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米国での自動車向け炭素繊維複合材料事業の戦略的拡大について【東レ】
2013年7月17日
―CFRP製部品メーカーに資本参加―
東レ㈱(所在地:東京都中央区、社長:日覺昭廣、以下「東レ」)は、炭素繊維複合材料事業の自動車分野におけるグローバルな戦略的拡大を図るため、米国のCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics:炭素繊維強化プラスチック)製自動車部品製造販売会社Plasan Carbon Composites, Inc(プラサン・カーボン・コンポジット、本社:米国ミシガン州、社長:James Staargaard(ジェームス・スターガード)、以下「PCC」)に資本参加することを決定し、このたび同社株式の20%を取得しました。
PCCは、2006年に設立され、同社が独自に開発した高速プレス成形技術をベースに、米国自動車メーカーの高級車向けにCFRP製外板部品(ボンネット、ルーフ等)を開発・納入する、米国内唯一のTier 1サプライヤーです。同社の高速プレス成形には、当社の米国子会社Toray Carbon Fibers America, Inc.の炭素繊維を用いてToray Composites (America), Inc.が開発した速硬化性熱硬化樹脂プリプレグが使用されており、PCCに資本参加することで、米国自動車メーカーへの販売チャネルを確保するとともに、北米におけるCFRP製自動車部品の生産・開発拠点を確立し、炭素繊維から中間基材、成形品までの一貫した強固なサプライチェーンを構築します。
東レは、自動車用途における炭素繊維の市場創造に向けて、グローバルな事業拠点の拡充に取り組んでいます。日本・アジアでは、名古屋事業場にある自動車・航空機分野向け総合技術開発拠点「A&Aセンター(Automotive & Aircraft Center)」の中核施設「アドバンスドコンポジットセンター(ACC)」と「オートモーティブセンター(AMC)」を中心にCFRP製品の設計および成形加工技術・製品開発を行っています。加えて、今年4月には童夢グループから株式を取得して、東レ・カーボンマジック株式会社(所在地:滋賀県米原市、「TCM」)とCarbon Magic (Thailand) Co., Ltd.(所在地:タイ王国チョンブリ県、「CMTH」)を設立するなど、垂直統合型サプライチェーンを強化・拡充しています。
また、自動車へのCFRP部品適用で先行する欧州では、2008年にCFRP部品の開発・製造会社ACE Advanced Composite Engineering GmbH(所在地:ドイツ・インメンシュタット市、「ACE」)に資本参加し、更に2011年にはDaimler AGとCFRP製自動車部品を製造販売する合弁会社Euro Advanced Carbon Fiber Composites GmbH(所在地:ドイツ・エスリンゲン市、「EACC」)を設立して市場・用途開拓を進めています。
今回のPCCへの資本参加により、世界の主要市場において自動車用途の炭素繊維から中間基材、成形品に至るサプライチェーンが整います。
東レは、中期経営課題“プロジェクト AP-G 2013”において、「自動車・航空機」を成長領域として位置づけ、積極的な経営資源の投入により飛躍的な事業拡大を目指しています。炭素繊維複合材料事業はその中核を担う事業であり、航空機に続く大型用途として期待される自動車分野でのCFRP適用拡大を実現していきます。
<ご参考>
Plasan Carbon Composites , Inc(PCC)の概要
(1) 事業内容 : 炭素繊維複合材料製自動車部品の製造販売
(2) 所在地 : 米国ミシガン州
(3) 設立 : 2006年8月
(4) 代表者 : James Staargaard(社長)
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