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作業機械メーカー向け汎用エンジン新型「iGX」シリーズの国内受注を開始【本田技研工業】
2019年9月10日
Hondaは、独自の回転数電子制御技術を採用した汎用エンジン「iGX」に新型のV型2気筒(Vツイン)シリーズ4モデルを追加し、今月より日本国内の各種作業機械メーカーからの受注を開始します。供給は2020年2月より順次行います。
新型iGX Vツインシリーズ※1は、ECU(電子制御ユニット)がスロットル開度を常に制御することで搭載作業機械が要求する作業回転数やアイドル回転数などを正確に保持する回転数電子制御技術「電子ガバナー※2(STR※3ガバナー)」やFI(電子制御燃料噴射)システムに加え、リモート制御も可能なDBW※4などを採用することでより複雑で高度な用途に対応するとともに、優れた燃費性能と高い作業効率を実現しています。
iGX Vツインエンジン(ホリゾンタルタイプ)の主な用途
・発電機・水ポンプ・粉砕機・エアコンプレッサー
・高圧洗浄機・建設業務用昇降機/高所作業機
iGXV Vツインエンジン(バーチカルタイプ)の主な用途
・乗用芝刈機・トラクター
なお、新型iGX Vツインシリーズは、米国ネバダ州ラスベガスで開催された商業建築機械の国際見本市「ワールドオブコンクリート2019」(2019年1月22日~25日)において発表しており、北米地域を中心に海外の各種作業機械メーカーへの供給を順次開始します。
※1 iGX800<ホリゾンタル型 総排気量779cm3、最大出力18.6 kW(25.3PS)>、
iGXV800<バーチカル型 総排気量779cm3、最大出力18.6kW(25.3PS)>、
iGX700<ホリゾンタル型 総排気量688cm3、最大出力16.5kW(22.4PS)>、
iGXV700<バーチカル型 総排気量688 cm3、最大出力16.5kW(22.4PS)>の4モデル
※2 ガバナー:回転数調整機構(負荷変動に関わらず回転数を保持する機構)
※3 STR:Self Tuning Regulatorの略。
※4 DBW:ドライブ・バイ・ワイヤ(Drive By Wire)の略
全世界 年間販売計画台数
合計 27,000台 iGXシリーズ情報公開サイト:https://www.honda.co.jp/engines/
新型iGX Vツインシリーズの主な特長
知能化を追求した独創のV型2気筒汎用エンジン
・Honda独自のSTRガバナー:ECUが常にスロットル開度と回転数を監視し、エンジンへの負荷が変化した場合でも
スロットルを最適に制御することで、設定された回転数を正確に保持します。
・FIシステム:エンジンの状態をセンサーで検知し、燃焼室に最適な量の燃料噴射を行うFIシステムを
採用することで、低燃費化と低騒音化に寄与するとともに、汎用エンジンで一般的なチョーク操作を
不要とするなど優れた使い勝手やエンジン始動性を実現します。また、燃料がインジェクターや燃料ホースに
密閉されるため燃料の劣化が小さく、長期保管(30日程度※5)後もスムーズなエンジン始動が可能です。
・DBW:操作系を全てワイヤ(電線)で接続したDBWを採用することで、リモートによる操作が可能です。
また、操作をボリュームやスイッチで行うため、メカニカル方式に比べて操作荷重が軽く的確な回転数調整が
容易に実現可能です。
※5 作業機械に搭載する燃料タンクの使用環境や条件によって変化します
作業効率
・STRガバナーにより、さまざまな搭載作業機械において負荷変動に対するスロットル開度を瞬時に自動調整し、
最適なエンジン回転数を維持することで、低燃費と1ランク上の作業効率を実現※6しています。
※6 iGXV800搭載の乗用芝刈機と最大出力20kWのエンジンを搭載した電子ガバナー非搭載の乗用芝刈機との比較。
Honda調べ
利便性&操作性
・回転数の電子制御による5種類のエンジン制御モードを設定。搭載作業機械に合わせたモードの選択を
可能とすることで、搭載作業機械の利便性と操作性を高めています。
①スタンダードモード(ボリュームモード):スロットル調整ノブで回転数を制御。
②固定回転数モード:一定回転数を維持。(搭載例:発電機)
③コミュニケーションモード:CAN通信(Controller Area Network通信規格J1939)により回転数を制御。
エンジンと操作部が離れている作業機械においても離れた場所からエンジンを制御可能。(搭載例:リフター)
④スイッチモード(2種):搭載作業機械側のスイッチ信号(リミットスイッチ等)に連動し回転数を制御。
(搭載例:チッパー、発電機、コンクリートカッター)
⑤オートスロットルモード:負荷の増減によるスロットル開度の変化に応じて自動で回転数を制御。
(搭載例:高圧洗浄機)
・通信規格 J1939に対応したCANモニタ―等の接続で、エンジンの状態の確認がリアルタイムに可能。
・スロットル開度の調整をスムーズに行える電子ボリューム式スロットル調整ノブの位置を最適化。
搭載互換性
・シャフトの位置や筐体のサイズを現行のHonda V型2気筒汎用エンジンシリーズとの
搭載互換性を考慮した設定としています。
メンテナンス性
・10種類のLED点滅パターンでエラー事象の一次診断を行うインジケーターを採用し、
メンテナンスの診断時間を短縮しています。
デザイン
・好評のHonda V型2気筒汎用エンジンシリーズのデザインを踏襲し、新機構のFIシステム搭載を強調した
高質感のあるクロームシルバーのエンブレムを採用。カラーリングは作業機械メーカーの要望に応え
パワーレッドとブラックの2タイプを設定し、搭載作業機械とのマッチングを追求しています。
新型iGX Vツインシリーズ主要諸元
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