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高度な解析業務を効率化する「CADFEM Ansys Extensions」販売開始のお知らせ【サイバネットシステム】
2020年11月19日
高度な解析業務を効率化する「CADFEM Ansys Extensions」販売開始のお知らせ
流体軸受け(※1)の解析や、3Dモデルからの1D(※2)モデル作成を効率化!
今まで難しかった解析が短時間で実施でき、設計段階での性能予測を可能にします。
サイバネットシステム株式会社(本社:東京都、代表取締役 社長執行役員:安江 令子、以下「サイバネット」)は、CADFEM GmbH(キャドフェム・ゲーエムベーハー、本社:ドイツバイエルン州、以下「CADFEM」)が開発・販売・サポートする「CADFEM Ansys Extensions(キャドフェム・アンシス・エクステンションズ)」の販売および技術サポートを開始することをお知らせします。
■ CADFEM Ansys Extensionsとは
ANSYS, Inc.(以下「Ansys」)が開発・販売・サポートする「Ansys®(以下「Ansysソフトウェア」)」のカスタマイズキットである、「Ansys® ACT™(Ansys Customization Toolkit)」を用いて、AnsysのパートナーであるCADFEMが開発・提供したアドオン製品です。流体軸受けの解析など、特定の用途における解析業務を効率化することを目的に開発されています。
■ Ansysソフトウェアとは
構造・熱流体・電磁界・回路・システムなどのさまざまな物理現象やそれらを組み合わせた連成問題を目的に合わせて柔軟にシミュレーションすることができる、マルチフィジックス解析ソフトウェアです。
この度取り扱いを開始する「CADFEM Ansys Extensions」は、これまでお客様から寄せられた「Ansysソフトウェアの操作環境でこの解析ができないか」、「解析作業をもっと簡単にできないか」などのご要望にお応えするためのアドオン製品です。これまで膨大な時間と工数を要していた「流体軸受けのシミュレーション」、難易度が高く実用困難だった「伝熱解析・連成解析(※3)の詳細な3Dモデルからの1Dモデル作成」が容易に実施できるようになり、解析作業が大幅に効率化されます。
バッテリーの熱解析
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主な機能
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■「Tribo-X inside Ansys」
流体軸受けの複雑な挙動を、短時間でシミュレーション可能に
流体軸受けは一般的な軸受けと比べ摩擦抵抗を大幅に減らすことができるため、高精度で耐久性が高く、精密さを求める重要な工業製品に活用されています。しかし、流体軸受けを用いたシャフトの挙動は、ベアリング内の潤滑材の特性に大きく依存することから非常に複雑であり、シミュレーションするためには、難易度の高い流体-構造連成解析が必要とされてきました。
「Tribo-X inside Ansys」は、レイノルズ方程式(※4)をベースとしたソルバーを搭載することで、この複雑な挙動を短時間で解析することができます。また、操作性に優れた「Ansys® Workbench™ Mechanical」環境に統合されており、CADモデルを活用して視覚的に結果を確認することが可能です。
これにより、流体軸受けを利用した製品を設計・開発している方は、設計段階から軸受けの影響を考慮できるようになります。また、解析にかかる時間が大幅に短縮されることから、パラメータスタディや最適化解析などの一括計算が利用しやすくなります。短時間でより多くの設計案を検討でき、品質向上につながります。
流体軸受けの流体-構造連成解析
■「Model Reduction inside Ansys」詳細な3D解析モデルから、1Dシミュレーション用のモデルを簡単に作成可能に
詳細な解析精度を維持したまま短期間でシミュレーションを行うには、3Ⅾの解析モデルを縮退させてROMモデル(※5)を作成し、1Dシミュレーションに組み込むという手法が有効です。しかしROMモデル作成は容易ではなく、特に伝熱解析や連成解析では、マトリクスを利用した複雑なプログラミングが必要であるため実用化が困難でした。
「Model Reduction inside Ansys」を用いることで、クリロフ部分空間法(※6)という汎用性の高い手法を利用したROMモデル作成が可能となります。
Ansysソフトウェアで算出可能な、あらゆる線形構造解析/伝熱解析の結果からROMモデルを作成することができ、Ansys® Twin Builder™、MATLAB®、Simulink®などを用いたシステムシミュレーションにおいて、Ansysソフトウェアの解析結果を考慮した1Dシミュレーションが容易に行えるようになります。
Model Reduction inside Ansysのデータの流れ
CADFEM Ansys Extensionsの詳細については、下記Webサイトをご覧ください。
https://www.cybernet.co.jp/ansys/product/lineup/cadfem/
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【注釈】
※1:流体軸受け:流体軸受け(りゅうたいじくうけ)とは、薄い液体、または気体の膜によって支持される
軸受けである。流体動圧軸受けや動圧、もしくは気体軸受けとしても分類される。それらは高荷重、
高速回転の用途(ボールベアリングでは短寿命、または騒音が大きくなる分野)で使用される。
※2:1D:システムシミュレーションを用いた設計の上流段階から適用可能な設計支援の手法、概念。
形状や構造をベースに設計を行う従来の3D CAE/CADに対し、設計情報がまだ明確でない段階から
対象製品全体のシステムを機能ベースで可視化することにより、上流段階での全体最適が可能となる。
システム全体を俯瞰し、把握できるため、問題点の早期発見が可能となり、品質向上と
イノベーションの創造が期待される。
※3:連成解析:複数の物理現象の相互作用を考慮しながら行う解析。
※4:レイノルズ方程式:流体軸受けの軸受け隙間を流れる、薄い粘性流体流れの圧力分布を記述する方程式。
※5:ROMモデル:Reduction Order Modelの略。3Dシミュレーションの解析結果を1Dシミュレーションに
取り込む場合に行う縮退化手法。ROMモデルを使用することで、3Dシミュレーションで求めた
詳細な解析結果を取り入れた1Dシミュレーションが実施可能になる。
※6:クリロフ部分空間法:ロシアの応用技術者アレクセイ・クリロフにちなんで名づけられた、
行列-行列積を計算する代わりに行列をベクトルに作用させ、得られるベクトルを利用する
アルゴリズムの総称。主なクリロフ部分空間法として、アーノルディ法、ランチョス法、
GMRES法等がある。
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CADFEMについて
1985年に設立されたドイツのCAEソリューションベンダーです。ソフトウェア、ITソリューション、コンサルティング、テクニカルサポート、エンジニアリングソリューションおよびノウハウの提供を行ってきました。設立当初よりAnsysソフトウェアを販売し、Ansysが認定する、最高レベルのディストリビューターであることを証明するAnsys Elite Channel Partnerを獲得しています。世界30ヵ国以上に拠点を持ち、中央ヨーロッパのAnsysユーザーにサービスとサポートを提供しています。
CADFEMに関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
https://www.cadfem.net/de/en/
Ansysについて
ロケットの打ち上げをご覧になったり、飛行機で空を旅したり、車を運転したり、橋を渡ったり、PCを使ったり、モバイルデバイスの画面にタッチしたり、あるいはウェアラブルデバイスを身に付けたりされたご経験はおありでしょうか。それらの製品は、Ansysのソフトウェアを使って生み出されたものかもしれません。Ansysは、工学シミュレーションの世界的リーディングカンパニーとして、今までにない優れた製品の誕生に貢献しています。最高水準の機能と幅広さを備えた工学シミュレーションソフトウェアの提供を通じ、Ansysは、最も複雑な設計上の課題であっても解決を支援し、製品設計の可能性を想像力の限界まで押し広げています。1970年に設立されたAnsysは、本社を米国のペンシルベニア州ピッツバーグ南部に置いています。詳細は、 www.ansys.com
をご覧ください。
サイバネットについて
サイバネットシステム株式会社は、CAEのリーディングカンパニーとして、30年以上にわたり製造業の研究開発・設計関係部門、大学・政府の研究機関等へ、ソフトウェア、教育サービス、技術サポート、コンサルティングを提供しています。またICT分野では、最新のセキュリティソリューションのみならず、企業のセキュリティ向上に欠かせないIT資産管理ツールやIT運用管理ツールを提供しています。近年では、IoTやデジタルツイン、ビッグデータ分析、AI領域で、当社の得意とするCAEやAR/VR技術と組み合わせたソリューションを提案しています。
ブランドメッセージは「つくる情熱を、支える情熱」。日々、多様化・複雑化する技術課題に向き合うお客様に、「まずはサイバネットに聞いてみよう」と思っていただける企業を目指しています。
サイバネットシステム株式会社に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
https://www.cybernet.co.jp/
※記載されている会社名および製品名は、各社の商標および登録商標です。
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本件に関するお問い合わせ先:サイバネットシステム株式会社
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■ 内容について
CAE第1事業部/野村
E-MAIL:anssales@cybernet.co.jp
■ 投資家の方は
IR室/目黒
E-MAIL:irquery@cybernet.co.jp
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