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RF認証システムのラインナップを拡張、ワンボックステスタ1台構成のモデルを開発【アンリツ】
2023年6月27日
RF認証システムのラインナップを拡張、ワンボックステスタ1台構成のモデルを開発
スマートフォン検証用途に加え、5G利活用分野(自動運転、スマートシティ、
スマートファクトリー等)のデバイス検証でコスト効率化に貢献
アンリツ株式会社(社長 濱田 宏一)は、New Radio RFコンフォーマンステストシステム ME7873NR Lite Modelを開発し、5G FR1 [※1]TRx試験[※2]に対応いたしました。
5GのSub-6 GHz(FR1)を用いたサービスは、北米、日本など、先進諸国を中心に順次拡大されていく予定です。これに伴い、FR1対応デバイスの研究開発、認証試験が今後ますます活発になっていくことが見込まれます。5Gは無線変調方式やチャネル帯域幅の種類が多く、認証試験に膨大な時間を必要とします。このため1台のデバイスがRF認証システムを占有する時間が長く、試験時間短縮のためには新たに高額のRF認証システムを購入しなければなりませんでした。アンリツはこの課題を解決するため、RF認証システム ME7873NRのラインナップを拡張し、ユーザが低コストで試験環境を強化、試験時間を短縮できるモデルを開発いたしました。
本モデルの拡張により、アンリツは5G用デバイスの市場への早期投入や認証取得の効率化に貢献いたします。
製品概要
従来のME7873NRは複数の測定器で構成されていましたが、ME7873NR Lite Modelは、ワンボックステスタ(ラジオ コミュニケーション テストステーションMT8000A)1台で構成されています。ME7873NRは、3GPP TS 38.521/TS 38.533[※3]で規定される5G NRのRF試験/RRM試験に対応する自動試験システムであり、本モデルは、試験効率化のために最適な試験環境を提供します。
・設備投資の最適化
試験項目を限定したことにより、従来と比較してリーズナブルな価格で試験能力の増強が可能です。新規購入のほか、すでに保有しているMT8000Aからのアップグレード、さらにフル構成へのアップグレードも可能なため、お客さまの設備投資を最適化できます。
・測定時間を20%短縮
ハードウェアを簡素化したことにより、従来と比較して測定時間を約20%短縮しています。
・インタフェースの互換性
従来と同じユーザインタフェースを踏襲しており、既存のお客さまに違和感なくお使いいただくことが可能です。
・認証試験の検証などで活用できる機能を搭載
テストシステムとして自動試験に強みがあり、認証試験だけでなくリグレッション試験[※4]等の検証プロセスに活用できるさまざまな機能を搭載しています。
スマートフォンだけでなく5G利活用分野(自動運転、スマートシティ、スマートファクトリー等)のデバイス検証においても、本モデルにより検証の効率化に貢献いたします。
ME7873NRについてもっと詳しく
https://www.anritsu.com/ja-jp/test-measurement/products/me7873nr
MT8000Aについてもっと詳しく
https://www.anritsu.com/ja-jp/test-measurement/products/mt8000a
用語解説
[※1] FR1
Frequency Range 1の略。3GPPが定義する5G NRの周波数帯域のうち、410 MHz~7125 MHzのSub-6 GHz帯を示す。
[※2] TRx試験
RF (Radio Frequency)試験の内、Transmitter(Tx), Receiver(Rx)を組み合わせた造語。基地局と携帯端末間の送受信無線信号品質、たとえば最大送信電力や最小受信感度などの試験が定義されている。
[※3] 3GPP TS 38.521/TS 38.5333
GPPの技術仕様で、5Gデバイスの無線特性試験に関する規格。TS 38.521が送受信、TS 38.533がRadio Resource Management(RRM)に関する規格。
[※4] リグレッション試験
プログラムの一部を修正した際に、他の箇所で不具合が起こっていないかを確認するためのテスト。回帰テスト、退行テストとも呼ばれ、一般的にあらかじめ決められた試験内容をプログラムの修正の度に自動化された環境で繰り返し実施する。
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