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ターボチャージャー工場が本格量産開始へ【三菱重工業】
2015年5月13日
米国インディアナ州のターボチャージャー工場が本格量産開始へ
グローバルでの1,000万台生産体制構築に向けた最終組立の拠点体制整う
三菱重工業が、米国インディアナ州フランクリン市で立ち上げ準備を進めていたターボチャージャー(過給器)工場にて、本格的な量産開始を前に12日(現地時間)、開所式が開催されました。この工場は、自動車の低燃費化に伴い北米市場で増大が期待されるターボチャージャー需要に対応するものです。これにより、グローバルでの年間1,000万台生産体制構築に向け、ターボチャージャー最終組立の拠点体制が整いました。
式典にはスー・エルスパーマン(Sue Ellspermann)インディアナ州副知事やジョー・マクギネス(Joe McGuinness)フランクリン市長をはじめとする地元関係者多数、および当社顧客、ビジネスパートナー(サプライヤー)代表者らが列席。当社・グループからは米国三菱重工業(Mitsubishi Heavy Industries America, Inc.)の有原正彦 会長、当社の梶野武 自動車部品事業部長らが出席しました。
新工場は、北米でエンジンとターボチャージャーの販売を手掛ける子会社Mitsubishi Engine North America, Inc.(本社:シカゴ、以下MENA)の工場として新設したものです。冷熱事業の北米子会社Mitsubishi Heavy Industries Climate Control, Inc.(以下MCCA)のカーエアコン用コンプレッサ生産工場の既存建屋内と今回増築した建屋に、生産ラインを設けるシェアドファクトリー(複数製品生産工場)方式を採用することで、運営効率などのシナジーを追求しやすくしました。
MENAの専有エリアには、最終組立ラインを設置するとともに部品保管・完成品保管用スペースを確保。また、MENAの事務所も設けました。MCCAとの共用スペースでは検査や物流などに関連する作業を行います。この工場では、タイの子会社Mitsubishi Turbocharger Asia Co., Ltd.などで生産した製品のコア部品であるカートリッジに外装部品のハウジングなどを取り付け、最終製品に組み立てます。立ち上げ時は年間生産能力60万台でスタート。将来的には、120万台からそれ以上への順次引き上げを計画しています。
ガソリンエンジン車が多い北米市場では、これまでターボチャージャーに対する需要が低調でしたが、近年はCAFE規制※などの燃費規制強化を背景に、小型ガソリンエンジン車を中心として、燃費性能改善に貢献するターボチャージャー搭載エンジンへのニーズが高まってきました。このため、北米での現地生産により、品質・コスト面での競争力を高めながら納期短縮をはかり、販売拡大につなげます。
当社は現在、ターボチャージャーの年間生産能力1,000万台体制構築に向け、各拠点で生産増強に向けた投資を行っています。今回の米国工場稼働もその一環で、欧州(オランダ)、日本、中国、タイ、および北米でのフレキシブルな生産体制を整備することにより、今後拡大するターボチャージャー需要へのタイムリーな対応に一層力を注いでいきます。
※ CAFE規制 : Corporate Average Fuel Economy(企業平均燃費)規制では、企業が実際に販売した自動車全体を基準に算出した平均燃費に規制がかけられ、規制基準値も順次厳しくなっていきます。
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