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ポーランドにディーゼル車排ガス浄化用セラミックスの工場を新設【日本ガイシ】

2012年3月5日

国内外6カ所の生産拠点で370億円を投資、生産能力を40%増強

日本ガイシ㈱(社長:加藤太郎、本社:名古屋市)はこのほど、ポーランドの製造子会社NGKセラミックスポーランド(ポーランド・シロンスク県グリヴィツェ市)でディーゼル車排ガス浄化用大型触媒担体「大型ハニセラム」の新工場を建設することを決定しました。また、NGKセラミックスポーランドの炭化ケイ素(SiC)製ディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)の生産設備も増強します。

主要客先との間でディーゼル車の排ガス浄化用セラミックスの長期供給契約の目処が得られたことから、ポーランドを含む国内外6カ所の自動車排ガス浄化用セラミックスの生産拠点で総額約370億円を投資して生産能力の増強を進めます。一連の投資により、コージェライト製排ガス浄化用セラミックスの生産能力を段階的に拡大し、2013年度末までに約40%引き上げます。


大型ハニセラムの新工場は、NGKセラミックスポーランドの乗用車用SiC製DPFを生産する工場に隣接する用地に建設し、生産開始時期は2014年1月、生産能力は標準品換算で120万個(ハニセラム換算で800万個)を計画しています。また、NGKセラミックスポーランドのSiC製DPFの生産設備を一部増強し、生産能力を2013年度までに現在より約20%引き上げます。

世界的なディーゼル車排ガス規制の強化や新興国を中心とした自動車販売台数の増加などにより排ガス浄化用セラミックスの需要は拡大する見込みです。当社は、ディーゼルエンジンや大型車、乗用車、建設機械などの主要メーカーへの長期供給契約に確実に対応するため、各地域や各製品の需要動向に合わせて国内外の生産拠点で総額約370億円の設備投資を行い、安定供給できる体制を構築します。ポーランド以外の各拠点での増産計画と製品の概要は以下の通りです。

排ガス浄化用セラミックスの主な増産計画(NGKセラミックスポーランドを除く)

1. 日本ガイシ石川工場(石川県能美市)
・設備投資内容:大型ハニセラム、コージェライト製DPF生産設備新設
・生産開始時期:2013年7月

2.NGK(蘇州)環保陶瓷有限公司(中国江蘇省蘇州市)第8次投資
・設備投資内容:ハニセラム、大型ハニセラム、コージェライト製DPF生産設備増設
・生産開始時期:2012年8月

3.NGKセラミックスメキシコ(メキシコ・ヌエボレオン州シエネガ・デ・フローレス市) 第2、第3次投資

・設備投資内容:大型ハニセラム、コージェライト製DPF生産設備増設
・生産開始時期:2013年3月

4.NGKセラミックスインドネシア(インドネシア・西ジャワ州ブカシ県)第5次投資

・設備投資内容:ハニセラム、大型ハニセラム生産設備増設
・生産開始時期:2013年4月

5.NGKセラミックスUSA(米国ノースカロライナ州モアーズビル市)第5次投資

・設備投資内容:ハニセラム生産設備増設
・生産開始時期:2014年1月

各製品の概要

1ガソリン車排ガス浄化用触媒担体「ハニセラム」
自動車の排ガス中に含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)などの有害成分を浄化する触媒の担体として使用されます。

2ディーゼル車排ガス浄化用大型触媒担体「大型ハニセラム」

コージェライト製で、トラックやバスなどの大型商用車のディーゼルエンジン排ガス中に含まれるPM(粒子状物質)を除去する酸化触媒やNOxを除去するSCR触媒(選択還元触媒)の担体として使用されます。

3コージェライト製ディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)
ハニセラムの両端を交互にふさぐことで、セラミックスの薄壁をフィルターとして使用し、排ガス中の粒子状物質(PM)を除去します。炭化ケイ素(SiC)製に比べて比重が軽く、大型化しても軽量なため、主にトラックなどの大型車両に使用されます。

4炭化ケイ素(SiC)製ディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)

コージェライト製に比べて耐熱性に優れ、より多くのPMを捕集して燃焼させることができるため、主に乗用車に使用されます。


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