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「放熱ポリアミド樹脂」の開発について<様々な用途の熱マネジメントに適用可能な放熱ポリアミド樹脂製品群>【ユニチカ】
2019年1月9日
ユニチカ株式会社(本社:大阪市中央区 社長:注連浩行)は、高い性能要求・熱マネジメントに適用可能な放熱ポリアミド樹脂製品群を開発しました。 ユニチカの「放熱ポリアミド樹脂」は、ベース樹脂および熱伝導率の選択幅が広く、熱伝導率と物性のバランスに優れることから様々な提案が可能です。LED部材やモーター部材などの自動車分野や、電子・電気分野の熱マネジメントに寄与できるものと考えています。
1.開発背景
近年、環境意識の高まりに伴い、世界的な排出ガスの削減ニーズが高まる中、自動車業界ではハイブリッド車(HV、PHV)や電気自動車(EV)が注目され、自動車のEV化が急速に進んでいます。自動車のEV化には、限られた車載スペースに多くのモーターを搭載する必要があるため、モーターの小型化はますます進むと考えられます。さらにモーターの小型化は放熱空間の減少といった問題をもたらすため、新しい熱マネジメントが必要になると予想されます。一方でハイブリッド車や電気自動車では、燃費向上の観点から金属を樹脂に置き換えることによる軽量化は重要な課題となっており、軽量化を実現しつつ高性能化や小型化による放熱空間の減少に伴う熱マネジメントをおこなうため、高い熱伝導率を有する樹脂製品の要求が高まってきています。
以上のような軽量化かつ熱マネジメントの要求の広がりに伴う樹脂材料への要望の多様化に応じるため、当社はこれまで培った配合技術と幅広いポリアミド樹脂のラインナップを活用し、様々な性能要求および熱マネジメントに適用可能な「放熱ポリアミド樹脂」を開発しました。
2.「放熱ポリアミド樹脂」の特徴
新たに開発した「放熱ポリアミド樹脂」は、ベース樹脂に放熱フィラーを配合することで熱伝導率を付与しています。当社がこれまで培ってきた技術により、ベース樹脂が持つ本来の特徴は損なわずに高い熱伝導率を発現します。当社独自の配合技術により放熱樹脂で課題となることが多い流動性を大幅に改善したことで、一般的な射出成形機で成形可能な材料となっています。また、ベース樹脂はポリアミド6樹脂、ポリアミド66樹脂、高耐熱ポリアミド「XecoT」などの多くの種類から適宜選択できるため、様々な耐熱要求に対応可能となっています。
当社の「放熱ポリアミド樹脂」は導電タイプと絶縁タイプの2つに分かれ、それぞれに幅広い熱伝導率、耐熱性の選択が可能なことから、使用される環境に応じて様々な要求に対応することが可能です。
図1:放熱性評価
表1.放熱ポリアミド樹脂物性表
3.今後の展開について
今回開発した「放熱ポリアミド樹脂」につきましては、LED部材やモーター部材を中心としたアプリケーションに製品開発・用途開発を積極的に進め、採用拡大を目指します。
本件については、以下の展示会に出展予定です。
<第11回 オートモーティブワールド ~第9回 クルマの軽量化技術展>
日程:2019年 1月16日(水)~18日(金)
会場:東京ビッグサイト 東7ホール 小間番号E70-112(ユニチカブース内)
<本件に関するお客様のお問い合わせ先>
ユニチカ株式会社 樹脂事業部 エンプラ営業部
エンプラ第一グループ(東京) TEL:03-3246-7598
エンプラ第二グループ(大阪) TEL:06-6281-5541
エンプラ第三グループ(名古屋) TEL:052-971-3781
<本件に関する報道関係のお問い合わせ先>
ユニチカ株式会社 広報グループ
TEL:06-6281-5695
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