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車載用リチウムイオン電池の北米サプライチェーン強靭化に向けて カナダ NMG 社と黒鉛材料開発に関する技術・商業的な進展を確認【パナソニック エナジー】
2023年9月22日
車載用リチウムイオン電池の北米サプライチェーン強靭化に向けて
カナダ NMG 社と黒鉛材料開発に関する技術・商業的な進展を確認
~日加の民間協業によりカナダ産の天然黒鉛を電池材料に加工することに目処、
北米での低環境負荷のサプライチェーン確立を目指す~
パナソニック エナジー株式会社(本社:大阪府守口市、取締役社長:只信一生、以下 当社)は、電気自
動車(EV)用リチウムイオン電池の北米でのサプライチェーン強靭化に向けて、電池の負極材料である
黒鉛について、カナダの負極材メーカーである Nouveau Monde Graphite Inc. (本社:ケベック州サン
ミシェルデサン、社長:Eric Desaulniers、以下 NMG)と、技術および商業的な連携を更に進めることを
確認しました。
当社は、北米におけるリチウムイオン電池用のクリーンな黒鉛の一貫生産事業の展開により、当社の仕様
を満たすカーボンニュートラルな黒鉛を電池材料として生産するため、NMG と積極的に協力しています。
本件が実現した場合、カナダ原産の天然黒鉛を EV 用リチウムイオン電池向けの負極材料に加工する初め
ての事例となります。
世界規模で拡大する EV 需要に対応するため、当社は、北米での車載電池の生産拡大ならびに材料の現地 調達比率の向上や持続可能なサプライチェーンの構築に向けて取り組んでいます。NMG とは、2022 年 10 月にオフテイク契約に関する覚書を締結し、材料調達に向けた協業を行ってきました。このたび、電 池材料へ加工するための技術的な進展があったことから、両社は今後更なる連携の強化を図り、高容量・ 高信頼性また急速充電対応など当社が追求する電池性能を実現するための競争力ある負極材料の量産化 に向けて協力を進めていきます。
この取り組みは、NMG が保有するケベック州のマタウィニー鉱山で採掘された黒鉛を、同州ベカンクー ルにある電池材料工場において負極材に加工するという“鉱山から材料まで”を一貫して北米地域で行う 事業開発を目指し、オフテイク契約に向けて進めている商業的な協議を支援するものです。クリーンエネ ルギーの活用が進むカナダでは電力の再生可能エネルギー由来比率が高く、ケベック州では供給電力の 99%を再生可能エネルギーが占めています。NMG の環境負荷の低い黒鉛材料を活用することは、北米で の電池生産におけるサプライチェーンの強靭化という意味だけでなく、2030 年度にカーボンフットプリ ントを 2021 年度比で半減するという当社の目標に向けて重要な意味を持ちます。
当社社長執行役員 只信一生は、「このたび、日本とカナダ政府が二国間パートナーシップを深化するため の MOC を締結したことに関して、両国政府が共に持続可能で信頼性のあるバッテリーサプライチェーン の強靭化に向けリーダーシップを発揮していることを歓迎しています。また、当社は、NMG とのパート ナーシップをはじめ、民間レベルでも二国間の協力関係を強化していくことで、両国の産業発展に貢献し ていきます」と述べています。
当社の電池開発・製造の優れた技術と豊富な経験により、今後もリチウムイオン電池業界の成長を牽引し、 当社が目指す「幸せの追求と持続可能な環境が矛盾なく調和した社会の実現」に近づけるべく、将来的な ゼロエミッションの実現に向けた取り組みを加速していきます。
以上
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