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複合領域物理モデルシミュレータ「MapleSim 6」リリースのお知らせ 【サイバネットシステム】
2012年9月5日
Modelica®※1サポートの拡大、ツール連携機能の強化により、高い可読性と広範囲なシステムシミュレーション環境を実現
サイバネットシステム㈱ (本社 : 東京都、代表取締役社長 : 田中 邦明、以下「サイバネット」)は、グループ会社のWaterloo Maple Inc.(本社 : カナダ オンタリオ州、以下「メイプルソフト」)が開発・販売・サポートする複合領域物理モデルシミュレータ「MapleSim™(メイプルシム)」の 新バージョン「MapleSim 6」の販売を2012年9月5日より開始することをお知らせいたします。
MapleSimは、数式処理・数式モデル設計環境「Maple(メイプル)」上で動作し、Modelicaベースで記述された物理モデル開発及びシミュレーションを実現する複合物理領域※2 でのモデリング・シミュレーション環境です。数式処理・数式モデル設計環境は、数値処理機能に比べて、大規模な定義物理モデルを厳密に等価なまま適切な形に変換が行われるため、計算精度をそのままに大幅に分析・解析時間を短縮することが可能です。自動車部品やロボット、電気回路など、制御対象のモデリングや設計ツールとしての利用に加えて、理工系の教育・研究活動に導入されております。
メイプルソフトは、全てのエンジニアが共通して理解できるシステムレベル※3 での物理モデル作成とシミュレーション環境の創出を目指すとともに、オープン言語である『Modelica』との融合をコンセプトに展開しております。
MapleSim 6は、MapleSimモデルのModelicaコード参照機能を新たに加え、ボタン1つでコード参照を可能にいたしました。また、参照コードからMapleSim独自のコンポーネントが作成できるようになりました。これにより、モデルの可読性と操作性が大幅に向上しております。また、FMI※4 対応のコネクタツールの開発により、多くのModelica系ツールと連携いたします。加えて、数式処理アルゴリズムの改良やマルチコア対応によるシミュレーションエンジンの改善により計算処理スピードの高速化も実現しております。
MapleSim 6の主な新機能と特徴
Modelica サポートの強化
Modelica Viewer機能
システム/サブシステム/コンポーネントのModelicaコードの参照がボタン一つで可能となりました。また、参照コードから独自のコンポーネントを作成できます。
Modelica インポート/エクスポート機能の改善
各種ツールで作成したModelicaモデルは、MapleSim側からモデルファイルを直接開くことができます。また、MapleSimモデルはModelica形式でファイル保存が可能なため、様々なModelicaベースのツールで活用できます。
コンポーネントの拡充・ツール連携の強化
モデルエクスポート機能の拡張
MapleSimで作成した複合領域の物理モデルを、MapleSim Connector for VI-CarRealTime™、MapleSim Connector for FMI、MapleSim Connector for B&R Automation Studioでもエクスポートできるようになりました。具体的には、VI-CarRealTime、FMI準拠ツール、B&R Automation Studioへのエクスポートが可能です。これにより、より広範なシステムでMapleSimから生成された効率性の高いシステムモデルまたはコンポーネントを活用することが可能です。
外部Cコード / DLLのサポート
テンプレートを用いて外部CコードやDLLのカスタムコンポーネントの生成ができ、外部コードを呼び出すことができます。また、本機能を活用してコ・シミュレーションを実現できます。
コンポーネントの拡充
信号ブロックライブラリにTo / From Variableコンポーネントが追加され、結線を必要としない変数のやり取りが可能になりました。これ以外にも、マルチボディダイナミクス・ライブラリのオイラー角センサーや電気ライブラリにおける電流・電圧テーブルなどが拡充されています。
ユーザビリティの改善
MapleSim APIの改善
Maple環境からMapleSimモデルへのアクセスを可能にするAPI群を拡充し、MapleSimモデルの情報取得により、Maple側でパラメータ設定やシミュレーションの条件設定をすることができます。また、Mapleのワークシート(プログラミング環境下)でMapleSimモデルを活用した解析を実行できます。
スナップショット機能
シミュレーション結果における任意の時刻の状態を保存することで、その時点から次のシミュレーションを開始できるため、シミュレーション時間を短縮いたします。
GUI操作性の向上
Mapleのプロット(計算結果グラフ)の範囲選択による拡大表示や、常時全体を映すことが可能なビューアングルの自動調整機能により、3Dアニメーションの見やすさが向上しました。
より詳細な新機能や改良点については、当社製品ウェブサイトをご参照ください。
http://www.cybernet.co.jp/Maple/
注釈
※1 : Modelica :
Modelica協会 (http://www.modelica.org/) により作成・公開されている物理モデリング用オープン言語。
※2 : 複合物理領域 :
電気や熱、制御、機械など、通常個別に扱われる複数の分野を連携させてモデル化、シミュレーションする考え方。
現在の複雑なものづくり工程においては、全体的な(複数分野にまたがる)最適化を考えた解析環境が必須となる。
※3 : システムレベル :
自動車・船舶・工作機械・ロボットなどの制御対象が持つ様々な機能を統合的かつ高速にシミュレーションするための手法。
※3 : FMI :
Functional Mockup Interfaceの略。Modelicaモデルの作成ツールを連携するためのオープンインターフェース。
メイプルソフトについて
メイプルソフト(Maplesoft)は、対話的な数学計算ソフトウェアを開発・販売するリーディングカンパニーです。世界中の数学者・物理学者・エンジニア・設計者に愛用され、同社のフラッグシップ製品である数式処理・数式モデル設計環境「Maple(メイプル)」をはじめとして、数理技術を基本とした様々な技術計算製品を提供しております。 メイプルソフトの計算ソフトウェアは、アライドシグナル、BMW、ボーイング、ダイムラー・クライスラー、ドリームワークス、フォード、GE、ヒューレット・パッカード、ルーセント・テクノロジー、モトローラ、レイセオン、ロバート・ボッシュ、タイコ エレクトロニクスそしてトヨタ自動車など一般企業をはじめ、MIT、スタンフォード大学、オックスフォード大学、NASA、カナダ・エネルギー省などの先端的研究機関において教育や研究目的で利用されております。 詳細は下記Webサイトをご覧ください。 http://www.maplesoft.com サイバネットについて
※ CAE(Computer Aided Engineering) : 「ものづくり」における研究・開発時に、従来行われていた試作品によるテストや実験をコンピュータ上の試作品でシミュレーションし分析する技術。試作や実験の回数を劇的に減らすと共に、様々な問題をもれなく多方面に亘って予想・解決し、試作実験による廃材を激減させる環境に配慮した「ものづくり」の実現に貢献する。 |
本件に関するお問い合わせ : サイバネットシステム株式会社
内容について
モデルベース開発推進事業部 営業推進グループ/栗山、津藤
TEL : 03-5297-3255 E-MAIL : infomaple@cybernet.co.jp
報道の方は
広報室/渡辺
TEL : 03-5297-3066 E-MAIL : irquery@cybernet.co.jp
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