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日産自動車とヤマト運輸 100%電気式冷蔵冷凍システムトラックの実証運行を開始【日産自動車】
2013年1月24日
-世界初、荷室専用のリチウムイオンバッテリーシステムにより常時冷蔵・冷凍機能を継続稼働-
日産自動車㈱(本社:神奈川県横浜市西区、社長:カルロス ゴーン 以下日産)は、2013年1月から1年間、「アトラスF24リチウムイオンバッテリー式冷蔵・冷凍車」の実証運行をヤマト運輸㈱(本社:東京都中央区、代表取締役社長 山内 雅喜 以下:ヤマト運輸)と実施します。同車は、走行時、信号待ち停車時、配送作業中のキーオフ時にかかわりなく、エンジンを一切使用せずに、常時リチウムイオンバッテリーシステムだけで冷蔵冷凍荷室を継続的に稼働させる、世界初のトラックです。車両エンジンへの負荷が無いため車両燃費の改善が期待される一方で、冷蔵冷凍機の出力がエンジンの回転数に左右されないことから、荷室の温度管理がしやすく、配送品のより良い品質管理に寄与します。また、配送作業中のキーオフ時でも、十分なバッテリー容量により、長時間安定した冷蔵冷凍荷室の稼働が可能となります。搭載されるリチウムイオンバッテリーシステムは、フォーアールエナジー株式会社*が開発を担当しています。
日産は、同車両を、ヤマト運輸独自の集配ニーズに合わせた仕様に仕立てた上で、モニター車として、1台貸与します。ヤマト運輸は、神奈川県川崎市内での業務にこの車両を活用し、クール宅急便などの集配における実用性を確認します。
尚、日産では、この「アトラスF24リチウムイオンバッテリー式冷蔵・冷凍車」の標準モデルを、2013年初夏より、日本にて発売することを予定しています。
日産の村上秀人執行役員(LCV事業本部担当)は、「『アトラスF24リチウムイオンバッテリー式冷蔵・冷凍車』は、エンジンを一切使用せずに、常時、リチウムイオンバッテリーによる電源システムだけで冷蔵冷凍荷室を継続稼働させる、世界初のトラックです。通常、冷蔵・冷凍車は、配送作業などのためにキーオフしてエンジンをストップすると、冷蔵・冷凍機能も停止してしまいますが、このトラックはその機能をキープ出来るので、常に安定した温度管理が可能となります。騒音や排気ガスも気にならず、CO2排出量の削減にも寄与し、燃料代の節約が期待できます。今回の実証運行を通じて、ヤマト運輸様のニーズにより沿った仕様を確認していきたいと思います。また、初夏の発売を予定している標準モデルについても、より多くのお客様のご期待に応えていければ幸いです。」と述べました。
ヤマト運輸の芦原隆執行役員(業務改革担当)は、「一般的に集配車は集配先ごとに駐車しますが、当社は複数軒分の荷物を手押し台車などを利用し配達することで、駐車回数や走行距離を減らす努力をしています。この取り組みは交通事故防止とCO2排出削減につながりますが、その一方で1回当たりの駐車時間は長くなります。当社の特長的なサービスである冷蔵・冷凍二つの低温度帯配送を行う『クール宅急便』には集配車のエンジンを切った時にも安定した温度管理が必要です。当社は『アトラス F24』によってより高いクール宅急便品質維持の試験結果が得られることを期待しています。」と述べています。
日産は、ゼロエミッション領域におけるリーダーとして、「日産リーフ」をはじめとする乗用の電気自動車に加え、商用電気自動車の開発・普及にも注力しています。現在、小型商用バン「NV200 バネット」をベースとした電気自動車「e-NV200」を、2014年中の市場投入に向けて準備中です。加えて、その電気自動車が生み出す価値をトラックの領域にまで広げるべく、「日産リーフ」のバッテリーコンポーネントを活用した様々なトラックを開発中で、今回の「アトラスF24リチウムイオンバッテリー式冷蔵・冷凍車」を始め、100%電動トラック「e-NT400アトラス」や「アトラスF24給電車」といったモデルの将来の市場投入を計画しています。
*フォーアールエナジー㈱(本社:神奈川県横浜市、社長:坂上尚)は、日産自動車㈱(51%)、住友商事㈱(49%)が出資し、電気自動車用のリチウムイオンバッテリーを活用した新たな事業検討を目的として2010年9月に設立した企業です。 詳しくは、同社ホームページhttp://www.4r-energy.com/をご覧ください。
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