネルの降伏強さの上昇量を、従来の340MPa級BH(焼付け硬化型)鋼板に比べ50MPa以上向上させ、パネル部品の耐デント性を大幅に改善し、外板パネルの薄肉化や補強部品の省略による軽量化を可能にしました。

これらの特性が評価され、このたびいすゞ自動車株式会社タイ工場にて発表された新型ピックアップトラック『D-MAX』のフードパネルに『ユニハイテン』が採用されました。

当社では高張力鋼板『ユニハイテン』の冷延鋼板およびGA鋼板の量産体制を確立し、今後も引き続き、ドア、フードなど外板パネル部品への採用範囲の拡大を図るとともに、更なる高性能な高張力鋼板の開発に努め、軽量化をはじめとするお客様からのご要望にお応えしてまいります。

ユニハイテン® : ユニハイテンはJFEスチールの登録商標です。

*1) 引張強さ : 鋼板が変形する時に示す最高強度。
*2) 降伏強さ : 鋼板が永久変形(塑性変形)を開始する強度。


【写真】ユニハイテンがフードパネルに使用された新型『D-MAX』
(いすゞ自動車株式会社殿ホームページより)


【図】一般鋼組織とユニハイテン組織の比較(例:両者の顕微鏡写真)


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