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DLP技術が照らす自動車ヘッドライトの未来【日本テキサス・インスツルメンツ】
2018年1月22日
今日の自動車には、革新的な技術が詰め込まれています。先進的なヘッドアップ・ディスプレイ(HUD)から電動クローザ・システム、映画館と同品質のリア・エンターテイメント・システムにいたるまで、電子機器がもたらす快適さは質と量の両面で、著しく向上しています。
重要な車載システムの一つであるヘッドライトは、急速な技術的変化の真っ只中にあります。従来のハロゲンやキセノン電球はLED光源に置き換えられ、さらにAFS(アダプティブ・フロントライティング・システム)やADB(配光可変ヘッドランプ)技術の登場により、ヘッドライトはさらに大きな飛躍を遂げるでしょう。
プログラム可能で高解像度の新しい自動車ヘッドライト・システムは、ハイエンドのセンサとプログラマブル・コントローラを備え、ヘッドランプを水平にしたり、旋回したりすることができ、車両の前方に明るい光を投射する以上のことが可能になります。AFSとADB技術により、ヘッドランプはより明るくシャープになるだけでなく、よりスマートになるのです。
雨の降る、暗い郊外の、斜めに傾いた急カーブを今まさに曲がろうとしている場面を想像してみてください。従来のヘッドライトでは、車両の前方しか照らすことができません。しかし、AFSとADB技術を用いることで、運転者の視点とともに向きを変えるインテリジェントなヘッドライトの開発が可能になります。これは、カーブに沿って、より正確に光源の向きを変えることで、運転中に照らしてほしい場所を明るくしてくれることを意味します。
また多くの運転者は、前から来る自動車のライトが眩しくて、前方が見えづらくなった経験があると思います。しかし、そもそもヘッドライトの目的は明るく照らすことなのですから、これは運転者の責任ではありません。
ADB技術の登場により、近い将来、ヘッドライトの光線の形を変えることで、対向車や歩行者が眩しい思いをしなくて済むようになります。言い換えると、将来のヘッドライトは必要なところだけを照らすことになるのです。
では、このAFSおよびADBソリューションへの移行を推進する原動力は何でしょうか?まずは自動車メーカーが現在のヘッドライトの能力は必ずしも運転者や歩行者のニーズに合致していないことを理解する必要があります。昨年、IIHS-HLDI(Insurance Institute for Highway Safety Highway Loss Data Institute)は業界で初めてヘッドライトのランク付けを行い、多くの機能が改善の余地があることを発見しました。
新しいAFSおよびADBソリューションの技術的能力は、暗がりを照らす以上の機能を提供します。この新しいヘッドライトの柔軟性に優れたフォームファクタにより、自動車の設計者は今後数年で新しいクリエイティブな選択肢を得られることになります。
自動車の世界に明るい未来をもたらすために、TIは、より柔軟性に優れた強力なヘッドライトを実現する広範な技術を開発していきます。
参考情報
● TIの革新的なアナログおよび組込み処理ポートフォリオの詳細について:ボディ・エレクトロニクスおよび照明シス
テムを設計
● DLP技術:高解像度ヘッドライトやHUDなどの車載アプリケーション
● ブログ記事:高解像度ヘッドライト用DLP技術について(英語)
※上記の記事はこちらのBlog記事(2018年1月10日)より翻訳転載されました。
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