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薩摩川内市甑島における、EVリユース蓄電池導入による共同実証事業について【住友商事】
2014年10月15日
鹿児島県薩摩川内市(本庁:鹿児島県薩摩川内市、市長:岩切秀雄、以下「薩摩川内市」)と、住友商事㈱(本社:東京都中央区、取締役社長:中村邦晴、以下「住友商事」)は、離島における再生可能エネルギー(以下「再エネ」)の利用環境を整備するために、電気自動車(以下「EV」)の使用済み電池を再利用した大型蓄電池設備(以下「EVリユース蓄電池システム」)を鹿児島県薩摩川内市甑島に導入する共同実証事業(以下「本事業」)の実施に合意し、平成26年10月10日付で協定書を締結しました。
離島のような小規模な電力系統においては、天候によって発電量が大きく変化する再エネが大量に接続されると電力需給バランスを保ちきれず、場合によっては停電に陥る可能性があります。離島における再エネ普及にはこの課題の克服が必要であり、蓄電池システムを設置する等の対策が求められています。本事業では、経済性の高いEVリユース蓄電池を用いた低コスト事業モデルを確立し、自治体が主体となって蓄電池システムを設置し再エネの接続インフラを整備するという「自治体モデル事業」を構築・検証します。事業の経済性を成立させることによって、持続的に再エネの導入環境拡大を後押しする考えです。
また、本事業を取り進めるにあたっては、薩摩川内市から九州電力㈱に協力を要請し、技術的側面からの助言等のサポートを得る予定で、再エネ導入に課題を抱える他の離島等にも展開可能な事業を目指します。
薩摩川内市は、「次世代エネルギービジョン」を制定し、市民のためになる次世代エネルギーの活用モデル作りに積極的に取り組んでいます。甑島においては、「エコアイランド化」による観光振興や市民生活の利便性向上を目標に掲げ、これまでEVレンタカーの導入や超小型EVモビリティ(注1)の導入実証事業などに取り組んできました。さらに本事業を取り進めることで、甑島に再エネが導入される環境を整備し、島全体のゼロ・エミッションに向けた取り組みを一層促進します。
また、本事業では、EVリユース蓄電池システムと同時に、災害時などにも活用できる太陽光発電システムを甑島の2カ所の避難施設に設置します。市は、これによって甑島の防災機能を強化し、石油燃料だけに依存しない多元的な電力供給インフラを構築します。
住友商事は、これまで培ってきたEVリユース蓄電池システムのノウハウを活かし(注2)、住友商事九州㈱と連携して本事業の設備一式(下記表中)を甑島に構築します。設備導入にあたっては、環境省からの補助金(注3)を活用し、平成27年度上半期中の完成を目指します。EVリユース蓄電池は、住友商事と日産自動車との共同事業会社「フォーアールエナジー㈱」(注4、以下「4R」)から供給を受ける予定です。住友商事は、この経済性の高いリユース蓄電池システムを活用した新たなビジネス機会の創出に取り組んでおり、国内外の離島・マイクログリッド等に新しい電力関連事業として広く展開することを目指します。
(注1) 自動車よりコンパクトで、地域の手軽な移動の足となる1人~2人乗り程度の電気自動車
(注2) 平成25年度 大阪市夢洲「世界で初めての大型EVリユース蓄電池システム」実証事業
(注3) 平成26年度 環境省「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(離島の低炭素地域づくり推進事業)」
(注4)「フォーアールエナジー㈱」
日産自動車㈱と住友商事㈱は、電気自動車(EV)に使用されたリチウムイオンバッテリーを「再利用(Reuse)、再販売(Resell)、再製品化(Refabricate)、リサイクル(Recycle)」し、グローバル市場におけるエネルギー貯蔵のソリューションとして二次利用を行う4R事業の検討を共同で進めるべく、2010年9月に「フォーアールエナジー㈱」を設立しました。4R事業では、ゼロ・エミッション車の普及のみならず、再生可能エネルギーを有効活用する蓄電デバイスを普及させることで、更なるCO2削減を行い、低炭素社会の実現に貢献します。
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