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第68回自動車技術会賞受賞について【マツダ】

2018年5月23日


 マツダ株式会社(以下、マツダ)は、「第68回自動車技術会賞」において、マツダの技術者が「G-Vectoring Control(G-ベクタリング コントロール)」で「技術開発賞」、エンジン燃焼室内の壁面熱伝達に関する研究で「浅原賞学術奨励賞」を受賞したことを発表しました。

「自動車技術会賞」は1951年に自動車工学および自動車技術の向上発展の奨励を目的に設けられ、公益社団法人自動車技術会より、自動車技術における多大な貢献・功績を認められた個人に贈られます。技術開発賞は、自動車技術の発展に役立つ新製品または新技術を開発した個人およびその共同開発者が対象で、マツダ社員が「技術開発賞」を受賞するのは7年連続です。今回受賞した技術、技術者および受賞理由*1は次の通りです。

■技術開発賞

受賞対象: エンジンとシャシーの協調によるG-Vectoring 制御車両の開発

受賞者:  梅津 大輔(うめつ だいすけ)  マツダ株式会社 車両開発本部 操安性能開発部
     高原 康典(たかはら やすのり) マツダ株式会社 統合制御システム開発本部 電子基盤開発部
     砂原 修(すなはら おさむ)   マツダ株式会社 統合制御システム開発本部
     山門 誠(やまかど まこと)*2   神奈川工科大学
     高橋 絢也(たかはし じゅんや)*2 株式会社日立製作所

受賞理由: 本技術は、ドライバーのハンドル操作情報に基づいたエンジン駆動トルク制御によって、
      これまでの自動車では別々に制御されていた前後方向と横方向の運動を滑らかに統合する世界初の
      車両運動制御システムである。車両のロール-ピッチ姿勢を一貫させ、4輪のタイヤ接地荷重を
      最適化することでドライバーが運転しやすい車両特性を実現した。本システムによって
      ライントレース性能が大きく向上し、ドライバーのハンドル修正操作が減少するとともに、
      運転における疲労を低減することができる。また、連続的な加速度ベクトル変化によって
      乗員の体の揺れも低減し、快適な乗り心地を実現できる。市街地の直進走行から緊急回避シーンに
      至るまで一貫した制御効果を発揮するという点において、横運動のみを制御対象としてきた従来の
      シャシー技術とは一線を画す領域横断のブレークスルーを実現した点が高く評価される。

浅原賞学術奨励賞は、自動車技術に関する優秀な論文等を発表した将来性のある新進の満37歳未満の個人が対象となります。

■浅原賞学術奨励賞

受賞対象: エンジン筒内流動場における壁面熱伝達の研究(第1報)壁面熱伝達現象の解明

受賞者:  原田 雄司(はらだ ゆうじ)
      マツダ株式会社 技術研究所

受賞理由: エンジンの冷却損失を予測する壁面熱伝達モデルは、従来、開発現場で活用可能な計算負荷に
      抑えるため、発達した壁乱流を仮定したモデルが使われてきた。
      しかし、近年の研究でエンジン燃焼室内では、壁乱流が未発達な流動場が存在することが
      明らかになってきた。本研究では、エンジン筒内を模擬した流れを急速圧縮膨張装置で再現し、
      壁近傍の流動特性と壁面熱伝達量との関係を分析した。
      その結果、壁乱流が未発達な流動場においても高精度かつ低計算負荷で冷却損失を予測できる
      考え方を新たに構築できた。従来、壁乱流が発達していない流動場においては、計算負荷と
      冷却損失予測精度はトレードオフの関係にあったが、これをブレークスルーした意義は大きく、
      自動車用内燃機関の性能予測精度向上と新技術の創出において、受賞者の今後の活躍が期待される。

マツダは、今回の受賞を励みに、将来においても「地球」、「社会」、「人」とクルマが共存する世界の実現を目指し、「走る歓び」にあふれたカーライフを通じて、お客さまの人生をより豊かにし、お客さまとの間に特別な絆を持ったブランドになることを目指してまいります。

*1 公益社団法人自動車技術会発行の第68回自動車技術会賞 受賞者発表用パンフレットより引用
*2 「G-Vectoring Control」に関する共同開発者 敬称略

【ご参考】
■公益社団法人 自動車技術会
http://www.jsae.or.jp
■マツダ技報(マツダオフィシャルウェブサイト)
http://www.mazda.com/ja/innovation/technology/gihou/

 

 

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