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高意匠性ポリカーボネート樹脂を進化【三菱エンジニアリングプラスチックス】
2016年9月12日
三菱エンジニアリングプラスチックス㈱(本社:東京都港区、代表取締役社長:香坂 靖)は、特殊な染顔料と独自の配合技術を駆使しポリカーボネート樹脂の特性を維持した「高意匠性ポリカーボネート樹脂」を進化させ、新たな意匠と樹脂を開発しました。新たに開発した製品は様々な分野に適用することが可能です。
■ 背景
一般的なポリカーボネート樹脂は、優れた透明性と高い衝撃性をいかし、さまざまな着色用途に用いられています。しかしながら、従来、特殊な金属調や偏光調色を施すと、加工温度の高さもあり、「衝撃性」や「成形加工性」の低下が発生しやすかったため、意匠性の原着技術としてはピアノブラックや一部のメタリック色に限られており、成形後に塗装を施すことが一般的でした。
この課題に対し、当社は特殊な染顔料をポリカーボネート樹脂と独自の配合技術でコンパウンドすることにより、ポリカーボネート樹脂の優れた「着色性」「衝撃性」「成形加工性」を維持したまま、金属調、偏光パール、偏光メタリック、蓄光、蛍光透明といった高意匠を展開して参りましたが、今回新たに、ゴールド色や透明系偏光パールやアルマイト調色を開発いたしました。さらにこうした新意匠に加え、「衝撃性」や「成形加工性」が低下しにくいポリカーボネート樹脂アロイや特殊なポリカーボネート樹脂を開発することで、優れた「衝撃性」「成形加工性」をより高度に維持したまま、高い意匠性を発現させることが可能となり、より多くの製品に適用できるようになりました。
今回開発品としてラインナップいたしましたのは、以下の通りです。
・意匠開発 ゴールド、透明系偏光パール、アルマイト調
・樹脂開発 ポリカーボネート樹脂アロイ、特殊ポリカーボネート樹脂
いずれも優れた意匠性を有し、アミューズメント、自動車、電気電子分野の筐体部品や、シート、フィルム分野の外観を格段に高めることが可能です。そのため現在塗装を必要としているアミューズメント、自動車内装、高衝撃ABS樹脂塗装部品の代替に特に最適です。
■ 当該原着意匠の主な特性と特徴
1.ゴールド
ウエルド模様等の発生があり、金型設計などに注意が必要ですが、塗装並みのいろいろなゴールドを表現でき、偏光やラメを加えることにより、より一層の高級感や派手なキラキラ感を付与できるようになりました。
2.透明系偏光パール
スケルトン部品やLED光を裏面から照射することによる2重演出などが増えており、このような透明性を確保しつつ意匠を付与したい場合に効果的です。明るい色が多いため、可愛い感じの演出がしやすく、特にピンク系偏光パールに白を添加した意匠は、桃の色やざらざらな皮感も表現できるので、桃を意識した製品などに期待しています。
3.アルマイト調
ウエルド模様等の発生があり、金型設計などに注意が必要ですが、いろいろなアルマイト調色を表現できるようになりました。アルマイト調に限らず、各色の特色化要望が増えており、引き続き多彩な調色を開発しています。
4.ポリカーボネート樹脂アロイ
ポリカーボネート樹脂をアロイ化し、靱性を付与することで、意匠性の低下を抑えつつ衝撃性を向上できるようになりました。
高意匠調色のノッチ付きシャルピー衝撃値
ポリカーボネート樹脂 10kJ/m²
ポリカーボネート樹脂アロイ 60kJ/m²
5.特殊ポリカーボネート樹脂
特殊なポリカーボネート樹脂を使用することで、高意匠性樹脂を高流動化しても、意匠性を低下させずに、衝撃性も維持できるようになりました。
高意匠調色のMVRとノッチ付きシャルピー衝撃値
ポリカーボネート樹脂 30cm³/10min 5kJ/m²
特殊ポリカーボネート樹脂 30cm³/10min 20kJ/m²
6.その他
ヒート&クール成形による微細なシボ模様や触感性を付与する設計との相性がよく、また2色成形による一層の意匠性向上も期待できるので、塗装ではできなかった表面演出が可能になります。また高意匠性ポリアセタール樹脂の開発を開始しており、摺動・摩耗部品への意匠化も考慮頂けます。
今後、更にお客様のご要望にお答えし、より一層美麗な高意匠の開発を進めてまいります。
■ 会社概要
商号 : 三菱エンジニアリングプラスチックス㈱
代表者 : 代表取締役社長 香坂 靖
所在地 : 〒105-0021 東京都港区東新橋1-9-2 汐留住友ビル
設立 : 1994年3月
資本金 : 30億円
URL : http://www.m-ep.co.jp/
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