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電気自動車向けリチウム空気電池のイノベーションを促進【日本アイ・ビー・エム】

2012年4月20日

IBMリサーチ、材料分野の新パートナーと共にBattery 500プロジェクトを強化
旭化成、セントラル硝子、
電気自動車向けリチウム空気電池のイノベーションを促進

[米国カリフォルニア州サンノゼ、2012年4月20日(現地時間)発]

IBM(NYSE:IBM)は本日、業界のリーダー的企業である旭化成㈱(以下旭化成)とセントラル硝子㈱(コード番号4044、以下セントラル硝子)の2社がIBMのBattery 500プロジェクト・チームに加わり、自動車の主要エネルギー源をガソリンから電気へ加速的に転換させる可能性をもつ遠大な研究に共同で取り組む、と発表しました。

2009年、IBMリサーチは、ファミリー・サイズの電気自動車が1回の充電で約500マイル(800キロメートル)走行することを可能にするリチウム空気電池の開発を行う、新しい持続可能なモビリティー・プロジェクトを立ち上げました。

旭化成およびセントラル硝子は、Battery 500プロジェクトのパートナーとして、各社が長年にわたって培ってきた自動車業界向けの材料のイノベーションを当プロジェクトに持ち寄ります。実用化までには壮絶な科学面・エンジニアリング面のハードルが立ちはだかっています。その成功の可能性を高めるために、2社は当プロジェクトの研究範囲を拡大して、複数の化学的分野の探求を並行して推進します。

日本を代表する化学メーカーの1社であり、リチウムイオン電池用セパレータで高いシェアを有する旭化成は、これまで培ってきた膜開発技術を生かし、リチウム空気電池の重要な構成要素部品を開発します。
自動車用リチウムイオン電池向け電解液を世界市場向けに生産しているセントラル硝子は、当分野における化学的知見を生かし、リチウム空気電池の性能を向上させることに主眼をおき、新種の電解液および高性能添加剤を開発します。

リチウムイオン電池を搭載した今日の電気自動車の大半は、一回の充電で走行可能な距離は約100マイル(160km)であり、電気自動車普及の大きな障壁となっています。手ごろな価格で軽量、コンパクト、そして典型的なファミリー向け自動車が、1回の充電で数百マイル走行するだけの電気容量を蓄えられる新しいバッテリー技術の開発が求められています。

今日のリチウムイオン電池を搭載した電気自動車が、燃料を満タンにしたガソリン自動車に匹敵するだけの距離を走行可能にするには、非常に大きなバッテリーが必要となりますが、そうすると自動車の重量は増し、多大なスペースを占有してしまいます。リチウム空気電池は、その軽量な陰極と大気中にある酸素を主燃料とする構造により、リチウムイオン電池に比べてより高いエネルギー密度を有しています。電気自動車を広く普及させるには、既存のリチウムイオンバッテリーの10倍以上のエネルギー密度が必要とされており、今回の新しいパートナーのBattery 500プロジェクトへの参加は、リチウム空気電池技術をその目標達成に向け推進する大きな力添えになるものです。

なお、当研究は、米国カリフォルニア州サンノゼにあるIBMアルマデン研究所で行われます。

The Battery 500 Project について

自動車の主要エネルギー源をガソリンから電気へ転換することは、21世紀前半における最も重要な技術転換の1つとなるでしょう。このニーズを認識したIBMアルマデン研究所の研究員は、2009年、1回の充電で500マイルの走行を可能にするリチウム空気電池の開発を行うBattery 500プロジェクトを立ち上げました。IBMアルマデン研究所およびIBMチューリッヒ研究所双方で行っている化学、物理、ナノテクノロジー、スーパーコンピューティング・モデリングといった科学技術全域におけるIBMのリーダーシップを活用し、国立研究機関を含む他の共同研究協力者と連携して、本Battery 500プロジェクトは推進されます。

当報道資料は、IBM Corporation が2012年4月20日(現地時間)に発表したプレスリリースの抄訳です。
http://www.ibm.com/press/us/en/pressrelease/37511.wss


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