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高機能なバイオプラスチックの改質剤を開発するBioworks株式会社をグループ会社化【TBM】
2018年12月6日
TBM、高機能なバイオプラスチックの改質剤を開発する
Bioworks株式会社をグループ会社化
〜100%バイオ由来の新素材(改質ポリ乳酸コンパウンド)Plaxの展開を発表〜
石灰石を主原料とし、原料に水や木材パルプを使用しない紙の代替や石油由来原料の使用量を抑えたプラスチックの代替となる新素材「LIMEX(ライメックス)」を開発・製造・販売する株式会社TBM(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:山﨑敦義、以下TBM)は、高機能なバイオプラスチックの改質剤を開発するBioworks株式会社(本社:京都府相楽郡、代表取締役CEO:今井行弘、以下バイオワークス)が発行する株式を取得し、グループ会社化致しましたのでお知らせします。
■ 背景
持続可能な開発目標(SDGs)やプラスチック汚染問題の解決に向けて、企業の環境問題への対応が求められています。今年に入り、海外で使い捨てプラスチックを規制する動きが強まり、プラスチックの代替素材に関するニーズはより高まっています。日本でも年内に大枠が取りまとめられる「プラスチック資源循環戦略」の素案において、植物などを原料にした環境に優しいバイオ(非石油)素材の国内利用を、2030年までに13年度の7万トンから約200万トンに拡大する数値目標が明記されました。TBMは、それらのソリューションとなり得るバイオ由来の生分解性樹脂の需要の拡大を見込み、今年の5月に開催されたBrussels SDG Summit 2018(主催:CSRヨーロッパ)のパートナーとなり、主原料の石灰石とバイオ由来の生分解性樹脂から構成される「生分解性LIMEX」を発表しました。TBMでは、使い捨てプラスチックの代替製品を作る際、LIMEXにマイノリティ成分として含まれる石油由来樹脂をバイオ由来の生分解性の樹脂に置き換えることを、重要な開発テーマとして位置付けています。
■ グループ会社化の目的
TBM では、100%非石油由来で、且つ自然環境中で生分解し、万が一流出しても環境に無害な生分解性LIMEX の開発を目指しています。その第一歩として、100%バイオ由来であり、コンポストで生分解可能なPLA 樹脂に注目しました。しかし、PLA 樹脂は硬くて脆い、耐熱性が低い、成型が難しいといった課題があり、そのままではPLA 樹脂に石灰石(炭酸カルシウム)を高充填して製品化することは出来ません。そこで、バイオ由来で且つ生分解性の改質剤技術を持つバイオワークスと共に開発に取り組んで参りました。その結果、PLA 樹脂に石灰石を高充填し、シートや成形品を開発する目途がついて参りました。
バイオワークスは、PLA 樹脂の改質方法や耐熱性向上の特許を日米欧で登録済であり、且つ実用化しています。TBM は生分解性LIMEX の開発を加速し、スピーディに上市すると共に、バイオワークスの改質剤を用いた100%バイオ由来で生分解可能なPLA 樹脂・製品の展開のために、バイオワークスに対して資本参加することに致しました。
■ Plax(改質ポリ乳酸コンパウンド)について
バイオワークスは、基材として生分解性(コンポスト環境下)とカーボンニュートラルという2 つの特性を持つ、PLA 樹脂を使用しています。PLA 樹脂はそのままでは成形性や耐熱性などに課題があり、石油由来の樹脂を混ぜなければ製品化が困難でしたが、バイオワークスでは100%バイオ由来のPLA 樹脂の改質剤を開発し、石油由来のプラスチックと同等の性能を持つバイオプラスチック、Plax(改質ポリ乳酸コンパウンド)の開発に成功しました。100%バイオ由来のPlax は、耐熱性、強度、柔軟性等において、他に類を見ない高機能な素材です。
Plax は従来のポリ乳酸に比べて、以下の改質技術を有しております
Plax は全く新しい結晶化促進機構により、結晶化速度を大幅に向上させることに成功しました。汎用樹脂と同様の成形サイクルでの加工が可能になります。また水温調節可能な100℃以下の金型での成形が出来るため、製造現場を選びません。Plax を幅広く展開するため、以下の用途でのコンパウンドを提供して参ります。
■ Plax(改質ポリ乳酸コンパウンド)の用途
・射出成形⽤コンパウンド
用途:自動車・OA機器・家電・日用品・雑貨など
耐熱性・耐衝撃性・柔軟性・難燃性・耐久性などあらゆるニーズに対応した成形用材料を提供します。
・ブロー成形⽤コンパウンド
用途:⾃動⾞(エアロパーツ等)・ボトル・マネキン
破裂や白化することなく透明性を保ったまま耐熱ボトルをインジェクションブロー成形することが可能です。ドローダウンすることなく大型のダイレクトブロー成形も行えます。
・繊維⽤コンパウンド
用途:自然素材繊維製品
強度・伸度ともにポリエステルと同等レベルを有し、伸縮復元はポリエステルの約1/10です。ナイロン樹脂並みの生産性と、製造工程における安定した糸の細さを保証します。弱酸性で抗菌性を備えた肌にも優しい繊維です。
・フィルム・シート⽤コンパウンド
用途:弁当容器・コーヒーカップ蓋
食品容器の上蓋等に使用されるPET・OPS同等の透明性を維持しながら、より高い耐熱性(140℃)を実現しています。低温での耐衝撃性も高く、PPの置換も可能です。また、バイオ由来の樹脂であるため環境ホルモンへの懸念もありません。
■ 今後の事業シナジーの創出に向けて
石灰石にPlaxを混ぜ合わせた生分解性LIMEXは、バイオ由来の生分解性樹脂であるPLA樹脂の硬さ・脆さ、成型生、耐熱等の課題を石油由来樹脂に頼らずに解決することが可能です。また、これまで生分解性樹脂はコスト高であったため普及しませんでしたが、生分解性樹脂の中では比較的安価なPLA樹脂を使用し、且つ安価な石灰石(炭酸カルシウム)を50%以上配合することで、さらなるコストダウンを実現することができます。
TBMとバイオワークスは、今後、生分解性LIMEXを用いた包装材、真空成形品(カップ、食品トレー等)を開発し、19年度早期のローンチを目指します。
また中長期的には、コンポストで生分解可能なPLA樹脂ベースの生分解性LIMEXを超えて、土壌や海洋中でも生分解する生分解性LIMEXの開発を進めて参ります。
■ 株式取得の相手先の概要
TBM はOUVC1 号投資事業有限責任組合の他、個人株主7 名から株式を取得いたします。
■ 新素材「LIMEX(ライメックス)」について
[ LIMEXとは ]
・ LIMEXは炭酸カルシウムを50%以上含む、無機フィラー分散系の複合材料であり、日本発の新素材。
・ 2013 年、経済産業省のイノベーション拠点立地推進事業「先端技術実証・評価設備整備費等補助金」に採択。
・ 2014 年、国内特許を取得。現在、日中米欧を含む20か国以上で登録済。
・ 2015 年、宮城県白石市に年産 6,000 トンの LIMEX を製造する第一工場を建設。
・ 2016 年、米国シリコンバレーの「Plug and Play」で初の 『世の中に最も社会的影響を与える
企業ソーシャルインパクトアワード』を受賞
・ 2017 年、「第7回日米イノベーションアワード」において『イノベーション・ショーケース』を受賞
[ 紙の代替として ]
・ 通常、普通紙1トン生産する場合、樹木を約 20 本、水を約 100 トン使うが、LIMEX は原料に木や水を使用せず、石灰石 0.6~0.8 トンとポリオレフィン約 0.2~0.4 トンから LIMEX の紙代替製品(LIMEXシート)1トンを生産可能。
※国内の製紙業界においては、単に伐採するだけでなく海外で植林活動を実施。
※使用済みの LIMEX の紙代替製品を廃棄する場合は可燃ごみ扱い。(古紙回収に出さない)
[ プラスチックの代替として ]
・ 従来のプラスチックの原料は石油由来樹脂 100%であるが、LIMEX では主原料が石灰石であり、
石油由来樹脂の使用量を大きく削減可能。
・ LIMEXは、石灰石を主原料に石油由来樹脂と構成されているが、石油由来樹脂を100%バイオ由来、
かつ生分解性の素材に置きかえた生分解性LIMEXの検討を開始。
・ 単価の安い石灰石を主原料とすることで価格競争力を有する。
・ LIMEX の印刷物等のリサイクル材から、LIMEX 製のプラスチック成型品(LIMEXペレットを加工)を
製造することが可能。(LIMEXのアップサイクル)
[ 資源としての石灰石の埋蔵量 ]
・ 日本でも 100%自給自足できる資源。世界各地の埋蔵量も豊富で、ほぼ無尽蔵。
■ 株式会社TBM
代表取締役CEO :山﨑 敦義
本社 :東京都中央区銀座 2-7-17-6F
設立 :2011 年
資本金 :91 億 9,480 万円(資本準備金含む)/ 2018 年 11 月時点
事業内容 :LIMEX 及び LIMEX 製品の開発・製造・販売
URL :https://tb-m.com/limex
■ Bioworks株式会社
代表取締役CEO :今井 行弘
本社 :京都府相楽郡精華町光台一丁目 7 けいはんなプラザ ラボ棟 7F
設立 :2015 年
資本金 :3億 957 万円(資本準備金含む)/ 2018 年 11 月時点
事業内容 :ポリ乳酸の改質、ポリ乳酸の改質剤販売、Plax(改質ポリ乳酸コンパウンド)の販売
URL : http://bioworks.co.jp
*本ニュースリリースに記載された会社名および商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
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