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ロボット用の高精度小モジュール歯車に特化したギヤシェーパを開発【三菱重工業】
2021年3月1日
ロボット用の高精度小モジュール歯車に特化したギヤシェーパを開発
同時開発の専用工具と合わせ、機械と工具のワンストップサポートを開始
◆ 昨年8月発売のFRシリーズをより進化、ダイレクト・ドライブモーター採用で歯車の加工精度アップ
◆ 小モジュール歯車加工に最適な専用工具と合わせ、3月から販売開始
三菱重工グループの三菱重工工作機械株式会社(社長:若林 謙一、本社:滋賀県栗東市)は、ロボットに使われる高精度な小モジュール※1歯車に特化したギヤシェーパ「SE25FR Plus」を新たに開発しました。この加工機に対応した小モジュール専用の切削工具も同時開発し、併せて3月から本格販売を開始します。高精度歯車加工機と切削工具のワンストップサポートにより、世界的に拡大するロボット市場において必要とされる精密減速機構の高精度化ニーズに応えます。
三菱重工工作機械は、昨年8月に高精度歯車加工機“FRシリーズ※2“を市場投入しました。今回のSE25FR Plusは、高精度が求められる波動歯車装置※3向けに進化させたハイエンドモデルです。基幹部品であるテーブルとカッターヘッドにダイレクト・ドライブ駆動方式のモーター※4や超精密軸受を採用することで、高い回転精度を実現しました。これにより歯車加工の精度クラスをISO3級とし、ISO6級のSE25FRと比べ、高精度な切削加工が可能です。
SE25FR Plusと同時販売する小モジュール用切削工具は、専用の工具材と微細加工用のコーティング「MightyShield μ(マイティ・シールド ミクロス)」を新規に開発しました。工具材は、靭性と耐摩耗性を高めた炭化物粒径を使用し、コーティングは、歯形誤差に影響を与えない2μm以下の薄膜で、かつ均一に施すことにより、難削材でも良好な加工面形状と、“サブミクロン”レベルの歯形要求を実現。さらには、試作段階から量産まで歯車加工機と切削工具のワンストップサポートを提供します。
三菱重工工作機械は、歯車加工機と切削工具の両方を製作する国内唯一のメーカーです。高精度歯車の加工機のみならず、加工ノウハウ、自動化システムなど歯車加工に関するトータルな提案が可能です。製造業はもとより、医療やサービス業などにおいても導入が広がるロボット市場を支える歯車工作機械メーカーのトップランナーとして、引き続きモノづくりをリードしていきます。※5
※1 モジュールとは歯車の歯の大きさを表す値で、ピッチ円の直径(mm)を歯数で除したものです。
※2 シリーズ名のFRは”Fine Pitch used Reducer for Robot”に因んだもので、産業用および生活支援ロボットの
市場拡大に伴い、ロボット関節部に使用される精密減速機内部の高精度小モジュール歯車の需要が急増した
ことに対応して開発しました。
※3 楕円と真円の動きの差を利用して動力の回転速度を減速、出力する機械装置のことです。
※4ダイレクト・ドライブ駆動方式のモーターとは、その回転をギヤボックスなどの間接的機構を介さずに、
直接駆動対象に伝達するモーターのことで、摩擦などの駆動損失や部品損耗が抑制できます。
※5 三菱重工工作機械を含む三菱重工グループの工作機械事業については、本年5月を目途に日本電産株式会社
および日本電産グループに譲渡移管の予定です。
■ギヤシェーパSE25FR Plusの仕様
小モジュール ピニオンカッター
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