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ESD/サージ保護デバイス: 車載向けチップバリスタAVRHシリーズ拡大 LINおよびCAN向け製品の開発と量産【TDK】
2024年2月20日
ESD/サージ保護デバイス: 車載向けチップバリスタAVRHシリーズ拡大
LINおよびCAN向け製品の開発と量産
・AVRHシリーズ:車載規格のAEC-Q200に準拠, 温度特性は150°Cまで対応
・LIN向け:小型化によるお客様装置の省スペース化、部材の使用量減少により環境へ配慮した設計
・CAN向け:1チップで2つ分のバリスタ機能をもつ2in1アレイ形状、チャネル間の静電容量の差を最小限に抑制
※実際の製品にTDKのロゴは刻印されていません
TDK株式会社(社長:齋藤 昇)は、車載用高ESD耐量のチップバリスタ「AVRHシリーズ」の製品ラインナップを拡大し、2024年3月より量産を開始することを発表します。
近年の自動車のADAS(先進運転システム)や将来の自動運転では、自動車に多数のECUが組み込まれ、車載機器には回路基板の省スペース化と高い信頼性が要求されています。ESDサージ保護デバイスにおいても、小型化に加えてESD対策を含む信頼性の要求が高くなっています。このようなニーズに対し、当社のチップバリスタの中でも小型かつ車載品質を満たす高信頼性をもった「AVRHシリーズ」に、新たに2つのラインナップを拡大しました。
AVRH10C220YT201MA8は最大許容回路電圧16V、静電容量200pFで設計され、製品サイズは1005サイズ(L1.0mm×W0.5mm×H0.5mm)で従来品より75%小型化していることから、小型化によるお客様装置の省スペース化および部材の使用量減少により環境へ配慮した設計になっています。また、本製品は当社独自のコーティング技術を用いることにより耐久性を強化し、小型でありながら車載品質を満たす高信頼性を実現しています。
AVRH16A2C270KT200NA8は1つの素子に2つのバリスタ機能が入った2in1アレイ形状とっており、また当社独自の設計技術によりチャネル間の静電容量の差を最小限に抑えていることが特徴です。サイズは1608サイズ(L1.6mm×W0.8mm×H0.6mm)です。
両製品ともに車載規格のAEC-Q200に準拠し、IEC61000-4-2が要求する静電気放電試験(接触放電)の25kV耐圧を満足します。また、-55~+150°Cの温度範囲に使用が可能です。
今後、さらなる小型化、使用電圧の向上、静電容量範囲の拡大等、製品ラインナップの拡充を図り、お客様の多種多様な車載用機器の設計に柔軟に対応していきます。
用語集
・IEC61000-4-2:International Electrotechnical Commissionの略。国際電気標準会議で定められた静電気放電のイミュニティ規格。
・CAN:Controller Area Networkの略称で車載LANの通信プロトコルの一種。
・LIN:Local Interconnect Networkの略。車載ネットワークのコストダウンを図ることを目的とした通信規格。
・ADAS:Advanced Driver-Assistance Systems の略。先進運転支援システム。
・ECU:Electronic Control Unitの略。各種車載用電子制御ユニット。
・ESD:Electro-Static Dischargeの略。静電気放電。
主な用途
・AVRH10C220YT201MA8/車載用LIN
・AVRH16A2C270KT200NA8/車載用CAN、CAN-FDシステム
主な特長と利点
AVRHシリーズ
・ESD耐量25kV
・温度特性150°C対応による使用エリアの拡大
・AEC-Q200準拠
AVRH10C220YT201MA8
・小型化による省スペース
・部材の使用量減少により環境へ配慮した設計
AVRH16A2C270KT200NA8
・1チップで2つ分のバリスタ機能をもつ2in1アレイ形状
・チャネル間の静電容量差を最小限にスペック化(<1.0pF)
主な特性
製品名 | 外形寸法 [㎜] |
最大許容回路電圧 [V] |
静電容量 [㎊] |
静電容量差 [pF] |
---|---|---|---|---|
AVRH10C220YT201MA8 | 1.0 x 0.5 x 0.5 | 16 | 200 | - |
AVRH16A2C270KT200NA8 | 1.6 x 0.8 x 0.6 | 19 | 20 | 1.0 Max |
AVRHシリーズの製品ラインナップ
size EIA |
Item | VBr [V] |
VDC [V] |
Capacitance [pF] |
LIN | CAN ,CAN −FD |
Ethernet 10Base −T1S |
Ethernet 100Base −T1 |
Ethernet 1000Base −T1 |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
typ. | max. | |||||||||
0402 | AVRH10C270KT350NA8 | 27 | 19 | 35 | 45.5 | x | ||||
0402 | AVRH10C270KT150NA8 | 27 | 19 | 15 | 19.5 | x | ||||
0402 | AVRH10C221KT1R5YA8 | 220 | 70 | 1.5 | 1.63 | x | x | |||
0402 | AVRH10C101KT1R2YE8 | 110 | 70 | 1.23 | 1.36 | x | x | |||
0402 | AVRH10C101KT4R7YA8 | 115 | 70 | 4.7 | 5.27 | x | ||||
0402 | AVRH10C101KT1R1NE8 | 110 | 70 | 1.1 | 1.4 | x | ||||
0402 | AVRH10C220YT201MA8 | 22 | 16 | 200 | 240 | x | ||||
0603 | AVRH16A2C270KT200NA8 | 27 | 19 | 20 | 26 | x |
生産・販売計画
AVRH10C220YT201MA8 / 車載用LIN
・サンプル価格 : 15円(税抜)/個
・生産拠点 : 日本
・生産予定 : 1,000万個/月(当初)
・生産開始 : 2024年3月
AVRH16A2C270KT200NA8 / 車載用CAN、CAN-FDシステム
・サンプル価格 : 20円(税抜)/個
・生産拠点 : 日本
・生産予定 : 100万個/月(当初)
・生産開始 : 2024年3月
TDK株式会社について
TDK株式会社(本社:東京)は、スマート社会における電子デバイスソリューションのリーディングカンパニーを目指しています。 独自の磁性素材技術をそのDNAとし、最先端の技術革新で未来を引き寄せ(Attracting Tomorrow)、社会の変革に貢献してまいります。
当社は各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。主力製品は、積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、ピエゾおよび保護部品等の各種受動部品をはじめ、温度、圧力、磁気、MEMSセンサなどのセンサおよびセンサシステムがあります。さらに、磁気ヘッドや電源、二次電池などです。これらの製品ブランドとしては、TDK、EPCOS、InvenSense、Micronas、Tronics、TDK-Lambdaがあります。
アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、自動車、産業電子機器、コンシューマー製品、そして情報通信機器など幅広い分野においてビジネスを展開しています。2023年3月期の売上は約2兆1,800億円、従業員総数は全世界で約103,000人です。
製品の詳細情報は
https://product.tdk.com/system/files/dam/doc/product/protection/voltage/varistor_ctvs/catalog/vpd_automotive_varistors_avr_ja.pdf.
で参照できます。
TDK株式会社ホームページはこちら