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西日本旅客鉄道㈱「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」向けに新開発の小型ハイブリッド駆動システムを納入【東芝】
2017年6月16日
西日本旅客鉄道㈱「TWILIGHT EXPRESS 瑞風(みずかぜ)」向けに
新開発の小型ハイブリッド駆動システムを納入
当社は、西日本旅客鉄道㈱(以下、JR西日本)の新型寝台列車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」(以下、「瑞風」)1編成10両向けに、新開発の小型ハイブリッド駆動システムを納入しました。本システムを搭載した「瑞風」は、6月17日に運行が開始される予定です。
「瑞風」は、「美しい日本をホテルが走る。~上質さの中に懐かしさを~」をコンセプトに、京都、松江、出雲、宮島といった西日本の歴史や文化、自然を巡る新たな寝台列車です。架線のない非電化区間も走行するため、ディーゼル発電機で発電した電力とバッテリーアシストによるハイブリッド駆動システムが採用されています。
駆動システムは、一般的に車両の床下に搭載されますが、「瑞風」では、寝台列車特有のシャワー用水タンクなどの機器類も搭載する必要があり駆動システムの搭載スペースが限られることから、システムの小型化が求められていました。そこで当社は、JR西日本と共に開発を進め、駆動システムのうち、モーターとバッテリーの制御を行う主変換装置について、鉄道向けの半導体に比べ低圧の自動車等向けパワー半導体を採用するとともに、従来の空冷方式に比べて装置外側の冷却フィンの設置が不要な水冷方式を採用することで、小型・軽量化を実現しました。小型化により、主変換装置を屋根上のスペースに設置することが可能となり、車両デザインに影響を与えず、「瑞風」のコンセプトである上質な車両デザインの実現に貢献しました。
バッテリーには当社製リチウムイオン二次電池「SCiB™」を採用しました。ブレーキ時に発生する回生電力を充電し、加速時にこの電力を使うことで、エネルギーを効率的に使用し燃費を向上させ、高い環境性能の実現に貢献します。また、モーターは、全閉構造により低騒音化と内部清掃を不要としてメンテナンスの簡素化を実現しています。
当社は、今後も鉄道車両用の機器およびシステムの開発を進め、安全性と利便性の追求に加え、個々の鉄道のコンセプトに沿った鉄道システムを展開していきます。
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