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耐加水分解性ポリエステルのポートフォリオを拡充【BASFジャパン】
2018年8月1日
(この資料は BASF本社(ドイツ)が 2018年7月9日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。)
●加工性が向上し、高い流動性を備える次世代のUltradur® HR
● 電気自動車部品向けに初のオレンジ色グレード
エレクトリックモビリティや自動運転の発展を実現する、高効率なセンサーに対する自動車業界からの需要が増大しています。そこでBASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)は、耐加水分解性の熱可塑性ポリエステル製品群の拡大を進めてきました。今回BASFが拡充したUltradur®(ウルトラデュアー)HR*グレードは、特に流動性が高くレーザーマーキング対応で、ガラス繊維を30%配合して強化したグレードの「Ultradur® B4330 G6 HR High Speed」、ガラス繊維を50%配合して高度に強化したグレードの「Ultradur® B4330 G10 HR」、加工特性を最適化した次世代グレードの「Ultradur® B4331 G6 HR」の3つです。Ultradur® B4331 G6 HRは、無着色グレードのほか、レーザーマーキング対応バージョンの黒、電気自動車部品用のオレンジ色で提供します。
BASFは、Ultradur® HRの各種グレードで、厳しい環境での使用に最適な、強力な耐性を備えたPBT材料(PBT= ポリブチレン・テレフタレート樹脂)を提供しています。これらは自動車部品の耐用年数を延長し、優れた動作信頼性を実現します。また、これらのHRグレードでは、応力腐食割れを引き起こすアルカリ媒体への耐性が大幅に強化されています。これは溶融安定性と流動性が大幅に向上された、新しいUltradur®B4331 G6 HRグレードにも共通しています。試験で長い滞留時間と高温にさらされても粘度が一切上昇しないUltradur® B4331 G6 HRは、容易で安定した加工に最適な基礎原料です。このグレードは、電気自動車の高電圧プラグインコネクタの製造向けに、オレンジ色に着色できます(RAL 2003)。PBTとしては耐トラッキング性が非常に高いため、プラグインコネクタをさらに小型化し、電気自動車の高電圧にも耐えることが可能です。それがコスト削減と、コンポーネントの軽量化を実現します。
ガラス繊維を30%配合して強化したグレードとして販売されているUltradur® 4330 G6 HRシリーズに、特に流動性が高く、レーザーマーキング対応のUltradur® B4330 G6 HR High Speed bk15045が加わりました。このグレードを使用すると、薄肉部分へより簡単に流動するため、薄壁部品を容易に製造できます。
新たなUltradur® B4330 G10 HRは、ガラス繊維を50%配合して強化したグレードです。そのため、チャージエアダクト内のステアリングモジュールのような、湿度や高温(160°C、短時間の場合は最大180°Cまで)にさらされても高い剛性を維持する部品に加工できます。このグレードは、通常140°Cから180°Cの温度帯で用いられているポリフェニレン・スルファイド(PPS)の特性と、ほぼ同じ水準です。
BASFは特定の自動車用途のために、Ultradur® B4450 G5 HRを開発しました。このPBTはガラス繊維を25%配合して強化しており、RoHS指令(電気電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する指令)を遵守すると同時に、難燃性でもあります。鮮やかな色への着色、レーザー印刷も可能です。VDA 278排出量試験では低いフォギング値を示しており、車の内装やコントロールユニットの筐体への使用にも適しています。この材料は、耐加水分解性と難燃性、高い耐トラッキング性、低い煙濃度を実現しました。従来のドライブトレインよりも安全性要件が高く、はるかに高電流な電気自動車にも、こうした特性が適しています。
市場投入以来、BASFはガラス繊維を15%、30%、50%と配合して強化し、特に流動性が高いもの、耐衝撃性を高めたもの、レーザーマーキング対応のもの、レーザー透過性のあるもの、難燃性のものなど、耐加水分解性を高めたUltradur®グレードを10種類以上開発してきました。主に自動車エレクトロニクス、つまり電気自動車の高圧電路におけるコントロールユニットの筐体、コネクタ、センサーだけでなく、充電プラグ、電池スタックの筐体やコネクタなどにご利用いただけるグレードです。
詳細につきましては、Ultraplaste-Infopoint ( ultraplaste.infopoint@basf.com)(英語)までご連絡いただくか、 www.ultradur.de(英語)をご覧ください。
*HRはHydrolysis-Resistant(耐加水分解性)の略
※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。
BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業部について
BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部は、材料のノウハウを一つに融合し、革新的でカスタマイズされたプラスチック関連製品とサービスを提供します。本事業部はトランスポーテーション、建築・建設、インダストリアルアプリケーション、消費財という4つの主要産業部門で世界的に事業を展開しており、強力な製品・サービスポートフォリオを備え、アプリケーション志向のシステムソリューションを深く理解しています。収益性と成長を促進させている主な要素は、お客様との緊密な連携と、明確なソリューション重視の姿勢です。研究開発の点でも高い能力を有しており、それが革新的な製品やアプリケーションを開発する基盤となっています。2017年、パフォーマンスマテリアルズ事業本部は、世界で77億ユーロの売上高を達成しました。詳細に関しては、 www.performance-materials.basf.com をご覧ください。
BASFについて
BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く、世界をリードする化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で115,000人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。製品ポートフォリオは化学品、高性能製品、機能性材料、農業関連製品、石油・ガスの5つの事業部門から成ります。2017年のBASFの売上高は約645億ユーロでした。BASFは、フランクフルト(BAS)、ロンドン(BFA)およびチューリッヒ(BAS)の証券取引所に上場しています。BASFの詳しい情報は、 www.basf.comをご覧ください。
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