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令和3年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞を受賞【GSユアサ】
2021年4月6日
令和3年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞を受賞
株式会社 GSユアサ(社長:村尾 修、本社:京都市南区。以下、GSユアサ)は、文部科学省が主催する「令和3年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」において、「宇宙用リチウムイオン電池およびその運用技術の開発」により、「科学技術賞(開発部門)」を受賞しました。
「科学技術賞(開発部門)」は日本の社会経済、国民生活の発展向上等に寄与し、実際に利活用されている画期的な研究開発もしくは発明を行った者に贈られるものです。
今回受賞した、GSユアサにおける「宇宙用リチウムイオン電池およびその運用技術の開発」を開始した1997年当時、リチウムイオン電池は、小型の民生用が主流で、宇宙用途に耐える大容量・長寿命のものは存在しませんでした。この開発を通じて、耐久性に優れる電池構造を発明し、また電池の劣化モデルに基づく寿命予測技術を確立したことで、リチウムイオン電池の宇宙空間での使用が可能になりました。
当社の宇宙用リチウムイオン電池はその高い信頼性により、多数の人工衛星や国際宇宙ステーションに採用されています。
GSユアサは今後も、技術の革新に挑み続け、エネルギーの未来を創造してまいります。
【受賞の概要】
科学技術賞(開発部門)「宇宙用リチウムイオン電池およびその運用技術の開発」
1.受賞者
吉田 浩明 常務執行役員 研究開発センター長
2.開発技術の概要
(1)気密構造の開発
宇宙空間における電池内外の差圧に耐えることが可能な、銅を50%以上含む金属ロウを用いてセラミック材を
負極端子に固定する気密構造を開発しました。この構造により、金属ロウと電解液中のリチウムとの合金化反応
を抑制し、腐食を防止して長期間の気密封止を実現しました。
宇宙用リチウムイオン電池の負極端子における気密構造(特許第4975202号)
(2)劣化モデルの構築
長期間の劣化試験に基づき、リチウムイオン電池の劣化モデルを構築しました。この劣化モデルは「ルート則」
とも呼ばれ、リチウムイオン電池の劣化や寿命を推定するための基本技術として、宇宙用途に限らず現在も汎用
的に用いられており、劣化メカニズムの更なる解明のための礎となっています。
【写真】宇宙用リチウムイオン電池(セル)
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