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世界初、乗用車向け吸気酸素センサを製品化へ【日本特殊陶業】
2014年10月15日
日本特殊陶業㈱(社長:尾堂真一、本社:名古屋市瑞穂区)は、今後、世界的に一層厳しくなることが予想される排気ガス規制に対応するため、世界に先駆けて乗用車向け「EGRシステム制御用吸気酸素センサ」の製品化を決定しましたので、下記のとおりお知らせいたします。
製品化の背景と目的
当社は、排ガス中の酸素濃度を計測してECUにフィードバックを行い、適切な空燃比に導く「排気酸素センサ」において世界トップシェアを有しており、当社事業の柱の一つとして事業を展開しております。自動車の排ガス規制が強化される昨今において、CO2やNOx(窒素酸化物)の排出規制がさらに強化されることが予想されます。
今回開発した「吸気酸素センサ」は、EGRシステム(*1)搭載エンジンの吸気側に取り付けることによって、最適なEGR環境となるよう酸素濃度のセンシングを行い、精密に制御することで、燃焼効率を最適化することが可能になります。これにより、ディーゼルエンジンではNOx生成量の削減が達成でき、ガソリンエンジンにおいてはポンピングロス(*2)低減効果からさらなる燃費改善も可能となり、排ガス低減に大きく貢献します。
当社は、今後も車載用センサのリーディングメーカーとして環境社会に貢献できるよう、新技術・新製品の開発を進めてまいります。
(*1)EGR(Exhaust Gas Recirculation)システム・・・内燃機関において燃焼後の排気ガスの一部を取り出し、吸気側へ導き再度吸気させるシステム。主に排出ガス中の窒素酸化物 (NOx) 低減や燃費向上を目的として導入されている。
(*2)ポンピングロス・・・エンジンの吸気/排気行程に発生するエネルギー損失の事。一般にエンジンは低圧の吸気側からガスを吸い込み、高圧の排気側に押し出すポンピング作用をしており、エネルギー損失が発生するが、吸入負圧が低いほど損失は大きくなる。この損失を抑制する手段として、燃焼ガスの再循環(EGR)システムが存在するが、吸気酸素センサの活用によりEGR制御を、より高効率化する事が可能となる。
製品の特長
● コネクタと一体型のコンパクトパッケージ
吸気側への装着を想定し、従来の「排気酸素センサ」と比べて重量比で約35%の軽量化を実現しました。具体的には、車両接続用のコネクタとセンサ本体を一体型とし、コンパクトな形状とすることで、突出部分の高さを抑え、万一の車両衝突時における対人安全性や、装着場所の自由度を向上しました。
「排気酸素センサ」技術の活用と応用
吸気酸素センサのセンシング部位である「セラミック素子」には、車載用センサにおいて多くの使用実績を持つ「排気酸素センサ」の技術を活用しています。排気酸素センサで培われた高精度、長寿命、高信頼性素子の適用に加え、評価設備や生産設備、コア技術等の一部共用により、排気酸素センサ同様の充実したテクニカルサポートや、生産体制の確保が可能です。
今後の展開
吸気酸素センサは、EGRシステムを持つディーゼルエンジン及びガソリンエンジンへの適用を想定しており、EGRシステムの拡大が見込まれる北米・欧州・日本をはじめとする先進諸国での展開を想定しております。
製品の性能・品質に加え、価格競争力の向上により、今後も拡大展開を目指します。
吸気酸素センサの使用例
吸気酸素センサの外観図
■日本特殊陶業㈱について
当社は、1936年に創業し、名古屋市に本社を構える総合セラミックスメーカーです。内燃機関におけるスパークプラグ、排気酸素センサにおいては、世界トップシェアを有し、また、半導体部品におけるパッケージ、機械工具、医療用に用いられるバイオセラミックス、産業用セラミックスなど幅広いラインアップを提供しております。世界中に販売・製造拠点を有し、12,000名を超える従業員が世界の皆さまに新たな価値を提供できるよう取り組んでいます。現在は、持続可能な社会における環境エネルギー、次世代自動車、医療などの製品開発にも取り組んでおります。今後も、「ナンバーワンかつオンリーワンのものづくり」を目指し、変革と挑戦を続けてまいります。
詳細は、当社Webサイトをご覧ください。
http://www.ngkntk.co.jp/
■お問い合わせ先
広報室 電話 : 052-872-5896
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