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高性能銅合金条の量産を開始【古河電気工業】

2015年10月5日

高性能銅合金条の量産を開始
~高い導電性と良好な耐熱性を両立~


当社は、次世代自動車向け等の通電部材の材料として、高強度高耐熱Cu-Cr-Mg銅合金条「EFTEC®-550」の開発に成功し、量産製造を開始しました。既に主要コネクタメーカーへサンプル出荷を開始しており、2016年度には100ton/月の生産量を計画しています。

背景

ハイブリッド(PHV)や電気自動車(EV)等の次世代自動車の技術革新、コンピュータ・ネットワークの発展に伴い、大容量サーバー電源、携帯電話の無線基地ターミナル等は、大電流化および電力高圧化が進んでいます。

こうした中、通電部材である端子・コネクタ・リレー等にも、電力損失や自己発熱の軽減、更には高温環境下でも良好な電気的な接続信頼性を維持することが求められており、これらの材料としては、「高い導電性」と「良好な耐熱性(耐応力緩和性(注1))」が要求されています。

当社の銅合金ラインナップでは、既にEFTEC-3(注2)やEFTEC-64T(注3)等が高い導電性を有していますが、さらに良好な耐応力緩和性と接続信頼性に優れた高性能銅合金の開発が望まれていました。

内容

当社はこのたび、Cu-Cr析出硬化型合金(注4)に微量のMgを添加した銅合金条を開発し、従来の合金では達成し得なかった高導電かつ良好な耐熱性(耐応力緩和性)を有する高性能銅合金条「EFTEC®-550」を開発し、量産化技術を確立すると共に、製造を開始しました。

「EFTEC®-550」は、導電率が80%IACS、引張強さが550MPa、応力緩和率が15%を示しています。既にPHV、EV等の端子・コネクタ、大型サーバーや大容量リレー等の通電部材、バッテリーブレーカー材等の用途向けにサンプル出荷を開始し、良好な評価を得て、製品出荷も開始しています。

今後、幅広いユーザーへ「EFTEC®-550」の拡販を進めることで、自動車やコンピューター等のさらなる高性能化に貢献してまいります。

開発品と他材料との特性比較

(注)数値は代表値

*応力緩和率 : 0.2%耐力の80%の応力負荷し、150℃で1,000時間保持後



(注1)耐応力緩和性 ;
ばねに歪を付与させ、高温化で保持した後、除荷した際の塑性変形量(へたり量)を数値化したものです。緩和率が低いほど、特性が良好であり、高温環境下でのばね特性が維持されます。本文に戻る
(注2)EFTEC-3 ;
当社の耐熱銅合金条であり、成分は、Cu-0.15%Sn です。本文に戻る
(注3)EFTEC-64T ;
当社の中強度高導電合金条であり、成分は、Cu-0.25%Cr-0.25%Sn-0.2%Znです。本文に戻る
(注4)析出硬化型合金 ;
金属の強化方法の一つであり、「EFTEC®-550」では、Cu中に異相のCrが均一微細に析出し、高導電率を維持しつつ、強度が向上します。








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