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視覚ベースの運転支援システム向けに第3世代SoCファミリを開発【STマイクロエレクトロニクス】
2011年10月12日
エレクトロニクス分野の多種多様なアプリケーションに半導体を提供する世界的半導体メーカーで、車載用ICの設計・製造をリードするSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)と、自動車用高度運転支援システム(ADAS)の主要サプライヤであるMobileye N.V.(以下Mobileye)は、自動車市場における視覚ベースの運転支援分野を対象とした、次世代システム・オン・チップ(SoC)を共同開発することを発表しました。
STとMobileyeは2005年より順調に共同開発を進めており、EyeQ3およびEyeQ3-Liteは第3世代品の最初の製品になります。現在、第1世代品のEyeQ1は、複数の自動車メーカー向けに量産されています。市場をリードするEyeQ1は、車線逸脱警告(LDW、Lane-Departure Warning)、アダプティブ・ヘッドライト制御(AHC、Adaptive-Headlight Control)、交通標識認識 (TSR、Traffic-Sign Recognition)、レーダーとカメラの融合による衝突回避、前方衝突警告(FCW、Forward Collision Warning)等、交通事故を劇的に減らすための機能を提供しています。
歩行者が道路で最も弱い存在であるという認識の下、STとMobileyeは、受賞暦(1)のある 第2世代のEyeQ2で、シングルチップの処理能力をEyeQ1の6倍まで向上させ、画像プロセッサが、アクティブ・セーフティの概念を新たなレベルに引き上げることを可能にしました。NHTSA(2)(国家道路交通安全局)によると、米国において、自動車が歩行者・自転車と衝突する交通事故の死亡者数は4,000人、負傷者数は60,000人です。EyeQ2では、前世代の機能にMobileyeのレーダーと画像の融合に基づく新たな機能を追加すると共に、歩行者検知機能および自動車メーカー向けの追加オプションとして完全に自動化された緊急ブレーキ(特に都市部での使用)も提供しています。EyeQ2は、新しいVolvo S60セダン・シリーズ向けに量産が開始されており、今後数カ月以内にその他複数の自動車メーカーでもEyeQ2ベースのシステムが製造される予定です。
両社は、次世代の先進的なアクティブ・セーフティ製品向けにプロセッサ・アーキテクチャをさらに進化させたEyeQ3を共同開発しています。次世代品は、新たな機能を動作させるのに加え、対象物をより確実に識別するための高解像度化に向けた要求をサポートするため、さらに6倍の性能向上を予定しています。
また、EyeQ3の設計は既に開始されており、AEC-Q100規格に準拠したストレス・テストを2013年に実施する予定です。MobileyeとSTは、世界的な顧客より、EyeQ3の受注を2件獲得しており、2014年に量産を開始する見込みです。
ヘブライ大学(エルサレム)におけるコンピュータ科学の教授であり、Mobileyeの共同創設者で会長のAmnon Shashua教授は、次の様にコメントしています。
「特にカメラ・ベースの補助をはじめとした運転支援システムの急成長に伴い、市場は、警告機能からフル・ブレーキング緩和機能を含めたユーザ機能に対して高まる要求をサポートすることができる、より強力かつ低コストな演算プラットフォームを必要としています。EyeQ3は、事故の起きない自律的な運転の実現へ向けて進化し、この市場における重要な原動力となるでしょう。」
STのグループ・バイスプレジデント 兼 オートモーティブ・エレクトロニクス事業部ジェネラル・マネージャであるMarco Montiは、次の様にコメントしています。「困難な環境下における通知および衝突緩和を可能にするEyeQ3の検知機能が、人々の交通事故防止に役立ちます。STの車載用ICの設計・製造に関する専門性とMobileyeのビデオ・ベースの運転支援システムの強みを組み合わせることで、将来の革新的で価格競争力のある自動車用セーフティ・アプリケーションに対して、最適かつ自動車市場において実績のあるソリューションを提供することができます。」
処理能力が大幅に向上したEyeQ3は、前方カメラと周辺カメラからの情報に基づく、多数の機能を同時に実行することが可能です。
・ 車線逸脱警告および車線維持支援
・ 視野拡大による交通標識認識
・ 強化されたヘッドライト制御
・ 前方衝突警告用の車両検知
・ 進行方向モニタおよび警告
・ レーダーおよび画像の融合
・ 全速度範囲における世界初の画像によるアダプティブ巡航制御システム
・ 画像のみの衝突緩和(低速時のブレーキによる)
・ 歩行者検知 : 新しい前方・後方カメラが、他の全ての前方カメラ・アプリケーションと連携
・ 障害物検知
EyeQ3は、サラウンド・ビュー・システムからの複数のカメラ入力に対応し、車両の周囲に安全な空間を作り出すためのあらゆる機能を統合します。EyeQ3は、マルチスレッドMIPS32コア(4個)とMobileyeの革新的な新世代VMP(ベクトル・マイクロコード・プロセッサ)コア(4個)を搭載し、画像処理に適したアーキテクチャ上で、制御とデータ処理の理想的なバランスを実現しています。
EyeQ3に加え、STとMobileyeは同じ時期にEyeQ3-Liteの開発も計画しています。
EyeQ3-LiteはEyeQ3のコア・アーキテクチャのサブセットを持つ機能限定版になります。
自動車メーカーは、MobileyeとSTのEyeQ3ファミリを採用することで、完全なコード互換性を持つ拡張性のあるハードウェア・ソリューションを実現することができます。そのため、全体の検証コストが低減され、複数の機能セットを最適な価格でエンド・ユーザに提供することが可能です。
(1) EyeQ2は、Electronic DesignのBest Automotive Design Award(最優秀自動車設計賞)を受賞しています(2008年)。またGerman Automotive Club(ADAC)からも高評価を受け、ADACの厳格な試験において、EyeQ2を搭載した
Volvo V60が市場における最高の衝突回避システムに選ばれました(2011年)。
(2) NHTSA Traffic Safety Facts、2009年
Mobileyeについて
Mobileye N.V.は、インテリジェントな交通機関のための視覚システム開発の先駆者で、視覚補助型運転支援システム(Driver Assistance Systems)の世界的リーダーとして認められています。Mobileyeは、2007年以来、BMW、GM、Volvoなど全世界の主要自動車メーカーの量産車向け画像エンジンのサプライヤです。Mobileyeの革新的な製品シリーズであるMobileye AWS(TM)(AdvanceWarning System)は全世界で販売されており、ヨーロッパ、米国およびアジアにおいて、同製品をセーフティ・ソリューションとして選択するトラック輸送コミュニティが拡大しています。
Mobileye N.V.の本社所在地はオランダです。イスラエルのエルサレムに研究開発センター、ミシガン州デトロイト、キプロス、および日本の東京に営業所があります。
Mobileyeの詳細については、 http://www.mobileye.com をご覧ください。
STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに革新的な半導体ソリューションを提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、高度な技術力と設計ノウハウ、そして幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォリオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力を駆使することにより、マルチメディア・コンバージェンスとパワー・アプリケーションにおいて他社の追随を許さないリーダーとなることを目指しています。2010年の売上は103.5億ドルでした。
さらに詳しい情報はSTのホームページをご覧ください。
ST日本法人 : http://www.st-japan.co.jp
STグループ(英語) : http://www.st.com
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