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ランクセスの高性能プラスチック、新型の自動車用プラスチック製オイルパンに採用【ランクセス】
2021年4月5日
ランクセスの高性能プラスチック、
新型の自動車用プラスチック製オイルパンに採用
~ポリアミド66の代替としてポリアミド6を用い、コスト削減と卓越した性能を実現~
● ポリアミド66の代替としてポリアミド6を用いた新型自動車用トランスミッションオイルパン
● 優れた表面品質と低反り性
● オイル循環経路用の他の部品でもポリアミド6への置き換えがトレンドに
● オイルパンに使用可能なリサイクル化合物
ドイツの特殊化学品メーカー、ランクセス(LANXESS)は、同社の高性能プラスチック「デュレタン®(Durethan®) BKV35H2.0」(ポリアミド6)が、独IBSフィルトラン社の開発した新型の自動車用プラスチック製トランスミッションオイルパンに採用されたと発表しました。ポリアミド類は、トランスミッションオイルパンの製造において、軽量構造、コスト削減につながる機能統合、デザインの自由度など、従来の鋼板やダイカストアルミニウムと比べて多くの利点を有しています。特にポリアミド66は、近年このような大型射出成形部品の量産に広く使用されています。また、ポリアミド6も同様の目的に適しており、実用化も進んでいます。今回、IBS フィルトラン社がランクセスの「デュレタン®(Durethan®) BKV35H2.0」(ポリアミド6)を用いてオイルパンを開発し、最新式のオートマチックトランスミッションとして、様々な自動車メーカーの車両への導入が進められています。ランクセスのIBS フィルトラン社担当のアカウントマネージャーであるババック・タレブロは次のように述べています。「IBS フィルトラン社とランクセスは、乗用車のオイル循環経路用コンポーネントの開発において、長年に渡り素晴らしいパートナーシップを発揮してきました。そのめざましい成果のひとつとして、過去には自動車用として初のプラスチック製トランスミッションオイルパンを開発しています」
低収縮、かつ、溶着が容易
「新型オイルパンでポリアミド6を使うことにしたのは、主に2つの要因からです。重要な性能要件(耐熱性、耐油性、堅牢性、表面品質)を満たしていること、および、同性能のポリアミド66よりも遥かに安価であることです」と、ランクセスの車両オイル循環経路用の樹脂部品専門家であるクリストフ・ボデンは述べています。IBS フィルトラン社は、重量比35%のガラス短繊維で強化されたポリアミド6の耐油性と耐熱性を広範囲に調査しました。様々なトランスミッションオイルを用いて実施された150°Cでの耐久性テストでは、経年変化において同等のポリアミド66と違いがないことが示されました。むしろ、ポリアミド6は耐衝撃性と破断伸度が若干優れており、それはオイルパンが飛び石に対しても対応できることを意味しています。優れた表面品質は、ポリアミド6によって得られるもう一つの利点です。例えば、オイルパンガスケットの周辺では、非常に優れた表面特性がガスケットの効果性を高めます。また、ポリアミド6は、収縮が少なく、結果として反りが少ないことや良好な溶着性もさらなるメリットとして挙げられます。オイルフィルターの内殻は、振動溶着によってオイルパン本体に接合されています。「この溶着線は非常に堅固で、確実な耐圧性能をもたらすのです」とボデンは述べています。
ポリアミド66の供給における構造的問題
ポリアミド66は、ここ3年間余りに渡り、アジポニトリル(主原料)の不足のために時折価格が高騰し、場合によっては十分な量が入手できない場合があります。そのため、オイル循環経路用の樹脂部品の製造業者は、より手頃な価格で確実に入手できる、ポリアミド66の代替品を検討するようになりました。ポリアミド6は、性能プロファイルも類似しており、有望な代替候補です。「例えば、自動車のトランスミッションオイルパンの他に、ポリアミド6を用いたトラック用オイルパンやシリンダーヘッドカバーの量産や開発が増加しています」とボデンは述べています。
オイル循環経路部品用の製品ラインアップがさらに拡大
ランクセスは、車両のオイル循環経路用のポリアミドの品揃えを常に拡大しており、新しく加わった製品の中には「デュレタンECOBKV30H2.0」、「ECOBKV35H2.0」、「ECOBKV60XF」があります。これら3つのポリアミド6コンパウンドには、廃ガラスから製造された再生ガラス繊維が重量比でそれぞれ30%、35%、60%含まれています。第三者機関であるecocycle GmbH は、マスバランス法を用いて各コンパウンドのリサイクル材料の含有量を調べ、これらの製品に対しISO 14021:2016準拠のecoloop証明書を授与しました。「私たちは、これらの製品によって、自動車業界でのリサイクル原材料の使用増というトレンドに遅れることなく対応しているのです」とボデンは述べています。オイル循環経路の新しい用途の他の例としては、XTSシリーズのポリアミドがあります。XTSはXtreme Temperature Stabilizationの略で、このコンパウンドの桁外れに高い長期熱抵抗性(230°Cまで可)を強調した名称です。「XTSシリーズの製品は、例えば、トランスミッションが触媒コンバーターの近くに設置されている車両のオイルパンでも使用可能です。このタイプの構造の場合、排気処理のインターバル中にオイルパンには高い熱負荷がかかります。XTSシリーズを使用すれば、オイルパンを強烈な熱から保護するためのデフレクタープレートは必要ありません」とボデンは述べています。
HiAntの包括的カスタマーサービス
HPMビジネスユニットは、HiAntエンジニアリングサービスを通じ、IBSフィルトラン社のトランスミッションオイルパンの開発における包括的なサポートを提供しました。HiAntブランドの下、HPMビジネスユニットは、製品、用途、手順、技術開発における専門知識を組み合わせ、顧客と協働しながらサポートを行っています。例えば、HPMビジネスユニットは、飛び石など、トランスミッションオイルパンへの重大な負荷事例についてのシミュレーションを実施しました。また、提供したサービスには、飛び石やトランスミッションオイルのデポジットに関するものなど、完成品を用いた試験検査も含まれています。
「デュレタン(Durethan)BKV35H2.0」ポリアミド6コンパウンドで作られたトランスミッションオイルパンは、最新式のオートマチックトランスミッションの一部として様々な自動車メーカーの車両に導入が進められています。(写真:ランクセスAG)
ランクセスの専門家がトランスミッションオイルパンの優れた表面品質を点検しています。(写真:ランクセスAG)
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これは、ドイツ・ケルンで3月23日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。
この原文(英語)は、以下のURLにてご参照下さい。 http://www.press.lanxess.com
ランクセスについて
ランクセスは、世界33カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2020年の総売上は61億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 14,300人です。主な事業は、中間体、添加剤、特殊化学品及びプラスチックの開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス」のワールド・インデックス(DJSI World)、ヨーロッパ・インデックス(DJSI Europe)および「FTSE4Good」の構成銘柄です。ランクセスについての詳細は同社URLにてご確認下さい。
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