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クアルコムテクノロジーズ社との協業により、一つのテストシステムで5Gミリ波ビーム特性の評価を実現【アンリツ】

2019年4月22日

クアルコムテクノロジーズ社がミリ波ビーム試験システムとして、MT8000AとCATRチャンバを採用

アンリツ株式会社(社長 濱田 宏一)は、クアルコム社の子会社であるクアルコムテクノロジーズ社との協業により、同社の5GモデムであるSnapdragon™ X50および、自動計測ツールと連携し、ミリ波5GモデムのBeam Characterization/Beam Verification[※1]に、業界で初めて、アンリツのラジオコミュニケーションテストステーション MT8000AおよびCATRチャンバ MA8172Aを組み合わせた一つのテストシステムで実現したことをお知らせします。

ビーム特性評価は、ミリ波に対応した5Gモバイルデバイスの開発に必須のプロセスです。従来は複数のテストシステムが必要でしたが、アンリツはこれをMT8000AとMA8172Aを組み合わせた一つのテストシステムで実現しました。

これにより、既存のソリューションと比較して、設備コスト、設置スペースの削減が可能で、更に、システム全体の校正時間を大幅に短縮できるとともに、複雑な測定条件の設定を簡単に行え、研究開発費を低減することができます。

クアルコムテクノロジーズ社の技術部門副社長であるAndre Izotov氏は次のようにコメントしています。

「アンリツとの長年にわたる協力が、ビーム検証とビーム特性評価の効率化につながったことを嬉しく思います。アンリツと当社の協業により、5Gモバイルデバイスの製品開発期間を短縮できるソリューションを生み出しています」

また、当社の執行役員計測事業本部長である徳家 努は次のように述べています。

「アンリツは、クアルコムテクノロジーズ社のようなマーケットリーダーに、最先端の測定プラットフォームを提供することによって、5Gテクノロジーの向上に取り組んでいます。アンリツは、次世代のワイヤレス技術を実現するという共通の目標を共有し、5Gエコシステムの発展に貢献していきます」

製品概要
ラジオコミュニケーションテストステーション MT8000A
MT8000Aは、RF試験[※2]、プロトコル試験[※3]、ビーム検証およびビーム特性評価を1台でサポートできるプラットフォームです。5Gチップセットや端末の開発に必要とされるNSAモード[※4]およびSAモード[※5]の基地局シミュレーション機能をサポートするとともに、Sub-6GHzにおけるデータ通信を高速化する4×4 MIMO[※6]や、ミリ波の広帯域化を実現する8CC[※7]などの最新技術にも対応しています。

また、2.5Hz、3.5GHz、4.5GHzなどのSub-6GHz帯(FR1)や、28GHz、39GHzなどのミリ波帯(FR2)のような、初期の5Gサービスで利用される主要な周波数帯をカバーしています。

さらに、様々な試験パラメータの設定が可能なRF測定ソフトウェアなど、操作性に優れたユーザインタフェースを提供しており、柔軟で効率的な試験環境を構築できます。

MT8000Aについてもっと詳しく

CATR Anechoic Chamber MA8172A
CATR Anechoic Chamber MA8172Aは、3GPP規格に準拠したCompact Antenna Test Range(CATR)方式を採用した5G NRのOTA[※8]環境における試験を、省スペースで実現可能なチャンバです。5G NRに対応したチップセット、デバイス、端末のミリ波研究開発やコンフォーマンス試験に使用できます。

用語解説
[※1] Beam Characterization/Beam Verification
5G NRでは、ビームフォーミングという、電波を送る範囲を絞り、特定の方向に向けて集中的に発射する技術が使用されるが、5G NRチップセットをUEに組み込んで使用した際の、RFフロントエンドの補正、評価を行う作業。

[※2] RF試験
携帯端末の送受信特性、パフォーマンスなどを確認するための試験。

[※3] プロトコル試験
携帯端末と基地局間の通信手順が、規格に適合していることを確認するための試験。

[※4] NSAモード
NSAはNon-Standaloneの略。4G回線でC-Plane(Control Plane:制御信号)通信を行い、5G回線でU-Plane(User Plane:ユーザーデータ信号)に特化して通信を行うネットワークで、3GPP Release 15で定義されている通信方式。

[※5] SAモード
SAはStandaloneの略。NSAとは異なり、4G回線との相互接続はせず、5G回線のみでU-Plane、C-Planeの両方の通信を行うネットワークで、3GPP Release 15で定義されている通信方式。

[※6] 4×4 MIMO
MIMOは、Multiple Input Multiple Outputの略であり、複数アンテナを使用して同時にデータを送受信し、データ通信の高速化を図った技術のこと。4×4 MIMOは、送信用、受信用で各4本のアンテナを使用したもの。

[※7] 8CC
CCはComponent Carrier(コンポーネントキャリア)の略であり、複数の帯域を束ねて通信速度を高速化する技術(キャリアアグリゲーション)における通信周波数帯域の単位。8CCは8つのコンポーネントキャリアを束ねて通信する。

[※8] OTA
OTAはOver The Airの略。空間を介して電波の送受信を行うこと。








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