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【業界初】EV車体のマルチマテリアル化に対応 樹脂と金属の異材接合技術を開発

2022年6月7日

  

【業界初】EV車体のマルチマテリアル化に対応
樹脂と金属の異材接合技術を開発

  

■要旨
株式会社ダイヘンは、普及が進む電気自動車(以下、EV)の車体軽量化(マルチマテリアル化)ニーズに応える樹脂と金属の異材接合技術を新たに開発しました。今後、自動車産業を中心に提案を行い、2023年度の製品化を目指します。

本開発により、当社は「シンクロフィード・エボリューション」「レーザ・アークハイブリッド溶接システム」とともに、世界中のEV生産の接合分野において、適用範囲が広がる軽金属や樹脂などのマルチマテリアル対応およびあらゆる板厚・部位の接合ニーズにお応えできるトップメーカとしてEVの車体軽量化に貢献します。

■開発の背景
株式会社ダイヘンは、普及が進む電気自動車(以下、EV)の車体軽量化(マルチマテリアル化)ニーズに応える樹脂と金属の異材接合技術を新たに開発しました。今後、自動車産業を中心に提案を行い、2023年度の製品化を目指します。

「2050 年脱炭素社会」の実現に向け、世界中でEVシフトが加速しています。構造上、重量のあるバッテリーを搭載するEVの航続距離を延長するには、車体軽量化が不可欠となります。

車体軽量化を実現するため、近年自動車メーカでは超ハイテン材やアルミ材、樹脂などのマルチマテリアル化に取り組んでいます。2030 年には、最も比重の軽い樹脂が使用される割合が 2020年比で倍増するといわれており、適用範囲もルーフやフード、パネルなどへ拡大していくことが予想されています。

現在の樹脂と金属の接合には、接着剤・カップリング剤を用いた接合法やリベットによる機械的締結法などが用いられています。接着剤・カップリング剤の接合においては、乾燥工程を要することや廃液処理にかかる設備、廃棄のコストが課題となっています。リベット締結法においても、打点が増えれば前加工に工数がかかるほか、リベット(副資材)のコストや重量増が課題となります。また、射出成形による直接接合も提案されていますが、専用金型が部品毎に必要となることに加え、形状や大きさに制約があるなど、現在の接合法には多くの課題があります。

そこで当社は、これらの課題を解決する新たな接合法として、(熱源として生産ラインへの適応性が高い)レーザを用いた樹脂と金属の異材接合技術をこのたび開発しました。

■特長
1.高強度な接合

  ・難接合樹脂である「PP(ガラス繊維補強タイプ)」や工業的に広く利用されている
   「PPS(ガラス繊維補強タイプ)」と輸送機器で幅広く利用されている超ハイテン材「SPFC980鋼」の
   安定的な線接合が可能
  ・引張せん断試験にて樹脂母材破断を実現
  ・レーザ照射条件と加圧条件を調整することで各種樹脂・金属の組み合わせで接合が可能

2.導入が容易

  ・治具による強固な固定が不要
  ・現状の生産ライン(既存設備)への適用が容易

3.コスト・工程時間の低減
  ・接着剤やカップリング剤使用工程特有の塗布・乾燥工程が不要
  ・射出成形工程における金型製作コスト、時間が不要
  ・リベットなどにかかるランニングコストを大幅に低減

  

■本件に関するお問い合せ先
株式会社ダイヘン 企画本部 経営企画部
TEL:06-7175-9580

  

  

  

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