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使用済み自動車からの希少金属回収技術開発について【三菱マテリアル】
2012年9月10日
~新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの助成事業として採択が決定~
三菱マテリアル㈱(社長:矢尾宏、資本金1,194億円)の資源・リサイクル事業本部では、㈱ホンダトレーディング(東京都港区)、㈱マーク・コーポレーション(三重県鈴鹿市)と協力して、これまで使用済み自動車のモーターからレアアース磁石を回収するためのリサイクル技術開発を進めてまいりましたが、今般、経済産業省が取り組む「希少金属代替材料開発プロジェクト」の一環として、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「使用済みモーターからの高性能レアアース磁石リサイクル技術開発」事業の助成事業テーマとして、当社が提案した「使用済み自動車からの希少金属回収技術開発」が採択されましたので、お知らせいたします。
1. 開発の背景
自動車産業では、消費者の環境保全意識の高まりから、ハイブリッド自動車など環境に配慮した自動車の需要が拡大しており、2020年には年間40万台もの使用済みハイブリッド自動車が発生することが予測されております。さまざまな電動部品を搭載するハイブリッド自動車には、ネオジムやジスプロシウム等のレアアースや希少金属が使用されておりますが、レアアース等はその希少性や偏在性から資源枯渇の可能性や価格高騰などが懸念されており、安定調達が喫緊の課題になっているものの、現状はリサイクル技術が確立されておりません。
このため、家電リサイクル会社5社を運営し、家電由来のレアアース磁石のリサイクルを展開する当社といたしましては、レアアースのさらなる安定確保という社会的要請に応えるため、資源の安定確保を図るべく、世界に先駆けて使用済みハイブリッド自動車からのレアアース磁石の回収技術の開発およびリサイクルシステムの実証に着手いたしました。
2. 開発体制等
ホンダ製のハイブリッド自動車を中心に、駆動用モーターを取り出し、レアアース磁石を効率的に回収するための技術を開発するため、㈱ホンダトレーディングが自動車回収システムの実証協力を、㈱マーク・コーポレーションが回収した部品などの前処理実施協力および実証設備の設置協力を、当社が事業実施主体としてリサイクル技術開発を実施し実証設備の設計製作および実証試験をそれぞれ担当し、使用済みハイブリッド自動車を回収するプロセス等を含めたリサイクルシステム全体の設計、実証を行ってまいります。
三菱マテリアルでは、これまで生活の基盤となる素材の供給やリサイクルを通じて持続的発展が可能な社会構築を目指し、環境の保全と向上、高度資源循環型社会形成という課題に挑戦してまいりました。当社といたしましては、使用済みハイブリッド自動車からのレアアース磁石の回収技術を確立することにより、資源の有効活用を図り、これまで以上に資源の安定確保に資するとともに天然資源の使用量削減を目指すため、これからも地球環境にやさしい循環型社会システムの構築に貢献してまいりたいと考えております。
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