ニュース
セラミックチップコンデンサ:車載対応、大容量X8R特性の積層セラミックチップコンデンサの開発、量産【TDK】
2012年4月26日
● 新たな誘電体材料の開発により、静電容量が最大で2倍
● 温度特性は、過酷な温度環境でも耐えられるX8R特性
TDK㈱(社長:上釜健宏)は、車載対応でX8R特性のTDK積層セラミックチップコンデンサを開発し、2012年4月より量産、販売を開始することを発表します。本製品は150℃という、過酷な温度環境下でも信頼性、温度特性に優れた誘電体材料を開発することで容量を拡大しました。また、従来製品対比で同一静電容量を、より小型の製品で実現し、省スペース化と部品点数の削減に貢献します。
近年、自動車は基本となる走行性能の向上に加え、快適性および安全性の面でも高機能化、多機能化が図られ、車載機器のエレクトロニクス化が大きく進展しています。また、最近では、燃費向上や二酸化炭素排出量の削減など、環境負荷低減に寄与する次世代のエコカーも世界中で大きな注目を集めています。このような状況の下、限られたスペースに搭載される電装機器は増加傾向にあり、車載用の電子部品に対する市場ニーズも、電装機器の小型化、省スペース化に貢献できる製品が求められています。
TDKでは、このような市場ニーズに対応するため、得意とする材料技術と多層積層技術を活用し、車載向け積層セラミックチップコンデンサとして必要な信頼性を維持し、小型化・大容量化を可能としました。温度特性は、X8R特性(温度範囲:-55~+150℃、静電容量変化率:±15%)としており、主に自動車のエンジンルーム内等での車載用途のほか、産業機器等で必要とされるスイッチング電源の平滑回路*向けにも適しています。
用語集
● 平滑回路:電子回路の一つで、整流された電流の中に含まれている脈流を、コンデンサなどを使用し蓄えた電荷を放出して電圧変動を抑え、よりなだらかに(平滑化)する回路
主な用途
● 自動車のエンジンルーム内の平滑回路用およびデカップリング用
● 産業用機器のスイッチング電源の平滑用およびデカップリング用
主な特長と利点
● 信頼性、温度特性に優れた誘電体材料を開発し、当社従来品よりも静電容量の範囲を最大で2倍に拡大。
● 温度特性は、X8R(温度特性 : −55~+150℃、静電容量変化率 : ±15%)
主要データ
このたびの製品開発により、16V仕様においてMAX10uF(C3225:EIA1210)、25V仕様でMAX2.2uF(C3216:EIA1206)、また50V仕様ではMAX1uF(C3216:EIA1206)が量産対応可能となります。
生産・販売計画
● サンプル価格 : 50円/個(C3216 50V 1uF)
● 生産拠点 : 秋田地区
● 生産予定 : 500万個/月(当初)
● 生産開始 : 2012 年4月
TDK㈱について
TDK㈱(本社:東京)は、各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。
主な営業品目としては、各種受動部品をはじめ、HDDヘッドやマグネットなどの磁気応用製品、電源、そしてエナジーデバイスやフラッシュメモリ応用デバイス、FA関連機器等があります。アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、現在、情報通信機器、コンシューマー製品、自動車、産業電子機器の分野において、電子部品のリーディングカンパニーを目指しビジネスを展開しています。
2011年3月期の売上は約8,800億円で、従業員総数は全世界で約88,000人です。
TDK-EPC㈱について
TDK-EPC㈱(本社:東京)はTDKのグループ会社であり、TDKの基幹事業である電子部品部門と、ドイツのEPCOS社との統合で設立された電子部品の開発・製造・販売を担うリーディングカンパニーです。日本を始め、アジア、欧州、米国の各地域に事業の拠点があり、製品ブランドとしてTDKおよびEPCOS双方の製品を扱います。
主な営業品目は、コンデンサ(積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ)、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、センサ、ピエゾおよび保護部品等であり、これらの幅広い製品群により、TDK-EPCは情報家電、通信機器、産業機器、車載機器等、世界のあらゆる市場ニーズにお応えします。
TDK株式会社ホームページはこちら