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「低フリクション高信頼性ハブユニット軸受」を開発【日本精工】

2011年9月28日

~ 新開発グリースによる低フリクション化と軸受の信頼性向上に貢献 ~


日本精工株式会社(本社/東京都品川区 取締役 代表執行役社長 大塚 紀男、以下NSK)は、自動車の燃費向上及び信頼性の向上に貢献する、「低フリクション高信頼性ハブユニット軸受*1」を開発しました。NSKは、低燃費と高信頼性を実現した本製品による売上として、2015年に40億円を目指します。

*1 タイヤホイールに取り付ける部品と車体へ取り付ける部品を一体化したユニット軸受

近年の環境対応に伴うCO2排出量削減要求やガソンリン価格高騰を受け、自動車メーカーでは燃費改善が急務になっています。対応策の一つとして、ハブユニット軸受を含む、自動車のエンジンからタイヤまでの全ての回転部分の摩擦(フリクション)を低減し、走行抵抗を低減することが挙げられます。
一方、ハブユニット軸受は車輪の中心にあり、車体を支える重要な基幹部品である事から、非常に高い信頼性を求められています。
一般に、低フリクション化と軸受機能(耐久性、耐フレッティング性など)は、相反するトレードオフの関係にあるため、単純に低フリクション化すると、市場での信頼性を損なうおそれがあります。
そのため、ハブユニット軸受には安定した信頼性を確保しつつ、フリクションを低減する技術が必要となっています。
NSKは、新グリースの開発により、ハブユニット軸受のフリクションを従来比25~35%低減させ、更に信頼性を向上させた「低フリクション高信頼性ハブユニット軸受」を開発しました。

製品の特長

温度による粘度変化が少ない基油を用いた新グリースを開発することで、ハブユニット軸受のフリクションを25~35%低減させ、更に信頼性を向上させました。

常温域での使用
従来グリースよりも基油粘度を小さくすることにより、ボールと軌道面の接触部におけるフリクションを低減しました。

低温域での使用
従来グリースよりも低温による基油粘度の増大を抑制することで、寒冷地で起こりやすいフレッティング*2を防止できるようになりました。

高温域での使用
従来グリースよりも高温による基油粘度の減少を抑制することで、高温・重荷重条件下での転がり疲れ寿命を向上させました。

*2  車両輸送時など、軸受が回転せず変動荷重を受けている環境で、ボールと軌道面がこすれ合い軌道面が摩耗していく現象

軸受トルクとグリースの関係

HUB軸受のフリクション

新開発グリースの特長


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