ニュース
室内用「ナビゲーション機能付き障害物回避先導ロボットLIGHBOT™」を改良【日本精工】
2015年4月16日
~ 新機能を備え実用化に向けて実証実験を完了 ~
日本精工㈱(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長 大塚 紀男、以下NSK)は神奈川県総合リハビリテーションセンター(神奈川県厚木市)の協力を得て、実際の使用環境に近い条件で「ナビゲーション機能付き障害物回避先導ロボット」の実証実験を約半年間行いました。本開発品は2013年11月の「2013国際ロボット展」に出展したものをベースに、誘導機能をはじめとする安全性及び使い勝手を向上しました。
NSKは、今回の実証実験を通じて得られた知見を活かして、2016年の実用化に向けて今後も課題の解決に取り組んでまいります。
NSKは進路上の障害物を認識して自律回避する車輪型移動ロボットを開発してきました。本技術は、盲導犬の代用、高齢者の移動支援などを目指したもので、病院、オフィスビル、商業施設などのバリアフリー環境での移動をアシストする自律移動ロボットを目指しております。
2013年に開発したロボットでは、ユーザーが事前に登録された場所の中から行きたい場所を選ぶと、ロボットが地図情報や移動量から自己位置を推定し、障害物を検知しながら音声にて目的地までの案内を可能にしました。その後の多くの実証実験を通じて改良を加え、今回開発したロボットでは、初めて訪れた役所や病院などの広い施設で、どなたでも迷わずに目的地に到達することをより確実にし、より扱い易く可能にしました。
本開発品の特長
(1) ナビゲーション機能の強化
従来の開発品では、ロボットの音声誘導ガイドに従いユーザーが進みたい方向にグリップを操作し、これに基づき、障害物を避けてロボットが目的地まで誘導します。これに対して、今回の開発品は、ユーザーが選んだ目的地まで自動的に誘導案内します。グリップを操作力に応じて、ロボットの走行速度が変わり、ユーザーがロボットのグリップを離した際には、安全に停止します。
(2) 利便性の向上
従来品は、階を跨ってのナビゲーション機能は使えませんでした。今回の開発品は、各階の天井のマーカーを検出して建物内のどの階に位置しているかを認識することで、建物内のどの階でも使用することが可能になりました。
さらに、従来の開発品は、充電の際には内蔵バッテリーを本体から外す必要がありましたが、今回、バッテリーを取り外さずに手軽に電源コンセントから充電できるようになり、またバッテリー持続時間を3割向上させました。
(3) 既存機能の検証
従来から開発を進めてきた以下の機能につき、多くの視覚障がい者の方にご体験頂き、安全性を検証しました。今後、実用化に向けて、更なる改良を施します。
・ ロボット前方足元の障害物検知に加え、ユーザーの頭部への障害物の衝突を避ける目線障害物回避機能
・ 周囲の注意を喚起する音声ガイダンスでの進路案内
本開発品の想定用途
屋内のバリアフリー環境の病院や公共施設などでの設置・使用を想定しており、視覚障がい者の方を安全に目的地までご案内します。さらには、初めての場所や迷い易い慣れない場所でも、安心です。また、今回の開発品の導入により、また、施設側では、来場者への職員による場所の案内や誘導などの負担軽減が期待できます。
本件に関する各種の団体からのご支援など
・ 神奈川県:「さがみロボット産業特区」重点プロジェクトに指定。実証実験場所のご紹介、実証実験被験者の公募などのご支
援。
・ 神奈川県総合リハビリテーションセンター:更生ライトホームの視覚障がい者支援員の方のご協力、ご助言。病院棟での本実証
実験への参加、ご協力とご助言。
・ 厚生労働省:平成26年度障害者自立支援機器等開発促進事業に採択。
・ 日本網膜色素変性症協会(JRPS)神奈川支部の皆様からのご協力。
■ 官公庁との連携
神奈川県「さがみロボット産業特区」の重点プロジェクト指定
・ 実証場所 神奈川県総合リハビリテーションセンター(神奈川県厚木市)のご紹介
・ 実証実験に係るご支援
(保険加入、被験者公募、被験者謝礼、輸送費、倫理審査申請サポート、実験立会い、実験協力)
神奈川県総合リハビリテーションセンター
・ 更生ライトホームの視覚障害者支援員の方々のご協力、ご助言
・ 院内倫理審査委員会による倫理審査実施
厚生労働省 平成26年度障害者自立支援機器等開発促進事業採択
■ 患者団体との連携
JRPS(日本網膜色素変性症協会)神奈川支部の協力
プレスリリース記載の情報は報道発表日時点の情報です。
予告なしに変更され、ご覧になった時点と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
日本精工株式会社ホームページはこちら