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打抜き加工性に優れた780MPa級高張力熱延鋼板『780SB』がトラックフレームに初採用【JFEスチール】
2012年12月20日
~トラックフレームの軽量化に寄与~
当社がトラックフレーム向けに開発した780MPa級高張力熱延鋼板『780SB』が、三菱ふそうトラック・バス㈱の大型トラック『スーパーグレート』のトラックフレームのクロスメンバーおよびエンジンサポートに採用されました。『780SB』が採用されたのは初めてです。
トラックの骨格をなすトラックフレームでは、荷台の重量に耐える静的な強度と走行中に路面振動などから発生する繰り返し荷重に耐える動的な強度(疲労強度)の両立が求められます。疲労強度については材料の静的強度にある程度比例しますが、トラックフレームの場合、多数開けられる打抜き穴の端面に応力が集中し疲労破壊するため、打抜き穴部の疲労強度低下の抑制が課題でした。
今回採用された高張力熱延鋼板『780SB』は、ベイナイトと呼ばれる強化相を用いるとともに、打抜き穴の端面荒れを生じる組織の不均一性を大幅に低減することで、打抜き穴の疲労強度を向上させることに成功しました。これにより、トラックフレームに対して、780MPa級の高強度材料を積極的に採用することが可能となり、軽量化(薄肉化)に大きく寄与しています。
また、組織の均一性を高めたことにより、上記の疲労強度のほか、部品のプレス加工時における各種成形性も向上し、曲げ加工を主体としたトラックフレームはもちろんのこと、自動車の足回り部品など張り出しやバーリング加工を受ける難成形部品への適用も可能です。
これらの特性が評価され、このたび三菱ふそうトラック・バス株式会社の大型トラック『スーパーグレート』(図1)のクロスメンバーおよびエンジンサポート(図2)に『780SB』が採用され、当該部位における疲労強度特性の向上及びプレス品質の安定化が図られています。
当社では高張力熱延鋼板『780SB』の量産体制を確立し、今後も引き続きトラックフレームや足回り部品への採用範囲の拡大を図るとともに、更なる高性能な高張力鋼板の開発に努め、軽量化をはじめとするお客様からのご要望にお応えしてまいります。
【図1】大型トラック『スーパーグレート』
【図2】クロスメンバーおよびエンジンサポート
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