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TSMC社の16nm FF+プロセスを採用した業界初のAll ProgrammableマルチプロセッサSoCをテープアウト、エンベデッド ビジョンやADAS、I-IoT、5Gシステムに対応【ザイリンクス】

2015年7月6日

単位ワット当たりのシステム性能を最大5倍、「任意のデバイス間の」コネクティビティ、
次世代システムが必要とするセキュリティと機能安全を備えた、柔軟性の高いプラットフォームを提供

ザイリンクス社 (本社 : 米国カリフォルニア州サンノゼ、NASDAQ:XLNX)は 7月1日(米国時間)、TSMC社の16nm FF+(FinFETプラス)プロセスを採用した業界初のAll ProgrammableマルチプロセッサSoC (MPSoC) をテープアウトしたと発表した。このAll Programmable MPSoCは、先進運転支援システム(ADAS)や自律走行車を含むエンベデッド ビジョン システムや、インダストリアルIoT(I-IoT)、次世代の5Gワイヤレス システムなどに狙いを定めている。ザイリンクスのAll Programmable Zynq® UltraScale+™ MPSoCは、柔軟性の高いスタンダード ベースのプラットフォームの開発を可能にする。そのプラットフォームは、単位ワット当たりのシステム性能を5倍にすることができ、次世代システムで要求されるセキュリティと安全性を備え、かつ、「任意のデバイス間の」コネクティビティを実現することが可能である。

世界初のヘテロジニアスなマルチプロセッシングSoCであるAll Programmable Zynq UltraScale+ MPSoCは、クアッド コア64ビットARM® Cortex™-A53アプリケーション プロセッシング ユニット、デュアル コア32ビットARM Cortex-R5リアルタイム プロセッシング ユニットおよびARM Mali™-400グラフィックス プロセッシング ユニットを含む7つのユーザー プログラマブル プロセッサを組み合わせている。また、Zynq UltraScale+ MPSoCファミリは、内蔵ペリフェラル ホスト機能、セキュリティ/機能安全、および高度なパワー マネージメント機能も内蔵している。さらに、Zynq UltraScale+ MPSoCファミリと最近ザイリンクスが発表したSDSoC™開発環境を組み合わせることで、ソフトウェアで設計し、かつ、ハードウェアを最適化するシステムを実現できる。

ザイリンクスのプログラマブル製品グループ担当エグゼクティブ バイス プレジデント兼ジェネラル マネージャであるビクター ペン(Victor Peng)は、「Zynq UltraScale+ MPSoCは、次世代のスマート コネクテッド アプリケーションに向けて、ソフトウェア インテリジェンス、ハードウェアの最適化、セキュリティ/機能安全、『任意のデバイス間の』コネクティビティの理想的な組み合わせを提供します。Zynq UltraScale+ MPSoCは、ADASや自律走行車を含む次世代エンベデッド ビジョン システムや、インダストリアルIoT、5Gワイヤレス システムなどの各アプリケーションが求める要件を満たすように最適化されています」と述べている。

ADASを含むエンベデッド ビジョン システムや、インダストリアルIoT、5Gシステムなどを実現
Zynq UltraScale+ MPSoCは、産業用マシン ビジョン、サーベイランス、ADASなどの次世代エンベデッド ビジョン システム向けに最適化されている。ADAS向けでは、Zynq MPSoCに高度に並列化されたハードウェア ベースの画像処理と解析処理の高速化と、ソフトウェア ベースでのアルゴリズム実装や制御を行うことが可能である。また、あらたに追加されたオンチップ大容量メモリである、UltraRAM™をビデオ バッファ用に使用することで、ADASの仕様として重要なスループットの最大化とレイテンシの低減を実現する。さらに、安全性に関連する判断をリアルタイムに行い、アクチュエーターにコマンドを発行できるようにするために、デュアル コアCortex-R5プロセッサを搭載している。これにより、通常のロックステップ方式に加えて、プログラマブル ロジック部に同等の診断機能を実装してクロス モニタリングさせることも可能である。Zynq MPSoCは、ISO-26262自動車用機能安全規格を念頭に設計されているだけでなく、優れた拡張性と高度にカスタマイズ可能なプログラマブル プラットフォームを提供するため、システム要求の変化が激しいADAS分野において継続的に使用可能である。

インダストリアルIoT向けZynq UltraScale+ MPSoCファミリは、データ収集の統合や、リアルタイムでの診断の実行に最適であり、高度に統合された制御システムによる意思決定を実現する。MPSoCプロセッシング サブシステム、UltraScale™プログラマブル ロジック部、新しいUltraRAMオンチップ メモリ技術の組み合わせは、理想的なプラットフォームを構築し、マシン間(M2M)リアルタイム通信を解析、管理するための膨大なデータを処理することが可能である。専用のセキュリティ プロセッシング ユニットとロックステップ方式が構成可能なデュアル コアCortex-R5プロセッサにより、SIL3レベルの機能安全およびセキュリティ要件もサポートする。

Zynq UltraScale+ MPSoCデバイスは、次世代5Gシステムの無線およびベースバンド処理の要件にも対応する。Zynq UltraScale+ MPSoCデバイスは、消費電力を低く抑えながら複数の規格や周波数帯を柔軟にサポートし、「Massive MIMO」やアダプティブ ビームフォーミング アーキテクチャ、CloudRANレイヤー1ベースバンド アクセラレーション、フロントホール アプリケーションなどの新技術に対応する。また、クアッド コアARM Cortex-A53プロセッシング サブシステムを備えるZynq UltraScale+ MPSoCは、統合されたきめ細やかなパワー マネージメント システムを活用して、デジタル プリディストーション、ビームフォーミング制御機能およびシステム制御タスクを実行するための、低消費電力で最適化されたハードウェアおよびソフトウェア デザインを実装できる。

Zynq UltraScale+ MPSoC開発環境
ザイリンクスは、UltraScale+ポートフォリオ向けに極めて包括的で便利なツールセットも提供している。ツールにはSDSoC開発環境が含まれるため、システムおよびソフトウェア エンジニアは、ソフトウェアでの開発手法を選択できる。また、ハードウェア設計者は最新のVivado® Design Suiteを利用して、最適化されたZynq MPSoCベースのプラットフォームを迅速に構築できる。さらに、ザイリンクスは、Linux、FreeRTOS、OpenAMP、Yocto、QEMU、XENなどのオープン ソース コミュニティを利用可能にするためのソース コードを公開済みである。ザイリンクスは、全体的な製品ラインアップを補完しアプリケーション開発を容易にするために、ソフトウェア開発キット(SDK)、PetaLinuxツール、ランタイム ドライバーおよびライブラリも提供している。

ザイリンクスについて
ザイリンクスは、All Programmable FPGA、SoC、MPSoC、3D ICの世界的なリーディング プロバイダーである。独自の技術を提供することで、クラウド コンピューティング、SDN/NFV、ビデオ/ビジョン、インダストリアルIoTおよび5Gワイヤレスなどの分野において、ソフトウェアで定義しハードウェアを最適化するアプリケーションを実現する。詳しい情報は、ウェブサイトjapan.xilinx.comで公開している。

※ ザイリンクスの名称およびロゴ、Artix、ISE、Kintex、Spartan、Virtex、Vivado、Zynq、その他本プレスリリースに記載のブランド名は米国およびその他各国のザイリンクスの登録商標または商標です。ARMはEUおよびその他の国でのARMの登録商標および商標です。その他すべての名称は、それぞれの所有者に帰属します。








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