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世界トップレベルの検知性能、車載用新型「周辺監視レーダ」の本格量産を開始【古河電気工業】

2017年1月31日

世界トップレベルの検知性能、車載用新型「周辺監視レーダ」の本格量産を開始
〜将来の自動運転システムの実現にも大きく貢献〜


古河電工グループの古河AS㈱(本社;滋賀県、社長;柴田勝美、以下、当社)は、次世代自動車に求められる先進運転支援システム(ADAS;Advanced Driver Assistance System)で必須となる「周辺監視レーダ」の開発に日本で初めて成功し、新型「マツダCX-5」向けに本格量産を開始しました。
今回開発した「周辺監視レーダ」は、パルス方式(注1)を採用することで、多彩な環境下で対象物を正確に認識可能であり、さらに測角方式(注2)を工夫することで、データの安定性を高めており、世界トップレベルの検知性能と安定性能を誇ります。

背景

近年、自動車の安全に対する意識の高まりにより、各種センサの実用化が急速に進んでいます。自動車の安全技術は、事故発生を未然に防ぐ衝突回避、軽減対策へと進化しており、その中でもドライバーの安全運転を助けるためのADASは、将来の自動運転にも繋がるものと期待されています。

この各種センサとして、悪天候時でも車両後方や死角の障害物を検知することが可能で、車両の安全確保に有効な「周辺監視レーダ」への期待が高まっていますが、多彩な環境下で正確に検知するためには多くの課題が残されていました。

 

内容

このたび当社は、世界トップレベルの検知性能と安定性能を有する「24GHz(ISM 帯)後方周辺監視レーダ」の開発に成功し、本格量産を開始しました。「周辺監視レーダ」は、これまで欧州製が大きなシェアを占めていましたが、日本製としては初の量産化であり、車両の開発段階から柔軟な対応が可能となりました。本製品は、本年2月発売の新型「マツダCX-5」に採用されています。

今回、開発に成功した「周辺監視レーダ」は、古河電工グループが有する大容量光通信用機器や不感地対策システムなどで長年培われた信号伝送技術や高周波技術を結集・応用した製品です。今後とも検知性能、安定性などの向上に取り組むと共に様々な車種に提案することで、2020年度の「周辺監視レーダ」関連の売上高100億円を計画しています。

(注1)パルス方式;
パルス波を送信し、その受信波を検知することで、距離と相対速度を検知する方式。
(注2)測角方式;
比較的広い角度範囲を高い角度分解能で計測が必要とされる水平方向測定機能実現のための方式。ビーム切替方式、フェーズドアレー方式、デジタルビームフォーミング方式、モノパルス方式等がある。

特徴

車載用レーダは、「FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave:周波数変調連続波)方式」(注3)が一般的ですが、車両や自転車、歩行者などを正確かつ同時に検知するため本製品は「パルス方式」を採用しました。また、測角方式として、4ビームの位相情報から角度を算出するデジタルビームフォーミングを採用することで、更にデータの安定性も高めています。

1.高い分離性能
「FMCW 方式」は周波数をベースに距離と相対速度を検知する方式であり、強反射物でターゲットの受信信号が埋もれてしまう懸念があるのに対して、「パルス方式」は距離と相対速度を時間軸、周波数軸の2軸で検知するため、車両や自転車、歩行者などの複数物標に対して、個別に距離、相対速度が検知可能です。さらには測角方式により安定した角度検知が可能です。

2.優れた搭載性
2軸検知のため、近傍の強反射物の影響を受けにくく、車両バンパーなどのデザインの制約が最小限で済みます。

3.極近傍検知
レーダ近傍の感度が高いため、極近距離の対象物も検知可能です。

主な周辺監視センサ方式との違い

(注3)FMCW(周波数変調連続波)方式;
送信電波の周波数を周期的に変化させる周波数変調(FM)の連続波(CW)を送信し、目標からの反射波が受信される時には送信波の周波数が変化していることから、その周波数差(ビート周波数)を測定して、距離を測定する。

古河AS㈱概要








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