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世界で初めて実験室での分析を実現 リチウムイオン電池正極材向け化学結合状態解析システム「Xspecia」を発売【島津製作所】

2020年3月10日

掲載されている内容はすべて発表日当時のものです。その後予告なしに変更されることがありますのであらかじめご了承ください。

リチウムイオン電池正極材向け
化学結合状態解析システム「Xspecia」


島津製作所は、3月10日にリチウムイオン電池正極材向け化学結合状態解析システム「Xspecia(エクスペシア)」を発売いたします。本システムは、当社が得意とする蛍光X線技術を応用したオンリーワン製品です。実験室に設置できるサイズのため、外部機関への試料持ち込みや測定依頼が不要です。「Xspecia」の販売を通じて、素材や電池、自動車などの製造業・研究機関を支援して、リチウムイオン電池の性能と品質の向上に貢献します。

リチウムイオン電池は、主に正極材、負極材、セパレータ、電解質で構成されています。電池の高容量化や長寿命化に向けた研究開発においては、充放電に伴うリチウムイオンの移動量の変化を把握することが欠かせません。電池の構成部材ごとに様々な分析手法が用いられており、特に無機材料で構成される正極材については、非破壊分析という特長を持つX線が有効です。現在は放射光施設での「XAFS(X線吸収微細構造)分析」や「XPS(X線光電子分光法)」が一般的であるものの、いずれの手法も場所に制約があったり、高度な専門知識を要したりします。

「Xspecia」は当社独自の分光方式を採用することで、高いエネルギー分解能が得られ、従来の蛍光X線分析装置では見ることができなかった元素の化学状態変化を確認できます。この特徴を生かして、正極材となるニッケル、コバルト、マンガンおよびそれらの複合系の状態分析に対応しました。

リチウムイオン電池正極材向け化学結合状態解析システム「Xspecia」は、「正極材のリチウムイオンの移動による状態変化」を定量値(価数)で把握できる、世界で唯一の製品です。島津製作所はリチウムイオン電池の研究開発を支援することで、環境負荷の低減に寄与していきます。

新製品の特長

1. 実験室で簡便な測定が可能
「Xspecia」が一台あれば、手軽に正極材の化学結合状態評価が行えます。縦172cm、横90cm、奥行120cmという実験室に無理なく置いていただけるサイズを実現しました。

2. マンガン・コバルト・ニッケルを高精度同時測定<br> マンガン・コバルト・ニッケルを高い精度で同時に測定できます。わずかな化学結合状態の違いが分析でき、再現性にも優れています。

3. 解析までワンクリックで実現
測定条件やスペクトル、測定結果、装置状態などが一画面で表示されており、測定メニューを選び、開始ボタンをクリックすると自動的に価数が計算できます。


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