ニュース

熱可塑性ポリウレタン(TPU)がシトロエン「C4カクタス」の外装に採用【BASFジャパン】

2014年10月17日

■ 耐紫外線性に優れた熱可塑性ポリウレタン(TPU)を車両外装に初めて広範囲に使用
■ シトロエンの新型C4カクタスは、デザイン性と安全性の最適な組み合わせを実現

熱可塑性ポリウレタンエラストマー( TPU )のリーディングカンパニーである BASF は、車両外装に非塗装で広範囲に使用できるように素材を最適化することに成功しました。自動車メーカーの PSA プジョー・シトロエン社は、シトロエン「 C4 カクタス」に装備された Airbump® の表皮材に 、新グレードの TPU 「 Elastollan® (エラストラン) AC 55D10 HPM 」( H igh Performance Material: 高性能素材)を採用しています。 Airbump® は、コントラストのある配色で車両の側面、前面、後面に装着された大きなエアクッションバンパーであり、衝撃や傷つきから車両外装を保護するだけでなく、個性的な外観を演出しています。この世界初の TPU の製造に成功するまでには、フランスの自動車メーカー、スイスに本社を置く素材メーカーのレーハウ社、そして BASF の長年にわたる努力がありました。レーハウ社が側面用の Airbump® を製造し、フランスのフォルシア社が前面と後面用のバンパーを製造しています。



PSA プジョー・シトロエン社の C4 カクタスプログラムの購買担当部長、ジェローム・ヴィノー・プレフォンテーヌ氏は次のように述べています。「 Elastollan® (エラストラン) HPM を表皮材に用いた Airbump® はスタイリッシュかつ多機能性を備え、 C4 カクタスの哲学を完璧に表現しています。 BASF と Airbump® の素材メーカー各社は、品質、美観性、コストを最適に組み合わせたモデルを提供することを目指し、素材の開発と製造プロセスの構想を練ってきました。」

「Elastollan® (エラストラン) HPM 」は、設計の自由度が高く、長期耐久性に優れていることに加え、心地よい触感と高級感あふれる外観という特長を兼ね備えています。この新しい素材は、従来の TPU が持っている高引張強さ、耐摩耗性、弾性、 低温での耐衝撃性、耐薬品性に優れているという 特性と、薄肉品でありながら優れた表面性をも維持し、傷つきにくく、耐候性・耐紫外線性に優れ、また手入れが簡単であり、 120~150°C の高温で使用可能、という新しい特性が見事に結びついています。


優れた組立性

このような特性があることから、 Elastollan® (エラストラン)は、衝撃を吸収する Airbump® の表面に使用するのには理想的な素材であり、 C4 カクタスをグラフィックアートのようなデザインに仕上げています。 射出成形タイプの Elastollan® (エラストラン) HPM は、ポリカーボネートおよびアクリロニトリル – ブタジエン – スチレン( ABS )樹脂の基材に装着され、柔軟性のある空洞を形成し、高い弾力性を生み出しています。この構造部材は金属の車台にしっかりと取り付けられます。 HPM グレードは装着性に優れているため、ポリプロピレンなど従来のトリム材では不可能だった強固な 組み立て を可能にします。

Elastollan® (エラストラン) HPM はそれ自体着色することができるため、 Airbump® には塗装の必要がありません。そのため、特別なメンテナンスは不要であり、事故時の修理費用を削減することができます。バンパーには4色のカラーバリエーション( ブラック、ブラウン、ライトグレー、ダークグレー)があり、 BASF のコーティングス事業本部が提供する自動車塗料、プライマー、透明塗料と組み合わせることで、独自のデザインを楽しむことができます。


加工 : サイクル時間の短縮と生産能力の向上
BASF は、新しい Elastollan® (エラストラン) HPM において優れた加工特性の開発も行いました。広い加工条件幅で素材を 射出成形できるだけでなく、サイクル時間を従来の TPU の半分に短縮しました。また流動性も高く、表面の品質を損なうことなく 1.5~1.8mm の薄肉品の製造を可能としました。側面用の Airbump® を製造している素材メーカー、レーハウ社のプロジェクト責任者のベルナルド・デリュスは次のように述べています。「表面性、カラー、硬さそして柔軟性に対する高い要求に応えるために、素材の組成と用途開発において BASF と密接な協力関係を築けたことが決め手になりました」。またフォルシア社では、 C4 カクタスの前面と後面用バンパーの製造に新しい Elastollan® (エラストラン) HPM を使用しています。フォルシア社の開発マネージャーのセバスチャン・ブレット氏は次のようにコメントしています。「素材だけでなく、装着技術でもイノベーションが生まれています。 BASF は、新しい組立技術を必要とするプラスチックを開発しました。私たちは、こういった独自の部品を大量生産することを可能とするため、密接に協力をおこなっています。」

これまで自動車用途には、エンジン部品と車両内装(ドアノブ、ギアノブ、カップホルダーなど)やケーブル被膜材に Elastollan® (エラストラン)が使用されてきました。 BASF の TPU は、 射出成形、押出成形、ブロー成形が可能です。

Airbump® は PSA プジョー・シトロエンの登録商標です。
詳細についてはこちらをご覧ください。 www.elastollan.de


BASF について
BASF (ビーエーエスエフ)は2015年、創立150周年を迎え、これまで以上に化学でいい関係をつくっていきます。製品ラインは、化学品、プラスチック、高性能製品、農業関連製品、石油・ガスと多岐にわたっています。 BASF は、世界をリードする化学会社として、経済的な成功、社会的責任、そして環境保護を同時に実現しています。また、 BASF は科学とイノベーションを通して現代社会や将来のニーズを提示しながら、ほぼすべての産業のお客様を支援しています。 BASF の製品とソリューションは、資源の確保に貢献し、栄養価の高い食品を提供するとともに、生活の質の向上に寄与しています。 BASF は「私たちは持続可能な将来のために、化学でいい関係をつくります」を企業目標に掲げ、これらの活動を実施しています。2013年の売上は約740億ユーロで、従業員数は約11万2000人です。 BASF の詳しい情報は、 www.basf.com(英語)、 newsroom.basf.com(英語)、 www.japan.basf.com(日本語)をご覧ください。







BASFジャパン株式会社ホームページはこちら

キーワードをクリックして関連ニュースを検索

#BASFジャパン
#熱可塑性
#材料
#2014年10月17日