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光デバイス/光回路/光ファイバーシステム設計に! RSoft最新バージョン2015.06 リリースのお知らせ【サイバネットシステム】
2015年6月23日
有機ELや太陽電池、先進運転支援システム(ADAS)用センサや車載光ネットワークなどの開発の効率化、高速化を実現
サイバネットシステム㈱(本社:東京都、代表取締役:田中 邦明、以下「サイバネット」)は、主要取引先であるSynopsys, Inc.(本社:米国カリフォルニア州、以下「シノプシス社」)が開発し、サイバネットが販売・サポートする「光デバイス/光通信システム設計環境 RSoft(アールソフト)」の最新バージョン2015.06の販売を、2015年6月23日から開始することをお知らせします。
本新バージョンでは、広範囲な光デバイス、光回路、ファイバーアプリケーションのための効率的な設計・解析ツールとしての基盤がより強化されました。今後大きく需要が高まると考えられるADASのためのセンシング用光デバイスの設計、車載光ネットワークの最適化など、様々な分野で利用が期待されています。RSoftはシノプシス社が開発しサイバネットが販売・サポートする「光学設計ソフトウェア CODE V」や「照明設計解析ソフトウェア LightTools」との連携も行なうことができ、ナノフォトニクスからオプティクスの領域までのトータルな光学系開発にご活用頂けます。
RSoft製品構成と各製品のバージョンアップポイント
(1) 光デバイス設計解析ソフトウェア群「RSoft Photonic Component Design Suite」
適用分野 : 光通信、光エレクトロニクス、半導体製造といった分野における様々な光デバイスの設計と解析
ポイント : 汎用電磁界ソルバの機能強化と大幅な速度向上を実現。これにより高機能センサや液晶ディスプレイ等の設計のための解析がより高精度に
(2) 光通信システム設計解析ソフトウェア群「RSoft Photonic System Design Suite」
適用分野 : 光ファイバー通信システムや光集積回路など、光による情報伝送、信号処理システムの設計と解析
ポイント : 光集積回路やデジタルコヒーレント・トランシーバの設計を円滑に行なうためのライブラリを追加、さらに大口径マルチモードファイバーをモデル化するための革新的なプラットフォームを追加
主な機能強化
Photonic Component Design Suite
光学構造モデリングのためのCADツール、電磁界解析のための各種ソルバおよびユーティリティで構成されます。主な機能強化は以下の通りです。
・ FullWAVEにおける異方性媒質と分散性媒質の取り扱い強化
・ アレイ導波路回折格子ユーティリティのアップデート
・ 双方向散乱分布関数(BSDF)機能のアップデート
・ RSoft CAD environmentの機能強化
FDTD※1法による微小光学素子設計・解析ソフトウェア「FullWAVE」で異方性媒質と分散性媒質を同時に扱えるようになりました。これにより、金属やその他の複雑な分散特性を持つ物質(LCD中のTN液晶、表面プラズモン、メタマテリアルなど)を含むようなフォトニック構造の高精度なシミュレーションが行なえるようになりました。またマルチCPUを用いた場合のFullWAVEシミュレーション効率が向上し、最高で3倍のスピードが得られます。
Photonic System Design Suite
光通信システムの設計・解析ソフトウェア「OptSim」、光集積回路のための「OptSim Circuit」、マルチモード伝送システムのための「ModeSYS」が統合されたシミュレーション環境を提供します。主な機能追加は以下の通りです。
・ OptSimでデジタルコヒーレント・トランシーバ用DSPアルゴリズムのMATLABライブラリ
・ OptSim CircuitでIMEC※2によるフォトニックチップ用プロセス・デザイン・キット
・ ModeSYSで大口径ステップインデックスファイバーモデル用のプラットフォーム
㈱豊田中央研究所 情報・通信研究部 主席研究員 各務 学 博士のコメント
自動車の先進運転支援システム(ADAS)で一般的に使用される大口径マルチモードファイバーをモデリングする際、従来の手法とラジアルモードソルバでは途方もなく大きな計算量が必要となっていました。こういった通信システムを効率的にモデル化できるかどうかで、製品の発売に成功するかどうかの状況が一変します。シノプシス社のRSoftチームがGloge power-flowに基づいた手法をRSoftのModeSYSのために開発している間、我々も緊密に連携していました。そうして大口径ファイバーのモデリングのための正確で効率的なプラットフォームが提供されました。ModeSYSシミュレーションの結果と我々の実験の測定結果にも密接な相関が見られました。ModeSYSが今後の新たなADASソリューションの開発と、より早いマーケットへの投入の助けになるでしょう。
詳細については、下記Webサイトをご覧ください。
http://www.cybernet.co.jp/photonics/
注釈
※1 : FDTD法:時間領域差分法(Finite-Difference Time-Domain method)。計算機により電磁場解析を行なうための手法のひとつ。任意の光学構造を持った空間内での電磁場の伝播を時間領域で高精度に求めることができる。
※2 : IMEC:ベルギーに本部を置く国際研究機関で、ナノエレクトロニクスの分野で世界をリードする研究成果を挙げている。
シノプシス社について
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、電子製品を開発している革新的な企業のための半導体企業です。世界で15番目に大きなソフトウェア会社として、Synopsysは電子設計自動化(EDA)ならびに設計資産(IP)のグローバルリーダーとして長い歴史を持っています。また、Coverity®のソリューションとともに、ソフトウェアの品質とセキュリティテスティングにおいてのリーダーでもあります。先進の半導体を製作しているシステムオンチップ(SoC)の設計者や最高の品質とセキュリティを要求されるソフトウェア開発者のみならず、Synopsysは革新的で高品質、安全な製品を提供するソリューションを持っています。
シノプシス社に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
http://www.synopsys.com/japan/
サイバネットについて
サイバネットシステム㈱は、科学技術計算分野、特にCAE(※)関連の多岐にわたる先端的なソフトウェアソリューションサービスを展開しており、電気機器、輸送用機器、機械、精密機器、医療、教育・研究機関など様々な業種及び適用分野におけるソフトウェア、教育サービス、技術サポート、コンサルティング等を提供しております。具体的には、構造解析、射出成形解析、音響解析、機構解析、制御系解析、通信システム解析、信号処理、光学設計、照明解析、電子回路設計、汎用可視化処理、医用画像処理など多様かつ世界的レベルのソフトウェアを取扱い、様々な顧客ニーズに対応しております。
サイバネットシステム㈱に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
http://www.cybernet.co.jp/
※CAE(Computer Aided Engineering)とは、「ものづくり」における研究・開発時に、従来行われていた試作品によるテストや実験をコンピュータ上の試作品でシミュレーションし分析する技術です。試作や実験の回数を劇的に減らすと共に、様々な問題をもれなく多方面に亘って予想・解決し、試作実験による廃材を激減させる環境に配慮した「ものづくり」の実現に貢献しております。
記載されている会社名及び製品名は各社の商標および登録商標です。
本件に関するお問い合わせ : サイバネットシステム㈱
内容について
オプティカル事業部 営業推進グループ
TEL : 03-5297-3703 E-MAIL : optsales@cybernet.co.jp
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