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リチウムイオン電池の電解液用材料の製造・販売等に関するライセンス契約を締結【日立化成】
2018年6月4日
リチウムイオン電池の電解液用材料の製造・販売等に関するライセンス契約を締結
日立化成株式会社(本社:東京都千代田区、執行役社長:丸山 寿、以下、日立化成)はこのたび、Silatronix, Inc.(本社:米国ウィスコンシン州、Chief Executive Officer:Mark Zager、以下Silatronix)との間で、同社が特許を保有する電解液用材料のオルガノシリコン化合物*1の製造・販売・使用等に関するライセンス契約を締結しました。Silatronixのオルガノシリコン化合物を添加剤として用いた電解液と、当社のリチウムイオン電池用負極材*2を組み合わせることで、電池の長寿命化および高温での貯蔵安定性*3の向上を可能にします。日立化成は電池の性能評価等を今後さらに進め、電解液用添加剤の事業化を検討します。
リチウムイオン電池の市場は、米国カリフォルニア州のZEV(Zero Emission Vehicle)規制強化や欧州のCO2排出規制強化等の社会的な動きを背景として、今後車載用でのさらなる拡大が予想され、2025年度の世界市場(車載用)は2016年度(約40GWh(ギガワットアワー))の5倍を超えることが見込まれています*4。
日立化成はリチウムイオン電池材料のラインアップ拡充を図るべく、2016年からSilatronixのオルガノシリコン化合物を添加剤として用いた電解液と、日立化成のリチウムイオン電池用負極材を組み合わせた電池の性能評価を実施しており、これらを組み合わせることで、リチウムイオン電池に必要な高いエネルギー密度*5を維持しつつ、電池の長寿命化および高温での貯蔵安定性の向上に効果があることが分かりました。
日立化成は今回のライセンス契約を機に、Silatronixのオルガノシリコン化合物を添加剤として用いた電解液と当社のリチウムイオン電池用負極材料を組み合わせた電池の性能評価等をさらに進め、電解液用添加剤の事業化を検討するなど、リチウムイオン電池材料事業の拡大を図ります。
*1 シリコン原子を有する有機化合物
*2 電池の負極を作る材料
*3 高温条件下に電池を保管した場合も、電池の膨張や電気抵抗の上昇が少ないこと。
*4 出典:(株)矢野経済研究所 講演会「リチウムイオン電池部材市場の現状と将来展望」 資料(2017年4月7日)
*5 単位重量当たりに蓄えられるエネルギー量。同じ重さの電池の場合、エネルギー密度が高いほど車の走行距離は増加する。
社名:Silatronix, Inc.
本社:米国ウィスコンシン州
設立:2007年
Chief Executive Officer:Mark Zager
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