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LS-EV 社会における近未来モビリティに向けて 豪AEV社とモビリティ向けソーラールーフを開発【帝人】

2021年3月2日

LS-EV 社会における近未来モビリティに向けて
豪AEV社とモビリティ向けソーラールーフを開発

 

 帝人株式会社(本社:大阪市北区、社長:鈴木 純)は、LS-EV(Low Speed Electric Vehicle:低速EV)の軽量化に向けた開発パートナーであるApplied EV社(本社:オーストラリア ビクトリア州、CEO:Julian Broadbent、以後「AEV社」)と共同で、ポリカーボネート樹脂製の近未来モビリティ向けソーラールーフを共同開発しました。

左:共同開発したソーラールーフ搭載のAEV社製LS-EVプロトタイプ  右:ソーラールーフ

1.背 景
(1)近未来のモビリティ像として「CASE」(*1)や「MaaS」(*2)が示される中、環境負荷低減や超高齢化
   社会への対応を強化すべく、世界各国で自動車の電動化や自動運転化に向けた技術開発が進んでいます。
(2)また、世界的な指標として、自動車の動力源であるガソリンや電気などの製造過程から完成車の駆動に至る
   までのエネルギー効率を総合的に評価する「Well to Wheelゼロエミッション」が掲げられるなど、
   自動車社会にはさらに大きな変化の到来が予測されています。
(3)こうした中、当社とAEV社は、将来のEVに求められる技術基盤を獲得・整備するため、2019年より
   LS-EVの共同開発を進めており、最近の成果として、用途に合わせた車体を搭載して自動走行が可能な
   多目的LS-EV向けのプラットフォーム「Blanc Robot」を開発しました。

(*1)CASE:ダイムラーの前CEOであるディーター・ツェッチェ氏が、自動車業界が将来の進むべき方向性
       として2016年に提唱したもので、Connected(つながる)、Autonomous(自動運転)、
       Shared(共有)、Electric(電動化)の頭文字をとったもの。
(*2)MaaS:Mobility as a Service の略で、情報通信技術を活用することによりあらゆる交通手段による移動を
       1 つのサービスとして捉え、シームレスにつなぐ新たな「移動」の概念。

2.今次開発のソーラールーフについて
(1)このたび開発したソーラールーフは、当社のポリカーボネート樹脂「パンライト」グレージングを表層に
   用いた、太陽電池搭載のLS-EV向けルーフです。
(2)当社が長年培ってきたポリカーボネート樹脂グレージングに関する知見を駆使し、ガラスでは難しい
   車体ルーフに適した曲面形状を一体成形することで、求められる強度や剛性を実現しています。
(3)また、ポリカーボネート樹脂は耐衝撃性に優れる一方で耐候性に課題があり、屋外での長期間の使用に
   向けては適切な加工が必要となりますが、このたび使用した「パンライト」グレージングは、当社独自の
   ハードコート技術を活用することにより、自動車に要求される10年相当の耐久性を実現しています。
(4)このソーラ―ルーフに搭載した太陽電池セルの出力は、豪州の日照条件下でのテストにおいて、一般的な
   ソーラーパネルと同等の約330Wを記録しています。
(5)さらに、帝人とAEV社はソーラールーフのエネルギー効率を実証すべく、一般車両向けLS-EVを想定した
   10kWhのバッテリー搭載のプロトタイプ車体を製作し、「Blanc Robot」に装填して、豪州の
   日照条件下で試験を行ったところ、走行距離が30km~55km(最大約30%)伸びることが確認されま
   した。

3.今後の展開
(1)帝人とAEV社は、各部品に帝人の素材や技術を活用した量産向け軽量ⅬS-EVを、2022年後半に実用化
   することを目指しており、このたび開発したソーラールーフの技術向上を図りながら、
   「Well to Wheelゼロエミッション」の実現に向けた取り組みを進めていきます。
(2)当社は、AEV社との取り組みを一層強化していくことにより、近未来のモビリティへのニーズを先取りし、
   自社の高機能素材や設計、デザイン、複合化技術による技術提案力を強化していきます。
(3)当社は、注力すべき重点領域として「環境価値ソリューション」を掲げており、持続可能な循環型社会の実現に
   貢献するソリューションを提供することで、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」となることを
   目指していきます。

以上






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